表現のお話のおまけ。
前回のお話はこちら。
表現の不自由その2
https://ameblo.jp/malicetetsu/entry-12805936565.html
概要という名のおさらい。
・鈍感、無神経、不躾、失礼。
極道、ヤンキー、クズ、ホスト。
いじめ、裏切り、強姦、殺害。
こういう題材のマンガは不快
・マンガとしての主題、ストーリーや
技量の下地があって、隠し味として
入れるなら良いが、それが感じられ
ない、不快さウリの作品は不快
・作劇上必要な悪役がいたとしても、
エグミや臭みの不快感を消しつつ、
悪役として魅力も描くのが、名作に
おける隠し味の使い方である
みたいな事を言いました。
これと似たお話を昔みた事があるので
ご紹介。
2012年8月1日放送の
「マツコ有吉の怒り新党」
という番組での一幕です。
「料理に温泉卵を乗せる」のに怒りを
感じるという視聴者からのお便り。
それに対してマツコと有吉がトークを
するという場面がありました。
TVでた蔵トップ>> 番組情報
2012年8月1日放送 23:15 - 0:15
テレビ朝日 マツコ&有吉の怒り新党
https://datazoo.jp/tv/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%82%B3%EF%BC%86%E6%9C%89%E5%90%89%E3%81%AE%E6%80%92%E3%82%8A%E6%96%B0%E5%85%9A/581368
概要。
・料理に温泉卵を乗せると、卵の味に
料理の味が負けてしまう
自分の作る料理に自信がないから、
逃げているのでは? とのお便り
・「自信がないからとは思わない」と
しつつも同意するマツコ。
温泉卵は強い、ごまかせる、醤油の
味に温泉卵があればマズくならない
・嫌いではないし美味しいとは思うが
他に何かないか? とは思うとの事
・有吉は
「何にでものせて欲しい」
とと言うが、マツコは
「こうなるでしょ、強いのよ」
と勢いづく。
・日本の味の全てが温泉卵になるのが
怖い、家庭でやるのは良い、と言う
マツコに対し、夏目は
「家で温泉卵をやるのは面倒くさい」
と反論
・それに対しマツコは、お金を出して
外食しているのに、美味しいと解る
安直な味にしてほしくない、と言う
・シェフが数千円の料理に対して温泉
卵を最後に乗せて
「温泉卵で味がまろやかになります」
と言うと、そんなんわかってるわ、
温泉卵がお前のレベルか、と思って
しまう
・家でなかなか温泉卵料理を作らない
のは、それが悪魔のスパイスである
と理解しているから
難のあるマズい料理も温泉卵で隠す
ことができる禁じ手だから
みたいなお話でした。
この感覚と似ているかも知れません。
前述したマンガにおける不快な要素は
簡単に注目を集めることができるワザ
なのです。
「家族を悪党に殺された」だの。
「恋人が性的暴行された」だの。
「弟が交通事故で死んだ」だの。
「上司からイジメられている」だの。
「夫婦仲が最悪です」だの。
そんなん出されたら、そりゃあ
「この先どうなるのかねぇ」
「犯人どうなるんかね」
「コイツどうやって反撃するのかな」
程度の興味をもたせる事ができちゃう
のです。
マツコも言ってましたけど。
温泉卵を乗せることに怒りはあっても
温泉卵が嫌いなわけではないのです。
むしろ喜んで食べると言ってました。
私もなのです。
温泉卵ではなくてマンガのお話。
バイオレンスな展開のマンガ。
ぶっちゃけいくつか読んでます。
マンガアプリ、5つくらいをスマホに
入れているのです。
無料のバイオレンスマンガ、1日1話
楽しみにしているのです。
キャラが殺されたり犯されたり展開、
嫌いじゃないのです。
むしろ、それがあるならちょっと見て
みようかな、と宣伝効果になっている
のです。
でも、だからこそ。
キャラに愛着も何も生まれないうちに
パパッと出ては消されるような。
そんな雑な使い方で終わらせられると
「これがウリなのかよ」
と残念に思う所もあるのです。
そんな手法で安易に注目や興味を引く
やり口には怒りに近いものを覚えるの
です。
このキャラは死ぬためだけに生まれて
来たのか?
お前の描きたいマンガはこれでいいの
か?
イジメや殺人がお前の代表作でいいの
か?
ただイジメや殺人のシーンを描きたい
だけなのか?
実際にイジメや殺人をした方が迫真に
表現ができるんじゃないのか?
実際のイジメや殺人には無い、お前が
描きたい所は何かあるのか?
実際のイジメや殺人には無いものが、
お前の作品にあるのか?
イジメや殺人の撮影とお前のマンガ。
何が違うんだ?
イジメや殺人がお前のレベルか?
そんな感想がよぎるのです。
大作マンガにおける主要キャラ死亡は
注目や衝撃を与えるのですが。
多用しすぎるのは禁物なのです。
死による退場が衝撃になる程そいつに
愛着がなければ、他人の死亡ニュース
程度になってしまうのです。
イジメや殺人が作劇上発生してもいい
けど、他のストーリーやキャラ描写を
しっかりしてね、という思いがあるの
です。
温泉卵をのせてもいいけど。
下地の料理はキチンとしてね、と。
温泉卵が「活きる」形の料理にしてね
という思いがあるのです。
お仕事のお話。
私自身、仕事なんかお金のためだけに
やっているようなものです。
プライドやこだわりはありません。
お金はらってくれる人が最低限納得を
してくれて。
生きていけるだけのお賃金がいただけ
れば、それで十分なのです。
似たお話は以前もしておりました。
このアマチュアが!2
https://ameblo.jp/malicetetsu/entry-12801087939.html
温泉卵をウリにするシェフも。
料理の手を抜いているわけではないに
しても、なにがしかのウリを持たねば
食べに来ても貰えないのです。
食べて貰えば納得していただける、と
いうくらいの自信はあっても。
食べてもらえないのであればシェフと
してやっていけないのです。
雑誌やテレビやお店のサイトで宣伝を
する際の絵面を思えば。
最後に温泉卵、割って黄身がトロ~リ
…ってのは結構な力があるのです。

飯テロ。
それで興味を持ってもらえるのなら、
お店に食べに来てくれるのなら。
卑怯だ邪道だ不快だ逃げだ悪魔だと、
いくらでも言うが良い、なのです。
そう思えばエロやグロやレ◯プやらで
客が集まるのなら、視聴数が稼げるの
なら。
それを客寄せパンダにするマンガや、
そういう広告手法を用いる運営側も。
またひとつのプロの道…
なのかもね。
今日はおまけなので、短く簡単に終了
いたします。
P.S.
前回のブログで、K2の感想で
・普通の定食を毎回出してるのに
シンプルにすげえ美味しい感じ
と表現した方がおりまして。
まさにコレなのでしょうね。
温泉卵とかスパイスとかバズりとかの
取ってつけた話題のネタがなくても。
シンプルな料理であっても、ただ味が
美味いというだけで、多くの人が好む
やつなのです。
まさに「こういうのでいいんだよ」の
お話です。
「こういうのでいいんだよ」の元ネタ
自体も、奇をてらった料理ではなく、
シンプルなハンバーグランチが美味い
というお話だったのです。

これに対しての感想が
「こういうのでいいんだよ」
なのですね。

良い素材と確かな料理の腕があれば、
ただのケチャップハンバーグが一番の
ごちそうなのです。
飯テロ。