完全奏効
【仮名】かんぜんそうこう
【原文】complete response
治療への反応としてがんの徴候が全て消失すること。これは必ずしもがんの治癒を意味するものではない。「complete remission(完全寛解)」とも呼ばれる。
【原文】complete response
治療への反応としてがんの徴候が全て消失すること。これは必ずしもがんの治癒を意味するものではない。「complete remission(完全寛解)」とも呼ばれる。
一説によると進行度ではなく、癌の種類によって『治る』か『治らない』か『死ぬ』か『死なない』かが実は初めから決まっているとか。
検査上、癌が消える確率は80%~90%だと言われた。
逆に考えると、目視では分からない癌が10%~20%は残るという意味だと…
ふと冷静に入院中の担当医の説明を思い起こして気づいた。
というか
治らない
と、遠回しに告げられたのだと気づいた。
『根治が十分見込める。』
と市民病院の先生も、がんセンターの先生も言った時、私は『根治』という言葉に引っ掛かった。
『完治』ではなく『根治』。
あの時は根治の意味がよく分からなかったけど、完治とは言わなかった先生たちの言葉が、私の胸に重く沈んで行ったのは確かだった。
治療したところで治る訳じゃないんだ…
と、まだまだ癌について無知だった私は説明を淡々と聞き、書類にサインしながらショックを受けた。
80%~90%って、数値的には高い。
そもそも癌治療に100%は存在しないのかもしれない。
前にも言ったけど、所詮、確率に過ぎない。
良くとらえるか、悪くとらえるかは、本人次第だ。
がんセンターで言えば、年間3~4人、多い時で7人くらいの何年間かの治療実績から出した統計なんだろう。
日本国内での統計も含まれてるだろうけど…
80%~90%という数値を突き付けられて、私はショックだった。
医者は、ハッキリ言わない。
聞けば、問い詰めれば、ハッキリ言うのかもしれないけどさ。
問い詰める精神力は、私にはなかった。
でも、前にも言った通り、確率なんてだ。
私は気にしない。
でも正直な話、今の治療方法、治療回数、期間が、私に合っているものなのかは疑問だ。
みんなそうしてるから『こうする』というのは、正直疑問だ。
病院には週5日行くけど、先生との問診は週に1日が基本。
この1回で私は常に自分自身でしっかりと自分の状態を先生に確認し、把握し、疑問はぶつけなければと思ってる。
信用してない訳ではないけど、日本ではまだまだ症例の少ない癌だ。
今ある治療実績や確率だって、大多数が私の倍以上の年齢の人たちから統計されたものだ。
だから正直、疑問はある。
でももう、癌になったことは受け入れたし、色んな事も受け入れた。
だから、これからは先生を質問攻めにするくらいの勢いで治療に挑もうと思う