ほうとう、いわしのみりん干し、かぶとモズクの和え物。

著者は・・・

―抗生物質の過剰使用を削減するために、政府ができることがもう一つある。肉、牛乳、チーズといった製品を生み出す家畜への抗生物質の投与をやめることである―

 講演会に行くと、食品の安全性に対する質問は少なくない。かつては「食品添加物」、「農薬」、「ポストハーベスト農薬」、そして、「遺伝子組み換え食品」「有機塩素化合物」、最近は「トランス脂肪酸」、そして「放射性物質」だろうか?私はそれらの危険性を話すことはほとんどない。詳しく話せば話すほど、聞いている人は絶望感に陥ってしまうからである。「でも、食生活において安全であることはもっとも大切なことではないか」と言われることがある。その通りだと思っている。だから、子どものいる人には、「ごはんをきちんと食べさせること」、「水や麦茶を飲ませる」ことを進めている。無添加のお菓子が高いと言う前に、「おにぎりを食べさせましょう」と言いたい。

 そして、もう一つの「理由」が家畜の抗生物質の問題があるからである。原則的に、農薬や食品添加物、あるいは放射性物質などの影響は、時間がかかる問題だと考えている。(本当はわからない)それに比べて、家畜の「抗生物質」の影響は、時間がかからないと考えいるからだ。まさに腸内細菌を攪乱することの影響はすでに出ていると考えているからである。

 昨年、『世にも恐ろしい糖質制限食ダイエット』を書かせていただいた。その中の一部を紹介する。 クリスマスに七面鳥や鶏を食べることをとやかく言う気はない。だが、「糖質制限食」を進める人の中には、穀類やいも類を食べるから肥満や糖尿病が増えた。人間は肉を主食にすべきだなどという主張がある。金持ちはいいだろうが、そうでなければ抗生物質漬けの肉を食べることになる。酔っぱらいのたわごともいい加減にしろ。という意味で書いた。この本の著者も「アジアは危ない」と書いている。講演会の際、抗生物質の質問を受けたことは一度もない。もし食品の安全性について話すなら真っ先に抗生物質だと考えてきた。この時点で、「糞便移植療法」という言葉も知らなかった。抗生物質の身長に対する影響も意識していなかった。だが、「糞便移植療法」という言葉を聞いて、やはり、抗生物質の腸内細菌への影響はゆっくりではない。おそらく、「糞便移植療法」が普及したら、腸の病気だけではなく、さまざまな病気の治癒例がでてくるだろう。そして、「良質な便」が議論されることになり、家畜の抗生物質の使用が問われる可能性があると考えている。期待しすぎだろうか?(つづく)







 家畜の成長が遅いという事は、それだけ餌代がかかることになる。早く大きく成長させることが必要だ。とくに、大規模飼育の場合は、その費用は膨大なものになる。そのため、「病気予防(もあると思うが)」という目的で抗生物質が使われている。実際、そのことで成長が早くなっている。しかも、乳幼児期に使用したほうが効果的なこともわかっている。

 したがって、人間の体位が大きくなった理由として、3歳までの抗生物質使用というのは非常に納得できる。特に大きいのは、「薬剤」として摂取することだ。そのことによって、腸内細菌叢がおかしくなってしまい、様々な病気の原因になっている可能性がある。ただし、「薬」の場合には「功」の面もたくさんある。