(12月15日の昼食)ごはん、シチュー、たくあん、菊の酢の物、いわしの味りん干し。


 「食」のドラッグ化については、『夜中のチョコレートを食べる女性たち』、『ポテチを異常に食べる人たち』などを書かせていただきました。その他、日本人のドラッグには、アルコール、タバコ、カフェイン、スイーツなどがありますが、いずれも基本的に「間食」の話でした。(タバコを間食というのは疑問ですが)。今回、『ドラッグ食(フード)』を書いた最大の理由は、食事そのものがドラッグ化していることへの危機感からです。


「あとがき」の一部です。


ドラッグハウスは駅の周りにある

地方に出張した際、ビルの上から駅の周りを眺めることが好きだ。さまざまな店舗が並んでいるが、いずれも全国チェーンばかりになって景色が似たようなものになってしまったのは寂しい。それでも駅前は面白いと思っている。なぜなら、今、日本人は何に嵌っているのか?何に快楽を求めているのか?現在の日本人にとってのドラッグとは何かがわかると思っているからである。駅前というのは、地価が非に高い。固定資産税だって高額になるだろう。店舗の賃貸料も高い。そのため、かつては八百屋、米屋、自転車預かり所、食堂などがあっところも、どんどん転居、廃業するようになっている。「普通」の利益しか上げられない商売では生き残るのが難しいのである。

 それらに代わって、利益の大きいものを扱う店舗が並ぶようになっている。利益の大きいビジネスとは何か?昔から、「薬九層倍」という言葉がある。薬は100円で作ったものを900円で売ることができる。薬は非常に儲かるという意味で使われている。「薬」は、英語に訳せば「ドラッグ」である。ドラッグは儲かる、だから駅前はドラッグを扱う店舗ばかりが並んでいる。・・・・・・


アルコール、ニコチン、カフェイン、スイーツ、ギャンブル、セックス、マネー、いずれも「さじ加減」を間違うと依存症になる可能性があるものを扱う店が並んでいる。時代が変わり、店舗の形態は変わっても、人間の「欲望」は変わらないものだと思う・・・・・その他、コンビニエンスストア、ファストフード、パン屋などが目立つようになっている。
そして、パン屋もまた、どんどん菓子パンが増えている。かつては、せいぜいアンパン、ジャムパン、クリームパン程度だったが、今や途方もない種類の菓子パンが増えている。もはや、パン屋というのは名ばかりで、スイーツの店と呼ぶべき状況になっている。逆に言えば、パン屋ではなくスイーツというマイルドドラッグを扱う店だから、駅前でもやっていけるというべきかもしれない。


長くなってしまったので、続きは明日ということで。