先週末、毎年僕の地元で企画させてもらっているライブが無事終了しました。
「Kobayashi weekend Jazz×Food」
地元の飲食店と、東京の音楽仲間に協力していただきながらの4度目の開催でした。
千葉県の印西市、僕の育った小林というおよそ6,000人が暮らす地域。
およそ36年前、田んぼと里山に囲まれたこの街に新興住宅がすごい勢いで作らたその初期に僕は越してきました。
東京のベッドタウンとして開発され、沢山の人が移住してきました。
山のてっぺんにあった小学校には、高学年の頃には校庭に臨時のプレハブ教室が作られたほどでした。
ささやかながらショッピングモールが作られたり、各地域ごとに祭りや地区対抗の球技大会が開催されたりと、本当に賑やかだったのを憶えています。
中学を卒業して東京の高校で寮生活を送るようになり、約4年前にこの街に戻ってくるまで23年ほど地元を離れていました。
賑わっていた商店街は少し離れたところにできたニュータウンと東京からの大型店舗の進出で軒並みシャッターを降ろし、友人たちも多くがこの街を出て行ってしまっている地元。
あの頃この街を作り上げていた世代も今では高齢者となり、何処と無く漂う閉塞感。
珍しく父と一緒に酒を飲んだ夜、父親がポツリと言った一言。
「この街も昔は楽しかったな」
スポーツマンで厳しかった父も70歳を超え、我が家の墓もこの街に建てました。
会うたびに年老いていく父と、この街の姿がなんだか重なってしまって、
このまま「昔は楽しかった街」として受け入れることができませんでした。
僕は、僕のやり方でこの街を楽しくしたい。
その思いとともに手探りで始めたライブ企画。
地元の一番古いレストランのマスターにお願いして、場所を貸してもらいました。
初回から満席のお客様に沢山の喜びの声をいただきました。
しかし翌年、ご高齢のマスターの「満席のお客さんを受け入れるのが体力的に難しい」との理由で会場が変わる事になりました。
するとその年にこの地域に店を構えた和食居酒屋の若い大将が協力してくれる事になりました。
3年目の頃、最初にお世話になったお店のマスターが他界されました。
その息子さんが自分の仕事の合間にその店を受け継ぎ、なんとか土日だけ営業されています。
「この店をもう一度地元の皆さんの憩いの場にしたい」
との思いをいただき、そのお店でもライブを開催するようになりました。
満席の客席を眺めながら、カウンターの奥でマスターが目元を拭っているのが見えました。
昨年まで1日2ステージだったのが今年から2日間、計3ステージに規模が上がり、Jazzシンガーの坂井レイラ知美さん、そしてここ数年ライブも旅も色々ご一緒してきたシンガー市川愛ちゃんが歌いにきてくれました。ギタリストの平岡雄一郎さんは両日とも演奏で支えてくれました。
レイラさんは愛すべきキャラクターと素晴らしい歌声で会場を魅了してくれました。
意識と耳が強烈に惹きつけられる本当に上質な歌声。素敵なJazzシンガーでした。
愛ちゃんは4度目の登場。地元でもお馴染みさんが増えてきました。
昨年メジャーデビューし、そして先日発表されたお腹の中の新しい命。
大きな変化を経た彼女は今までの少女のような雰囲気を残しつつも、
暖かさ、柔らかさを加え、隣で演奏していても眩しいオーラを放っていました。
仲間は「いい街だね」と言ってくれます。
遠いのに嫌な顔一つせずに毎年来てくれます。
本当にありがたく思っています。
一つづ大切に繋いで行きたいと思っています。
地域も、思いも、命も、世代も、そうやって繋いで紡いで行くことがきっと僕らの役割なんだと思います。
僕はきっと誰かの人生より後の時代を生きる事になり、そしてきっと僕の人生より後の時代を生きてくれる人たちと今一緒にいます。
だからその鎖を切ってしまわないように、今を精一杯やっていかなくてはなと、そんなことをいつもより強く感じた週末となりました。
本当にありがとうございました。
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東日本大震災の犠牲になられた方々、今尚復興の戦いをされている東北の皆様に思いを寄せて。



