思えば小さな時分には
玩具の小刀を振り回し
自己を見つける頃合に
ペーパーナイフを構えてた
此の世の総ての悲しみと
此の世の総ての憎しみは
外から来るのだと牙を剥いて
そして幾年過ぎた頃
底なしの闇と出くわした
その手は僕の手を取った
けたけた笑って握手した
此の世の総ての苦しみと
此の世の総ての虚しさは
そこから湧き出し這いずった
太陽がその身を歪ませて
不気味な音を立てながら落ちていく
落日
僕はその手を闇に取られて
身動きできずに俯いた
そして総てを知ってしまう
黒く縁取られた哂う闇が
手を握り離さないその闇が
僕の影から伸びていることを