つまり、出張時の飛行機の「行き」と「帰り」という事です。
僕が選んだタイトルは、アカデミー賞の二本「ライフ・オブ・パイ」と「アルゴ」。
観終わっての感動で言えば、前者が圧巻でした。
「アルゴ」はまぁ結果がわかった上でのハラハラドキドキでライトな娯楽。いかにもアメリカ人が好きそうな、ストレートなスパイ英雄物。但しノンフィクション。
事件自体は複雑な国際問題の一部を取り上げているのだけど、一方的にイランを悪者目線で描いていて、今、この古い事件を映画に取り上げて、こういう視点で映画にしてアカデミー賞まであげてしまう所に、何となく変な意図を深読みしてしまった。同じノンフィクションなら「最強の二人」の方が好きだな。
さて、「ライフ・オブ・パイ」。これが面白かった。
(公式ページリンク)
以前、ちらりと見た広告の「トラと漂流した277日」の副題と、綺麗な映像から、子供向けのファンタジー物かな?程度の軽い気持ちで、暇つぶしに見始めました。
見終わった今は、何度でも反芻したい。ネタバレになるのは申し訳ないので詳しくは書けないけど、見た人とは色々話したい。そんな気持ちになっています。
ざくっと、三段階位の層で、楽しめるというか味わえる。
まず小学生が見ると、広告の印象通りのファンタジーに見えて、それだけでも面白いでしょう。CGを駆使した映像は綺麗で、動物との対話やパイの漂流記自体は「エルマーの冒険」のような楽しみとワクワクに満ちています。
でも、もしそういう映画であれば、漂流に出るまでの子供の頃からのエピソードが長すぎてバランスが悪く感じられます。僕自身最初は、早く漂流しろよとか、なんか駄作かなとか思ってしまっていました。「アルゴ」はこの一層目に留まるストレートな映画だと思います。
そして二層目、漂流後の衝撃の結末。この段階で「スティング」のようなドンデン返しにやられます。えーーー。そういう事なの?...。ここで映画は一気に大人の、感動物というか物語に色を変えます。関係各位の大人の対応、語るパイの心。人生ドラマになり映画は終わります。
そして更に、僕は後で「来た」のですが、見終わった後で解りにくい点をゆっくり反芻すると、ドキッ!。解説っぽい物を観ずに原作も観ずにたどり着いた事を言い訳にしたいのですが、三層目の深いメッセージにやっとたどりついてぼうっとします。あの島はなんだったのか、漂流に出て最初は潜んでいた虎が何故あのタイミングで出てきたのか、別れにふりかえらなかったのか、飼いならす事は出来なくても調教に取り組んだのか。(見て無い人に殆どわからない表現ですみません。) あぁ、無駄に長く感じられた前半の生い立ちのシーンからエンドまで、一貫につながった漠然としたテーマがじんわり湧いてくるのです。
何故、タイトルが、「アドベンチャー・オブ・パイ」ではなくて「ライフ」だったのかここで解ります。なーるほどねー。
それは本来僕の興味のあるテーマではないけど、こんな表現方法があるのかと感心してしまい、原作まで読みたくなってしまいました。おそらくこのテーマ自体は原作の方がもっとストレートなんだろうなと思いますが、映画としての隠し方とか宣伝が上手でやられました。
日頃、映画を観ない僕が、思わぬ所で、機会を得ました。たまに出張も良い物ですね。
「ライフ・オブ・パイ」観た人いたら共有して語ろうね。








