(1)問題を読む ②設問の確認、課題文の読解、設問の要求の再確認
さあ、準備ができたところで、問題に取りかかろう。
といっても、課題文を読む前に、まずは設問に目を通そう。
課題文を読んだあと、どうしなければいけないのかを知ってから課題文を読むほうがいいからね。
何の指定もなくても、課題文を読むときには、話題の中心や筆者の主張の中心に印をつけていくものだけれど、たとえば、課題文の要約も必要であれば、要約の制限字数に合わせて、ふだんより少し多めに線を引きながら読まないといけない。
また、設問において、「○○について考えた上で」、「○○の意味を明らかにして」などの条件がつけられているときは、その手がかりになる部分を探しながら読んでいかないとね。
設問を確認したら、いよいよ課題文に取りかかるよ。
でも、頭から読み始めるのではなく、まずは終わりのの2段落を先に見て、その中のキーワードに印をつけておこう。
というのも、冒頭がただの前置きや具体例でしかない課題文も多く、話題の中心となる語がそこには出てこないことも多い。
書き出しから読み始めて、Aの話かと思ったら、途中からAについてはまったく触れられず、いつのまにかBの話になっていた、というのもよくあることだ。
また、結論が最後の段落にあるかと思うと、最後の段落が、結論を述べたあとのおまけでしかないことも多いので、最後の段落だけを読んだのでは、結論がつかめないおそれもある。
そのため、現代文の評論文や、小論文の課題文を読むときには、終わりの2段落を先にチェックしたほうが、話題の中心を押さえやすいんだ。
話題の中心を押さえたら、書き出しに戻って、キーワードなどに印をつけながら読んでいこう。
キーワードの見つけ方についてはいずれ改めて詳しく説明するけれど、以下のような基本的な読解テクニックは必要だよ。
・筆者の主張の中心とともに、その論拠になっている部分も必ず押さえておく。
・時間がないので、具体例を詳しく述べている段落はさらっと読み流し、その前後にある、何の具体例なのかが示されている部分に注目する。
・かぎかっこや傍点がついている語があれば、それが日常とは違う、特別な意味で使われていないかに気をつける。
なお、課題文が与えられた場合、その中に自分の知っているキーワードが出てきたからといって、前に読んだことのある文章と同じ方向性の文章だと早合点しないように気をつけよう。
たとえば、「科学」が取り上げられていても、それを評価している課題文もあれば、批判している課題文もある。
また、批判している場合でも、批判している点やその根拠まで同じとは限らない。
その課題文において筆者が、何を、どういう理由で、評価あるいは批判しているのかを、落ち着いて確認し、思い込みでものを言わないように自重しよう。
課題文を読み終え、筆者の主張を理解したら、設問をもう一度丁寧に読み直し、何を問われているのかを慎重に考えよう。
今度は筆者ではなく、出題者が何を考えているのかが問題だ。
具体的には、このようなことを意識してみるといい。
・このような内容の課題文を使って、受験生に何を考えさせようとしているのか。
・課題文のどこに注目させようとしているのか。
・そこで取り上げられている問題の、どういう側面について考えさせようとしているのか。
・何を説明させたがっているのか。
・どういう内容に踏み込ことを期待しているのか。
たとえば、環境問題について考えさせたいだけなら、それについて書かれた文章は世の中にあふれている。
けれど、その中から、あえてその課題文を選んできたのには、出題者なりの計算があるはずだ。
環境問題をめぐる議論の中でも、どういうところに注目している文章だからこそ、それを読んだ上で、何に思いをめぐらせてほしいと思っているのか。
議論の出発点として、その課題文を持ってきたということは、そこで終わらせず、その先のどういうことまで考えてもらいたいと思っているということなのか。
難しいテーマになればなるほど、こうした出題者の意図の読み取りが答案の出来を左右する。
ここで勘違いしてしまうと、取り返しがつかないので、出題者の意図を探りながら、答案の中心になるキーワードを見つけ、構想を練るための紙に書き出していこう。
と、ここからは、次のステップだ。