栄養素の計算には意味がない | 幕内秀夫の食生活日記

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栄養計算アプリは誤差だらけ?身体のサインを参考に食生活を改善する方法

8 か月 • 読み終わるまで 3 分

栄養計算アプリは誤差だらけ?身体のサインを参考に食生活を改善する方法

栄養計算アプリは誤差だらけ?身体のサインを参考に食生活を改善する方法© unsplash

日々の微妙な身体の変化は素通りで、食品成分表示やカロリー表示とばかりにらめっこ。スコアを悪くするような食事をする時は罪悪感を感じてしまう…。身体が変わって人生が今よりもよくなるように始めた習慣だったはずなのに、いつも何かに追われているような食生活をしていては本末転倒です。

PFC・カロリー計算にはたくさんの誤差が隠れているので、アプリの計算はあくまで「参考程度に」利用するのが大切。「計算さえ合えば身体は変化するものだ」と勘違いしている人は、一旦スマホとのにらめっこを止めて、誤差の可能性を知り、自分の身体を観察することで食生活を改善してみてはどうでしょうか?

アプリ計算は「参考程度に」:誤差の可能性

①「栄養成分表示」には20%の誤差がある

PFCバランスを知るためには食品の栄養成分表示を使いますが、実は、この表示には「±20%まで誤差が認められますよ」というルールがあります。理由は、その土地の土の栄養・産地・季節・保存方法・加工方法などで食べ物の成分が変わるから。だから、成分表示や統計データを元に“キッチリ”と数学者並みの精度で計算したところで、20%多い可能性もあるし、20%少ない可能性だってあるのです。

②アプリの「推測値」に誤差がある

どのアプリも、統計データを元にあなたにぴったりの数値を“推測”して出しています。身長・年齢・体重・活動量などを入力するのも、この統計データにあなたを当てはめて“推測”するため。表示されているのは「あなたと同じ身長・年齢・体重・活動量の人は、こういう傾向がありますよ〜」という数字なのです。

たくさんの人から取ったデータを元に平均値を出しているので、とんでもなく見当違いな数字が出るわけではありませんが、あなたの身体を直接調べて出したデータではないので、ほぼ必ず誤差があると考えてください。

③食べた栄養が吸収されていない

食べてはいるけど、吸収されずにそのままトイレに流れてるパターンです。吸収されない理由はたくさん考えられるので、この場で1つあなたへの回答を差し出せるものではありません。ただ、その可能性として挙げられるものは

・生活習慣(寝不足、ストレス)

・ビタミン・ミネラルなど、「たんぱく質の吸収を助ける栄養」が足りない

・元々栄養の吸収が効率的ではない体質

・食事改善を始めてすぐで、体質の変化が食生活の変化にまだ追いついていない

食事や生活習慣を変えてから、身体がその変化についていくのには数ヶ月から数年単位の時間がかかります。たんぱく質などの摂取量を増やしたからって、すぐにその全てを吸収できるようになるわけではないのです。体質的に元々栄養が吸収されにくいタイプの人(何も気にしないと痩せてしまう、普通に生活してると痩せすぎてしまう)は、特にこの変化への対応に時間がかかったりします・・・・・・

栄養計算アプリは誤差だらけ?身体のサインを参考に食生活を改善する方法 (msn.com)

▼たぶん?私のブログを見ている方で、栄養素計算アプリなど利用している人はいないと思いたいですね。スマホで計算することが問題ではなく、計算そのものに意味はないと考えているからです。「参考」にもならないと思っています。昨日、北海道でのセミナーの案内をしました。セミナーに参加された保育園や子ども園で、希望する施設には「個別」指導もします。実際、それで北海道から九州までたくさんの施設のアドバイスをしてきました。

 その際、指導するにはいくつかの条件があります。そのトップが「食事摂取基準を無視すること」です。いわゆる、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の計算をすることです。施設には監査が入るので、計算は仕方ないとしても、その数値は無視するということです。なぜなら、その数値には意味がないことと、計算をするとおかしな献立になるからです。実際、小中学校の給食には、菓子パンの横に煮干しが4匹などというものがあります。たぶん、カルシウムが足りないからプラスしたのでしょう。したがって、食事摂取基準に拘ったらまともな給食にならないからアドバイスはしないと言うことです。それで問題が起きないのか?一つも問題が起きたことはありません。当然、監査では指摘されますが、「わかりました。以後、改善します」で終わりです。

 大体、忘れてはいけないことは、私たちは炭水化物もタンパク質も食べたことがないということです。それらを含んだ食品を食べているだけです。食べていないものを計算する意味などありません。「参考」になるより、「おかしな献立」になるだけです。