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にんじんを生で食べるとビタミンCを破壊するって本当?管理栄養士が徹底解説

栄養豊富なにんじん

栄養豊富なにんじんですが、実際にどんな栄養素が含まれているかご存知ですか?ここでは、代表的なにんじんの栄養素を3つ紹介します。

β‐カロテン

にんじんに含まれるβ‐カロテンの含有量は、野菜の中でもトップクラス。1日1本食べれば必要量を補えるほど、豊富に含まれています。β‐カロテンは体内でビタミンAに変換されて作用することから美白効果が期待できたり、抗酸化作用も強いことからガンや動脈硬化といった病気の予防にも効果があるとされています。

カリウム

カリウムは体内の塩分や水分のバランスを保つ作用があります。摂りすぎた塩分を体から排出するため、むくみの改善や血圧を下げる効果が期待できます。

 

食物繊維

食物繊維は便通を整えて便秘を防ぐうえで、欠かすことのできない栄養素です。また、糖や脂質に吸着して体内へ排出する働きもあるため、脂質異常症や糖尿病といった生活習慣病の予防にも効果があります。

にんじんはビタミンCを壊すって本当?

栄養豊富なにんじんですが、「生のにんじんはビタミンCを壊す」という話を聞いたことはありませんか?にんじんには「アスコルビナーゼ(アスコルビン酸オキシターゼ)」という酵素が含まれています。この酵素はにんじんのみを食べる場合は問題ないのですが、ビタミンCを含むほかの食材と一緒に食べる場合は、せっかくのビタミンCを破壊してしまうと言われてきました。

しかし、近年の研究ではアスコルビナーゼは破壊しているのではなく、ビタミンCを「酸化」させているという研究結果も新たに出てきました。酸化したビタミンCは、体内に入れば酸化前と同じビタミンCの働きをするため、ビタミンCは失われていないと考えられています。

酵素の働きを防ぐのは、熱と酸!

近年の研究で分かったことなので、本当に生でにんじんを食べていいのか…と悩んでしまいますよね。アスコルビナーゼは熱や酸に弱い性質をもっているので、もし不安な場合はこの性質を生かして調理しましょう。煮物や炒め物などは加熱をすることでアスコルビナーゼの働きを抑えられるので、食材の組み合わせや味付けなどを気にせずに調理することができます。

生でにんじんを食べる場合は、酸に弱い性質を生かして調理するようにしましょう。酢や柑橘類で和えたマリネにしたり、酢の入ったドレッシングを使うことで、アスコルビナーゼの働きを防ぐことができます。にんじん入りの野菜ジュースを作るときは、レモン汁を加えるといった工夫をしてみましょう。

「アスコルビナーゼはビタミンを破壊する」とよく言われてきましたが、近年の研究結果によってはそれまでの考えが変わってくることもあります。にんじんを加熱する場合は特に気をつける必要はありませんが、生で食べるときに気になる場合は少し工夫してみてくださいね。

【参考文献】

▼そう言えば、そんな話もありましたね。アスコルビナーゼの話が出たときから、どうでもいい話だと思っていました。大体、1つの食品を語るときに、含まれる1つの「成分」だけで語ることそのものが間違いだと気づかなければなりません。「最近の研究によって」などと言う話ではない。にんじんはアスコルビナーゼではないし、ベーターカロチンでもない。単にそれらが含まれているだけの話です。

 したがって、にんじんを生で食べようが、酢のもので食べようがどうでもいい話です。

 このような話を耳にしたとき、大切なことは・・・成分(栄養素など)を参考にしているのか?「指針」にしているのか?参考にするのはいいが、「指針」にしたら、必ずその話はひっくり返ると考えて読みましょう。まさに。栄養教育は「指針」にしてきたから、コロコロ変節してきたんですね。にんじん?普通に食べましょう。