63ffbddd.jpg昨日は金沢21世紀美術館でデザインセミナーに参加してました。会場は満席状態で、多分amadanaのプロダクツや思想に傾倒しているファンが多かったのでしょうが僕は正直、ついこの間までこの家電メーカーの存在を知りませんでアマダナを本当にアマンダと読んでいたぐらいです。。それに加えて食品メーカーの僕ですから場違いじゃないかしらとか思ったり思わなかったり。。話の内容で印象に残ったのは、デザイナーに実はテイシュウワがいたり(知りませんでした)、東芝を辞めて起業する意味だったり(ミニ東芝じゃ意味が無い)、モノづくりをする時、目に見えない不特定多数の大衆を見据えて作るんじゃなくて、自分のすぐ近にいる生活習慣もほとんど知ってしまっている友人めがけて作ってみる、とかマーケティングや市場調査は電卓を作るうえでほとんど意味が無いとか。。
でもamadanaブランドを徹底解剖するということで話が進んでいくにつれ㈱リアルフリートがどこに着地するのか最後はワクワクしてました。いや、というより、この会社が提案するプロダクツと僕の会社が作る商品が融合したらどんなものが生まれるかを真剣に考えていたらワクワクしてきました。例えばうちが作るジェラートを販売するショーケースをamadana仕様にすると竹とか皮とかを使ったショーケースになるのかなあとか、ソフトクリームフリーザーのamadana仕様だとどんな体裁のものを作ってくるのかなあとか、冷蔵庫を作っているとのことで、だったら自宅用のワインストッカーがあるくらいだから、自宅用マイ・カップジェラートストッカーをamadanaが作ったら面白いんじゃないかとか。。人とは違うこだわりのあるコアなものを好む人種には受け入れられる可能性があるんじゃないか。
僕にとってはブランディングとか広告とかも大事でしょうが、それよりは自分の作る商品が毎日出会う人や企業さんとどう絡んでいけるだろうかという可能性の話しが一番自分の中で盛り上がります。ブランドの生い立ちやら方向性なんかの理屈は後からでもくっつけちゃえばいいじゃんとか思ってます。リアルフリートの熊本氏も言ってましたが、日本人は世界的視野から見ても「編集力」に長けているといいます。全くゼロから新しいものを創り出すというより、既存の何かと何かを組み合わせることで新しい価値観の創出を図ることが得意な人種が、世界を驚かせ、世界に誇れるものづくりのスタイルを生み出す源泉はやはり地場に根ざした取り組みなんだと思います。素材の宝庫である金澤・能登、今地元の能登は「いしり」をニューヨークに持っていっています。加賀友禅、久谷焼き、東山茶屋街、加賀野菜、和菓子、兼六園、地酒、、金澤が世界に誇れるものはたくさんあります。それらをいかに組み合わせるかセンスが問われているのかも知れません。いまや当たり前に使われているセレクトショップなんて言葉も昔はなかったようですし。僕も豊かな衣食住の中の食文化の一端が担えれば嬉しい限りです。
taizo