教育放棄している船橋市の給食 | 幕内秀夫の食生活日記

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「食」にかかわる諸々を綴っていきます




 さて船橋市の講演会です。まてよ?定食屋さんの名称は?御定食は何と呼ぶんだろうか?聞くのを忘れてしまいました。


 ノロウイルスの影響でキャンセルも出たようですが、たくさんの方に参加していただきました。主催者の皆さんがしっかりしているので気持ちよくお話させていただくことができました。たぶん?「考え方」も統一されているんだと思いました。

今、小中学校で血液検査が実施されている時代ですから、学校給食にも関心が集まっています。ただし、学校給食は「子どもの健全な成長のために実施されなければならない・・・」と言う事を忘れ、あーでもないこーでもないと騒いでいる父母もいます。子どもの健康にとってどんな食生活が望ましいのか?それをきちんと理解しないで、自治体や学校に何かを求める父母がいます。そのため変わるチャンスを逃してしまう例が少なくありません。

 その点、スタッフの父母と立ち話していると、非常に冷静で落ち着いていると思いましたね。さて、船橋市の中学校の給食です。



 すべて「ごはん」です。言えば切りがありませんが、おおむね「b」ランクです。公立の小中学校の中では、いいほうだと思います。ごはん献立だとおかしな献立にはならないものです。

 ところが?同じ日に・・・カタカナ主食しかありません。



 菓子パンだらけです。砂糖だらけのパンであるだけではなく、副食はすべて油脂類です。「E」ランクです。もちろん、地方性も季節感もありません。

 どういうこと?


 なんと優雅で呑気なことでしょう?「A献立」と「B献立」から選択できるのです。

非常に珍しいと思いますね。今、全国的には民間委託が増え、検討しているところが少なくありません。それは厳しい財政事情があるからです。

 そんな時代に、毎日2つの献立を作っている。教育の一環と言いながら、あたかも「算数」と「テレビゲーム」のどちらがいいか子どもたちに選択させているようなものです。これは完全に教育の放棄です。

 講演後、教育委員会関係者から意見が出ました。

「パンなどはすべて国産小麦で、ポストハーベスト農薬の心配はありません・・・」

 何を聞いていたのでしょう?今、子どもの健康にとって、最大の問題は精製糖と精製脂質(油脂類など)の過剰摂取にある。その最大の理由が「カタカナ主食」にある。そのことをアメリカなど肥満大国が教えてくれている。日本でもどんどんカタカナ主食を食べる家庭が増えている。そんな時代に教育の一環と言いながら、菓子パンを出すことは最大の問題だ。と話させていただいたのですが・・・

 でも、講演後、いくつもの保育園、子ども園の関係者から声をかけていただきました。船橋市の小中学校の給食が変わるまでには時間がかかるかも知れませんが、保育園、子ども園のいくつかは給食改善に繋がる実感がありました。

 更地に種を撒く機会を作っていただいた関係者の皆様には感謝です。ありがとうございました。長くこの仕事をしていると、主催者と話しているだけで、講演会そのものがすでに荒れ地になってることがわかることがあります。