先日、農水省の局長が東京から僕の地元、能登町・瑞穂地区にお越しになり地元の生産者6~7人を交え意見交換会が開かれ、僕も乳製品加工メーカー経営者の立場から意見をさせていただきました。

僕は9年前に将来の農産物輸入自由化に備え、牛乳を出荷する酪農業から今の仕事に転身しましたが、今現在も酪農を続けておられる方や米農家の生産者のみなさんが抱えておられる状況は切実です。

今から若者がホルシュタインを50頭ほど囲って土地を牧草地に切り開き酪農を始めようとすると2~3億の事業になります。今の若者の誰がいきなりそんな大金を投じて事業をしようと思うでしょうか。
農産物自由化により安価な海外産農産物が輸入され競争力の低い国内農業は廃業するか付加価値の高い品種に移行しました。
政府にはもっと根本から若者が農業に取り組みやすい仕組みを作っていくことを求めました。後継者不足に悩む農村地区、瑞穂の抱える問題は根深いです。

僕は輸入に依存し国内自給率が低下している今の事態は非常に憂慮すべき問題点であると考えています。

僕には今自分が進めているマルガージェラートのブランド戦略の構図と現在の日本の農業が抱える問題がオーバーラップして見えています。
首都圏を中心とした外食チェーンへの卸販売は確かに大きい取引です。しかしそれに依存した経営体質を今後作っていくことは会社としての将来性を考えたとき非常に不安があります。だからこそ今から自社のブランディングが非常に重要となってくると考えます。これはすぐ目に見えて効果が現れてくるものではありません。長い時間をかけて信用と信頼の上に成り立っていくものだと思います。
本当に目を向けるべきはエンドユーザーであって、そこが一番大きい市場でもあると思います。

今の日本の農業に必要なのは、農産物自由化に突き進んで輸出大国への依存を強めるよりも日本国が自らの食料供給力を高めることの方ではないでしょうか。だからこそ、日本は農業の担い手を育成し、経営体質を強化し、貴重な農地を活用しなければならないと思います。

会議が終わり局長との名刺交換の際、あなたがリーダーシップをとって新しいモデルを模索して盛り上げていってくださいと言われました。今ここで大義名分をかざすつもりはありませんが、好きな事を突き詰めて続けているうちに何か自分に重要な役割があるような気もしています。


今僕は自分の会社のブランドという土壌をせっせと耕し始めています。
各分野のエキスパートが集まり、この冬、金沢の中心地でそれを形にした新しいジェラテリアのモデルとなるものを皆さんの前でお披露目できると思います。


キーワードは「世界に通用する高付加価値の地場に特化したジェラート商材」です。楽しみにしていてください。
taizo