あの大きな舞台で
ひとりライトを浴びて
相棒はグランドピアノ
そして頭の中の音譜

震える指を叱咤して
最初の音を響かせる
暗がりの向こうにはお客様方
けれどやっぱりひとりきり


タラン タラン
タラッ タン


ある日小さな舞台の隅で
見つけたグランドピアノ
立派だけれど鍵盤は馬鹿になっていて
白は黄色に 黒は灰色に
けれどそのピアノ
歌うのを忘れてはいなかった


タラン タラン
タラッ タン


ライトがなくても
観客などいなくても
そこには喜びがあった
歌える喜びがあった


もしもまたあの大きな舞台で
ライトを浴びる日が来たとしたら
きっとこの指はまた震える
けれどひとりきりじゃない
一緒に歌う相棒がいるから


タラン タラン
タラッ タン


いつか
また一緒に歌いましょう