ごはん(玄米・小豆・ごま塩)、味噌汁(あさり)、鮭、卵焼き、サラダ(ブロッコリー・玉ねぎ・プチトマト)、エノキの佃煮(自家製)。

―この治療法はすでに欧米諸国では通常医療として行われており、その有効性は多数報告されています。C.difficile菌感染腸炎(抗生剤長期投与によって生じる難治性腸炎)についてはほぼ100%、炎症性腸疾患については約70%の患者の方が寛解(病気が落ち着くこと)し、そのほかの病気(自己免疫疾患、糖尿病、肥満など)にも応用され始めております・・・―(順天堂大学病院)


 難治性疾患がウンコを腸に入れることで100パーセント治る。何ともすごい話だと思いました。私自身、病院で潰瘍性大腸炎の患者さんの食事指導をしてきました。食事指導をすると、「快便になりました」と言います。だが、そう簡単に治らない経験をしてきました。腸に善玉菌が増えたとしても、簡単な話ではないんだなと思ってきました。しかし、ウンチを入れることで治る可能性があるという???どういうことなんだろう。そこから以下の本を読むことになりました。



 食事を変えれば、明らかに便が変わることがわかります。便秘の人も良くなります。善玉菌も増えているんだろうな?と思います。それを続けることで、様々な病気が良くなる例を見てきました。しかし、「糞便移植療法」のように、「100パーセント治る」。などという劇的な話はあり得ないことです。

 なぜ???アメリカでは良質な便を提供できる人が4パーセントしかいないのか?わかったことは、私などが考える「良質な便」は短期間の結果排泄される便でしかない。上の文章にあるように、「人とともに共進化してきた独自の群れ」、本書の中では100万年単位で、受け継がれてきた細菌叢というニュアンスの言葉があります。しかも、それを受け継げるのはおおよそ3歳くらいまで。昨日、今日、いい食事をすることによって変わるレベルではないことのようです。知人の動物園の園長にこの話をしたら、「そうだろうと思う。草食動物は腸内のバクテリアが消化を助けてくれるわけだけど、抗生剤を使うのは非常に危ないんだよ。盲腸の近辺にバクテリアが集中してるんだけど、それを皆殺しにしていまうことになり危険なんだ」、「ついでに言うと、動物では糞食は非常に多い」、「ほとんどの動物が出産したら赤ちゃんを舐めるね。細菌の移植なのか?考えたことなかったよ」。

 それが、帝王切開や抗生物質などによって、うまく引き継げなくなっている。そのことが様々な病気の原因になっている可能性がある。著者は帝王切開や抗生物質を否定してるわけではありません。

 私の腸内には100万年、共進化してきた細菌叢があるのか?ウンコでアルバイトできる資格があるのか?3歳までにほぼ決まってしまうなら、今更どうするのか?今更、素晴らしい細菌叢になることは難しいかも知らないが、いい細菌叢が消滅することには注意すべきだと思う。肉類、食肉加工品、乳製品のとりすぎは注意したい。特に乳幼児にいる方は、考えてあげて欲しいと思う。

                                        (おわり)