僕が今そこに居るのが分かりますか
暗い水面を覗き込んで
僕が今そこに居るのが分かりますか
宛がわれた魂を
余す所なく羽ばたかせようともがく
僕が今そこに居るのが分かりますか
あなたに分かるのでしょうか
僕が今そこに居るのが見えますか
焼け付く天涯を臨んで
僕が今そこに居るのが見えますか
ほつれた翼を繕って
飛び立つようにただ堕落していく
僕が今そこに居るのが見えますか
あなたに見えるのでしょうか
僕が今そこに居るのが聞こえますか
ざわめく静寂を縫って
僕が今そこに居るのが聞こえますか
薄汚れた正論と清らかな戯言が
絡み縺れ身動きの取れない
僕が今そこに居るのが聞こえますか
あなたに聞こえるのでしょうか
僕は未だに誰にも出会わず
暗い光の中と
眩い闇の中を
意味もなく繰り返しています
最早何処に向かうかすら
誰に出会い何を語りどれを選ぶのか
僕には分からずに居ます
鳥が鳴いて夜の明けるのを告げます
僕の周りには掃ききれなかった暗闇が
上気して巡ります
いつか僕が今そこに居るのが
あなたの知るところとなれば
虚空も総て埋め尽くされるかと
そう願って僕は今日も
小さく炎を指先に留めるのです