パキスタン進出珍道中 -2ページ目
今年もパキスタンなどイスラム教の国では、犠牲祭と呼ばれる宗教行事が行われています。

昨年は屠殺の一部始終を見届け、しばらく肉を食べられなかったのですが、今年の我が家は、ご近所さん、どなたも庭先での屠殺をしなかったため、普通の休日が続いています。

そして午後、うちのディレクターが自分の家で購入して神に捧げた牛の肉を、大きな塊で持ってきてくれました。

パキスタンの牛肉は、結構硬いので、トマトと牛乳で煮込むことに。


そこで!!!
パキスタンやインド、バングラデシュなど、南アジアに出張や旅行でいらっしゃる方にオススメしたい一品が、コチラ。


牛肉から作ったバターオイルです。
ここの物価水準からすると、結構お高い700〜800円ほどするのですが、料理に深みが出て、とても美味しくなります(´∀`)

冷凍のフレンチフライも、某ファストフード店の味に(゚∀゚)

牛肉料理は、より美味しく。
クッキーなども、より美味しく。

常温で持ち帰り可能です。


さて今年も、「命を、いただきます」。
ありがとうね、食卓にのぼってくれる全ての動物たち。


情報の少ない、とりあえず危なそうな謎の国・パキスタン。

街には女性はおらず、居たとしても全身黒ずくめ衣装の女性が闊歩し、男性の後ろに続く...一目、他の男性を見ただけで、ふしだらな女と、アシッドアタックで殺されるかもしれない。完全なる男尊女卑。

そんなイメージもあるようですが、実際は結構、違います。(但し、私の知るカラチの一部の場合)

髪を隠さず歩く女性や、ノースリーブにスキニーパンツの女性もいるし、富裕層のパーティーでは、男女ともにお酒を飲むし、背中がばっくり開いたドレスも着るし、男性は葉巻を燻らすし、奥さん怖くて内緒で買った腕時計を車に隠して飲み会のときに大事そうに眺めている...など。

「えー、いくらなんでも嘘でしょ」

と、言われることもあったのですが、この前、出張で乗った飛行機で見たパキスタン映画が、まさに彼らを表していて、おぉっ(゚∀゚)!!ここまで映すか!と、大層、驚きました。

その映画は、コレ。

ローカル曰く「今あなたは若い、その若さを越えたら、もう若いときは戻らない(若い時間は今だけ!)」
...みたいな意味らしい。長いな。


内容はコメディで、1人の男性弁護士と、彼の友人の3組の夫婦の話。

かかあ天下の怖い奥さんを持つ男友達の夫3人組に「男同士、バンコクで遊ぼうぜ(゚∀゚)!」と、独身の弁護士が提案し、各々奥さんに嘘をついてバンコクへ行き、お酒と女性に囲まれて遊びまくっていたら...(この先はネタバレ防止のため記載せず) というお話。

驚きポイント(1)
パキスタン・イスラム共和国という、お酒も女遊びもご法度っぽい国名の国で作られた映画なのに、バンコクでお酒と女性を楽しもう!という内容。

驚きポイント(2)
実際、飲酒のシーンがある。
これ、バンコク行きを計画した弁護士。

ナンパされるパキスタン人女性もテキーラをクイっと。

その頃、夫3人組は泥酔&ネクタイハチマキ姿。ホテルの廊下で3人でじゃれあう(笑)

驚きポイント(3)
突然始まるダンスは、インド・パキスタン映画のお決まりですが、傍で謎の露出高めの女性たちが鞭を振るうダンスをする。

驚きポイント(4)
女性が銃をぶっ放す。
舞台がカラチとバンコクなので、強いと評判のシンド州女性のイメージを前面に出しているのか、この女優さんも、特殊部隊に務める警察官の夫を持つも、家では彼女がライフルで夫をハンドリングするというパワフルな設定。

全編ウルドゥー語ですが、字幕もあり、とても面白かったです(´∀`)

普段、お付き合いしているローカルの友人たちは、この映画そのままの層の人たちが多いので、いくつか友人の顔が浮かぶ。
再来週の犠牲祭の頃に「2」が放映されるらしいので、浮かんだ友人たちを誘って、パキスタン生活ではじめての映画館へ行ってみようと思います。

近日、エミレーツに乗る方は、ぜひご覧になってみてください。
先日、日本で開催されている女性向けのビジネスコンテストで、特別賞(海外貢献賞)を頂きました(´∀`)


私がパキスタンに来た目的の「郊外の医療や教育がない地域に初期処置ができるクリニックと寺子屋を作りたい」。

これを日本人に言うと「それは政府の仕事で民間の仕事じゃない」と一蹴されたことが複数回あるのですが、その人達はクリニックも寺子屋も作ったことはないし関わったこともないし、できるわけないじゃんと思っている。

ところが、元々政府を当てにせず自分たちで何とかしてきたパキスタン人の友人に話せば「いいね!俺も手伝う」とすぐに医師や教師、資産家の仲間が増える。

宗教的に寄付が当たり前、困っている人は助けて当たり前の精神があるからか??
とにもかくにも、精力的に動ける時間ももうそう多くはないので、少し巻き目に動いているのですが、資金確保の手段として、お金持ちさんからガッツリ稼がせて頂くべく立ち上げる「ジャパニーズカフェ&ショールーム事業」に、海外貢献賞という名前の賞を頂けたことは、そのまま進んで頑張れよと、初めて日本人から背中を押された気がします。本当にありがたいし嬉しい(´∀`)


今回のビジネスコンテストの主催団体は、一般社団法人 日本起業アイデア実現プロジェクト http://www.kigyopro.or.jp/ さんのもので、50万円からビジネスを始めた方が、紆余曲折して苦しいときに200万あったらいいのに...!と思った経験から、グランプリには、あのとき欲しかった200万円が、特別賞には、スタートしたときの50万円が提供されます。

しかも、見返り要請なし。口出しなし。かなり異色のコンテスト。
女性起業家の方や、これから起業予定の方は、ぜひ挑戦されるべきコンテストだと思います。


主催団体の皆さんには、こちらから「こんなことができました!」と、吉報を届けるのを楽しみに、またカラチで足を進めます。

パキスタン在住の皆さまには、別途、カフェ開店のお知らせをさせて頂きます(´∀`)
パキスタンは贈り物文化があるので、この時期は、旬の枝付きライチや、“英国王室御用達の世界一甘いマンゴー” を(←強めのPR) 個人間でも企業間でも贈り合います。

それなので、大量にマンゴーがストックされる期間が2〜3ヶ月ほど続くのですが、マンゴーはタネが大きいので、意外と食べるところが少ない(´・_・`)

1年目は、よく見かける、半身のマンゴーに格子状の切り込みを入れて、えいっ!てひっくり返してモリッとなったのを食べ、2年目は、ローカルに多い方法で、半身のマンゴーを縦半分に切ってから皮に沿って包丁を入れて食べていましたが、どちらも皮に実が残ります。
で、3年目の今年は、今までで一番、たくさんの果実を食べられる切り方にたどり着きました。

これからマンゴーを召し上がる方、よかったら試してみてください(´∀`)


① 洗ったマンゴーの皮を、ピーラーで剥く。


意外とするすると剥けます。
仕上がりは、こう。つるり。


② 「三枚おろし」にする。


③ タネの横側の実を削る


④ 半身のマンゴーを好きな大きさにカットして完了。


マゼダール(゚∀゚)!!
(ウルドゥー語で「美味しい」)


もう、今年のマンゴーも、いくつかの品種は時期が終わってしまい、モンスーンで雨に降られたら、以降の収穫分は味が落ちると言われていますが、それでも美味しいパキスタンマンゴー。

機会があれば、ぜひ試してみてください。
日本では、一部のイオンや、パキスタン人が経営するレストランなどで買えるようです。

ヘタの部分から蜜が出た形跡があり、濃厚でむせるような甘い香りがしていたら食べ頃。

私のオススメは、ホワイトチョンサという品種です(´∀`)
パキスタンやインド、バングラデシュなど、南アジア諸国では、ヒジュラと呼ばれる第三の性を持つ方々がいます。

いろいろ時代や地域で変化はあるようですが、もともとは、半陰陽・両性具有を表す言葉だそうで、男性でも女性でもない神聖化された存在だったそうです。
このヒジュラをトランスジェンダーと言うには正確には違うのですが、分かりやすいように自分からそう言う方もいるそうです。

今回会ったネイナさんの場合は、豊胸手術はしていても去勢はしていないので見た目は両性具有。でも心は女性なのでヒジュラではない。と、聞きました。

で、次に疑問だったのが「性転換手術」について。

やはり王道のタイへ行くの?でもパスポートが取れない人もいるのでは?と思っていたら、パキスタン国内でも手術ができるそうです。

ここから、謎の人脈を持つうちのドライバー・アリーさん情報。
↓↓↓

・豊胸手術などは、ラホールに腕の良い病院がある。
・カラチにも腕の良い女医(戸籍は男性)がいる。
・豊胸手術はシリコンの品質と量によるが、15万〜30万円くらい。
・男性器および睾丸除去後のホルモン治療も毎月1万ほどで可能。
・女性器形成手術はまだできない。
・トランスジェンダーを支援するNGOがあり、自己資金で手術できない人にはNGOが資金援助や医療、今までの差別や虐待のメンタルケアを提供している。
・KP州、イスラマバードなど何故か北部に多い。
・カラチの場合は、グリスタン ジョハルやグルシャン イクバル 地域に多い。
・定期的にシーメールが集まるダンスパーティーがあり、毎回200名ほど集まる。

で、そのパーティーの様子がこちら。


(アリーさん、ありがとう)

この方がカラチ在住の腕の良い女医さん。

細すぎるか太すぎるか、どちらかが多いパキスタン人女性よりも、綺麗なボディラインです。さすが。

でも、心が女性で生まれているので、本当は身体のラインを見せるよりも、普通に可愛い洋服を着て過ごしたいのだそう。

例えば、こう。
彼女たちもトランスジェンダー。
女装と違って心が女性なだけに、自然なメイクで可愛い。



みんな、アリーさんを「優しいし、他の粗暴な男性と違って、私達をちゃんと一人の女の子として大切に接してくれる。私達が困ったときに紳士的に助けてくれるお兄さん」と、全面的に信頼していて、どうやら足長おじさんのような存在らしい。

確かに、たまに電話で「よく頑張ったね」「神が望んだ」「そのまま頑張れ」と誰かを褒めているときがあって、なんだろうと思っていたら、彼女達からの「(ダンスで)お客さんに褒められたの!」とか「来月、バンコクへ行けるの!」という報告だったとか。

すっごい嫉妬深くて怖い奥さんに、毎日1時間おきに「あなた今どこ?」「誰と一緒にいるの?」「いつ帰ってくるの?」「本当に仕事なの?」「浮気してるんじゃないの?」と束縛まみれの電話を受け、専業主婦なのに朝食と夕食を夫に作らせて何もせず、完全に尻に敷かれまくっているうちの警備員のアシックさんは、ため息混じりに、

「いいなぁ...。俺も嬉しい電話を受け取りたいなぁ...。よくやった!って、いいよな...。俺、家族のために仕事してるのに、家に帰っても全然休まらないもん...」

と遠い目でぼやくと、すかさずアリーさんが

「お前はいつもよく頑張ってるよ...本当に辛いときは、離婚して自由になったって良いと思うよ。子供達は別の立場からでも育てられるし、父親であることには変わりない」

と。
もちろん、アシックさんとアリーさんの結束が強くなったのは言うまでもなく、こうゆうところが、トランスジェンダーとして苦しんで生きてきた女性たちの信頼を掴んだようです(´∀`)


1人でも理解者がいれば、その人は前を向いて生きられる。