今更⁉️
と言われそうですが。。
日本のカット料金とケミカル(パーマ、カラーなど。)の料金ってなんかスタイリストの技術力とマーケットに対してバランス悪くない?
と思います。
日本にいた時は当たり前に思ってたんですが、香港に来てというか特に最近思うんですよ。
日本でもカット料金の差はお店やスタイリストによってそこそこありますよね?
一般的にある値段の幅で2000円~15000円くらいでしょうか?
最近27000円なんて人も見かけますね!これは凄い^_^
それでも世界的にみたら安すぎるのではないかと。
香港でいえば一般的にあるカットの値段で500円~40000円くらいでしょうか?
香港にはカット料金12万円以上なんて化け物もいますが。。
そして日本のカラー料金の場合でいえば。。どのお店でもだいたい5000円~10000円(ショートからロングの振り幅で)が多い気がするんですよ。
カット料金が2000円~15000円という振り幅に対し、カラー料金の5000円~10000円の振り幅って狭くないのかなと。。
2000円のカット料金のスタイリストの5000円のカラー料金て高いような気もするし、15000円のカット料金のスタイリストのカラー料金8000円っていうのは安すぎるような気もするような。。
というあくまでも僕の考え方ですが。
というのは僕自身が日本で大型salonでスタイリストをし、店長をしていたのでわかりますが、大型salonの場合はカラー塗るのってほぼアシスタントじゃんとか、スタイリストはカットと仕上げの時しかこないとか。。
お客様もそう思っている人も多いのではないかと。。
でも、それはそれでいいんですよ。
だってたくさんのお客様から指示して頂いているからこそ、そうするしかないのですから。
それでもその人にやってもらいたいというお客様がたくさんいる結果です。
どんな美容師でも自分で出来るなら、全て責任を持って自分でやりたいと思ってるはずです。
たぶん。。
まあその反面なのかわかりませんが、近年完全プライベートサロンなる形態が需要あるのも事実。
美容師によっては違う側面の方が多い気はしますがね。
お客様の声として最初から最後までスタイリストに全て担当してもらいたいという話もよく聞くし。
でも、そんな完全プライベート的なお店でも料金体系って大型salonとほぼ同じじゃない⁇
そんな疑問があったり。。
もちろんそうじゃないお店もあることも知っています。
ただ大多数の場合ですが、全部自分が担当するならもっとカットもカラーも値段あげろよ!みたいな感じでは思ってます。。笑
大型salonのスタイリスト目線で言わせて頂くなら、だいたい15人以上のお客様を抱えるようになると全てのケミカルを自分で施術させて頂くのは困難になってくるかと思います。
まあ、使えるアシスタントの数にもよるかと思います。
そこでシャンプー、カラー、トリートメント、ドライブローなどをアシスタントに担当してもらう事になるのですが。
しかし、その日の状況によりどう頑張っても限界はあるでしょう。
なので、大型salonではアシスタントのヘルプは必要不可欠なのです。
そのためにスタイリストはアシスタントを日々教育し、アシスタントもスタイリストを目指して日々練習していたり。
朝礼などの時間に今日来店されるお客様の情報などの伝達をしたりとコミュニケーションをしっかり取ってるのであります。
なのでアシスタントがお客様を担当しているという事は、アシスタントも朝晩必死で練習し厳しい試験を合格してからようやくお客様へのヘルプさせて頂くのです。
ですので、スタイリストがカラー剤の調合を選定し、お客様の髪質や目指す仕上がりに対して塗り方を細かく指示をして、それをお客様にアシスタントがカラーを塗るという事に関しては技術的には何にも問題がない!という事になるのです。
これはほぼ事実ではないかと。
そのために普通のsalonのアシスタントは日々練習してるのですから。
そこはお客様も安心して頂いて良いのではないかと思います。
では、何が言いたいのか‼️笑
香港のローカルsalonで言うならば、カット料金とカラー料金というのはある程度比例しているものです。
カット料金が安ければケミカルの料金も安い。
カット料金が高ければケミカルの料金も高い。
という具合に。
ただし日系salonの場合は香港でも日本とほぼ一緒な感じです。
では、なんでか⁇
その理由の一つは香港のローカル高級salonにはTechnicianと言われる、ケミカル専門の人がいます。
高級salonでは完全分業制である事がほとんどであり、きちんとしたsalonではTechnicianにもそれぞれランクは分かれています。
なので、高いカット料金のスタイリストを選ぶお客様は必然的にトップのTechnicianがお客様を担当する事になります。
日本ではほとんどオールマイティーでなければなりませんが、香港のローカルsalonでは僕はカットのスペシャリストであり、Technicianはカラーなどのケミカルのスペシャリストになるのです。
ですので、毎週金曜日に働いている香港のトップsalonでの僕のカット料金を18000円頂いたら、パーマ、カラー料金はそれと同等か、それ以上の金額をTechnicianはお客様から頂いているのです。。
これって日本で考えたら、かなり高いって言われそうですよね^_^笑
でもその価値はお客様が選ぶ事なんです。
価値がなければお客様は来ないだろうし、価値を示す事が出来れば仕事はある。
単純にただそれだけの事です。
日本ではそのカット料金でお客様が増えて予約を取れなくなったりとか、お客様からしたらよく分からない社内の試験に合格したなどで。笑
カット料金を上げたりしますよね。
それは組織で動く以上とても大切な事であり、必要な事だと思います。
それが出来る日本の良いところは、平均のレベルが高いという教育システムが作れる所。
海外ではほとんどの場合それはない気がします。
悪い言い方をすれば海外は安いものはそれなりの物であり、高いお金を払えばそれ相応の技術やサービスを提供される。
だからsalonやスタイリストのレベルに合わせて値段も大きく変わり、それをお客様が選ぶだけ。
その代わりスタイリストはお客様にとって髪を切るという事ではなく、お客様のヘアーをデザインするというデザイナーでなければならなくて、その価値があるかどうかを純粋にお客様が判断するだけ。
変な話ですが、日本であろうが海外であろうが年齢や経験に関係なく独立して個人でsalonをやるならばカット料金をいくらに設定しようが個人の自由なんです。
そこにお客様が来て頂ければ何も問題はないのです。
組織の場合はちょっと違いますが。
僕が新規のお客様に18000円の値段を頂いているのは自分が勝手に決めているのではありません。
組織の場合は、周りの人に自分にその価値があると認めて貰わなければならない。
それは僕が香港に来てから、初めは3000円くらいのカット料金からスタートして、自分の他の人には負けない強みを生かして、この3年間自分なりに技術を認めて貰える努力をしてきた結果だと思います。
あとは掴んだ環境で結果が出せるか出せないかは自分次第です。
結果がでなければ首になるだろうし、または値段の低い別のsalonでやり直すのか。
それは野球やサッカーなどのスポーツの世界でもそうだと思うし。
そのステージで結果を出せれば新しい更に上のステージから声がかかって、次はそこでの結果が求められるだけ。
維持できるか、できないかは自分次第。
美容師に近い業界なら洋服(ファッション)だってそうじゃないですか?
極端に言うなら「オートクチュール」と「プレタポルテ」の違いではないかなと。
それはブランドやデザイナーとしての価値であるように。
顧客に対して何を提供出来るかというだけ。
そして近年では「ファストファッション」などがあるように。
たくさんのマーケットがあり、自分がどこをチョイスしてそれにあったステージで活躍出来れば良いだけの事。
僕が感じるのは、日本というサロンワークをする美容師にとってこの差や活躍出来るステージがとても少ないのではないかと思う事。
それと日本という狭い世界だけをみないで世界にもっと目を向けることも必要なのではないかと思うこと。
なぜなら日本の中に客様にはなかなか分からないかもしれませんが、世界に誇れる技術をもった素晴らしい美容師がほんとにたくさんいるという事。
日本でももちろんたくさんの優れた美容師さんがコンテストなどに参加してます。
その中で世界の檜舞台で活躍してる人だってたくさんいるんです。
僕なんてほんとに足元にも及ばないくらい、とんでもない技術と感性をもった人達です。
僕が日本にいた時の会社でさえ、有名なメーカーの世界中から素晴らしい美容師が集まるコンテストで日本人初のチャンピオンになった人もいる。
これは世界的にみたらとんでもなく凄い事です。
この人達の日々の努力は普通の人じゃ考えられないくらいだと思います。
でも、そのタイトルに対しての値段への価値が低すぎると感じます。
美容師が好きだから、お客様が喜んで貰えればそんなの関係ないんだと言う気持ちも同じ美容師なのでよくわかります。
美容師である喜びの本質はそこにあるのですから。
でも、それで日本の美容の価値があがらないのも事実です。
日本人は世界的にカット技術が優れている!
そう思われているのは日本の中で日本人を相手にした時だけです。
もしくは海外に住む日本人と日本の文化が好きな一部の外国人の中だけです。
日本人が海外で他の国の人にカットしてもらって感じる不満。
それは他の国の人が日本人にカットして貰った時の不満と何も変わらない。
接客、サービスに関しては平均的な値段の中では日本人は優れているかもしれない。
じゃあ、日本人の技術、サービスが高いなら海外に出たらそのままで現地の外国人に受け入れられるのか?
これはまず難しいでしょう。
日本人特有の言葉の壁があるのも事実ですが、日本の美容文化は日本特有のものだからです。
日本は美容師の道を選べば、ほぼ全員が頑張って朝から夜まで練習してカットを覚えてお客様を担当出来る様になるまで何年もの時間を必要とするのに、ほとんどのスタイリストが髪を切るという立場でいる。
そして、苦労して身につけたそのカット技術を安売りをしているお店がたくさんある。
でも、それは間違いではないとも思います。
いろんなマーケットがあるのも事実だし。
ではなぜ日本では美容師は大変な仕事な割に定収入とと言われるのか。
たくさんの美容師がこれだけ不満をもち、将来に不安を感じるのか。。
そんな話ばかりが一部の活躍している美容師以外の口からでてくるのか。
ぼくが思うのは日本は努力に対しての値段の上限が低すぎる。
考え方は人それぞれだけど、その価値があると思う人は日本でもそれだけの値段を頂けばいいのではないかなと思うし、そこにら努力やかける労力が出来ない人は納得してそのステージで美容師をしてればいいのではないかと。
これは一概に美容師だけのせいではなくて、
日本全体の消費者の求めるレベルが安かろうが高かろうが、求める物が高すぎる事も原因であると思う。
日本では安かろう悪かろうでは、お客様にとって悪いのであるから。
カットのデザインに自信があるならそれなりの対価で勝負するべきだと思うし、カラーに自信があるならそれなりの値段をつけるべき。
日本はカット料金の振り幅も小さすぎると思うけど、カラーなどのケミカルに対しては特に『平均化』しすぎてる気がする。
だから日本や日系salonでは一部のsalonでしかカラーリストなる物が存在出来ないのかなと感じます。
スペシャリストであれは、その価値をわかる人が日本にもたくさんいるはず。
日本人ほど平均的に美容に対して高いお金を消費してる国は珍しいのだから。
僕は日本人であり海外で生活しているので、日本の良い所も悪い所も客観的に見ることができる。
日本人である誇りは今も常に持ち続けている。
日本の美容がほんとの意味で次のステージに行くには日本で活躍している美容師が大きな決断をする事も必要なのではないかなと思うのです。