身欠きにしんを考える | 幕内秀夫の食生活日記

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「食」にかかわる諸々を綴っていきます

 会津若松の蕎麦屋さんで食べたものです。「会津の天ぷら」つきの蕎麦です。他の蕎麦屋さんでも「会津の天ぷら」というメニューがあります。主役は「にしとするめとまんじゅう」です。実際に食べてみると、身欠きにしんもするめも柔らかです。しかし、そこにははさみがありました。そこから妄想が広がりました。海から遠い会津盆地にとって、観物性の「にしん」「するめ」「棒鱈」などは貴重な動物性食品だったのでしょう。その名残りで天ぷらが残っている。

 やがて、流通が発達して、鮮度のいい、にしんやするめが使われようになった。ただし、「干す」ことで熟成することで「うまくなること」を知っている人たちもいるはずだ。創業100年近い居酒屋にはそんなメニューがあるはずだ。

 身欠きにしんを焼いたもの、棒鱈の煮物。身欠きにしんには味噌が付いていました。硬いけどうまいです。

 その点、京都でも札幌でも「にしん蕎麦」は旨味を出すために。しっかり干したにしんが使わていました。

 以下は、札幌駅の「立ち食い蕎麦」です。器代を含めて「620円」でした。

 我が家の近くでも、稀に「身欠きにしん」を売っていることがあります。すべて「ソフト」と表示され、柔らかくて美味しいのですが、少し物足りないですね。