パキスタンやインド、バングラデシュなど、南アジア諸国では、ヒジュラと呼ばれる第三の性を持つ方々がいます。
いろいろ時代や地域で変化はあるようですが、もともとは、半陰陽・両性具有を表す言葉だそうで、男性でも女性でもない神聖化された存在だったそうです。
このヒジュラをトランスジェンダーと言うには正確には違うのですが、分かりやすいように自分からそう言う方もいるそうです。
今回会ったネイナさんの場合は、豊胸手術はしていても去勢はしていないので見た目は両性具有。でも心は女性なのでヒジュラではない。と、聞きました。
で、次に疑問だったのが「性転換手術」について。
やはり王道のタイへ行くの?でもパスポートが取れない人もいるのでは?と思っていたら、パキスタン国内でも手術ができるそうです。
ここから、謎の人脈を持つうちのドライバー・アリーさん情報。
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・豊胸手術などは、ラホールに腕の良い病院がある。
・カラチにも腕の良い女医(戸籍は男性)がいる。
・豊胸手術はシリコンの品質と量によるが、15万〜30万円くらい。
・男性器および睾丸除去後のホルモン治療も毎月1万ほどで可能。
・女性器形成手術はまだできない。
・トランスジェンダーを支援するNGOがあり、自己資金で手術できない人にはNGOが資金援助や医療、今までの差別や虐待のメンタルケアを提供している。
・KP州、イスラマバードなど何故か北部に多い。
・カラチの場合は、グリスタン ジョハルやグルシャン イクバル 地域に多い。
・定期的にシーメールが集まるダンスパーティーがあり、毎回200名ほど集まる。
で、そのパーティーの様子がこちら。
(アリーさん、ありがとう)
細すぎるか太すぎるか、どちらかが多いパキスタン人女性よりも、綺麗なボディラインです。さすが。
でも、心が女性で生まれているので、本当は身体のラインを見せるよりも、普通に可愛い洋服を着て過ごしたいのだそう。
例えば、こう。
彼女たちもトランスジェンダー。
女装と違って心が女性なだけに、自然なメイクで可愛い。
みんな、アリーさんを「優しいし、他の粗暴な男性と違って、私達をちゃんと一人の女の子として大切に接してくれる。私達が困ったときに紳士的に助けてくれるお兄さん」と、全面的に信頼していて、どうやら足長おじさんのような存在らしい。
確かに、たまに電話で「よく頑張ったね」「神が望んだ」「そのまま頑張れ」と誰かを褒めているときがあって、なんだろうと思っていたら、彼女達からの「(ダンスで)お客さんに褒められたの!」とか「来月、バンコクへ行けるの!」という報告だったとか。
すっごい嫉妬深くて怖い奥さんに、毎日1時間おきに「あなた今どこ?」「誰と一緒にいるの?」「いつ帰ってくるの?」「本当に仕事なの?」「浮気してるんじゃないの?」と束縛まみれの電話を受け、専業主婦なのに朝食と夕食を夫に作らせて何もせず、完全に尻に敷かれまくっているうちの警備員のアシックさんは、ため息混じりに、
「いいなぁ...。俺も嬉しい電話を受け取りたいなぁ...。よくやった!って、いいよな...。俺、家族のために仕事してるのに、家に帰っても全然休まらないもん...」
と遠い目でぼやくと、すかさずアリーさんが
「お前はいつもよく頑張ってるよ...本当に辛いときは、離婚して自由になったって良いと思うよ。子供達は別の立場からでも育てられるし、父親であることには変わりない」
と。
もちろん、アシックさんとアリーさんの結束が強くなったのは言うまでもなく、こうゆうところが、トランスジェンダーとして苦しんで生きてきた女性たちの信頼を掴んだようです(´∀`)
1人でも理解者がいれば、その人は前を向いて生きられる。
完