ワイン: チリの赤(シラー、カルメネール、ヴィオニエ)、2020年 

音楽: WILHELM FURTWÄNGLER / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 

    HERBERT VON KARAJAN / ヘルベルト・フォン・カラヤン 

 

本日のテーマは、『 新旧の偉大なる巨匠 ~指揮者編~ 』です。

 

うっかり、指揮者編、というタイトルをつけてしまいましたので、ピアニスト編

とか、シンガー編、とか、別稿を用意しなければならないかも知れませんが、

それがいつのことやら、お約束はできず、そのまま忘却の彼方に、なんてことも…

 

 

1枚目は、WILHELM FURTWÄNGLER / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー です。

 

1886年生まれのドイツ指揮者で、1954年に亡くなられていますので、ひと昔、

ふた昔も前の方であり、もはや神の域に達しておられる方、と言えるでしょう。

 

往年のクラシック音楽ファンの方であればご存じの、有名な写真があります。

 

ブルーノ・ワルターアルトゥーロ・トスカニーニエーリッヒ・クライバー

オットー・クレンペラー、そして、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーという、

泣く子も黙りそう(?)な、巨匠5人が一堂に会した超豪華な写真です。

 

 

さて、フルトヴェングラーですが、ベートーヴェンブラームスなどのドイツ音楽

得意とし、彼が生み出す音楽は、重厚情熱的ロマンティック、というような称賛

の言葉しか思いつきません。

 

誤解を恐れずに申せば、駄作がない、です。

厳密に申せば、ムラであったり、はあるのでしょうが、芸術性のレベルが高いため、

そういった点が目に(耳に?)入りにくいのだと思います。

 

紹介するCDは、シューベルト交響曲第9番グレート」と、ロザムンデ序曲、が

収録されているものです。

 

フルトヴェングラーの芸術性を高めているのは、LIVEにおいて、というのが定説です。

実際に彼のLIVE音源を聴くとわかりますが、燃えに燃えまくっている演奏が多く、

そのロマンティックさ加減は、もはや、ってます!

 

そうした定説にもかかわらず、スタジオ録音の中で、フルトヴェングラーの芸術性が

非常に高いと言われているものが2つあり、その1つが、今回紹介するシューベルト

交響曲第9番グレート」なのです。

 

ちなみに、もう1つは、シューマン交響曲第4番です。

 

なお、シューベルトシューマンも共に、ベルリン・フィルとの録音です。

 

さて、”グレート交響曲ですが、シューマンの言葉によって、天国的な長さ、という

表現が形容された曲でにあります。

 

当時は、ベートーヴェン第9番などの一部例外は除けば、交響曲全曲(4楽章)の

演奏時間は、3~40分程度で、45分近くになると少し長め、という印象でした。

 

それが、”グレート交響曲は、55分や 1時間といった規模のものになりましたので、

当時としては非常に長大なものとして認識されていたようです。

 

では、早速ですが、第1楽章、から聴いてまいりたいと思います。

ホルンから開始される、長くゆったりとした Andante序奏はとてもロマンティック

で、その後 Allegro ma non troppo による活き活きとした主題が続きます。

 

14分半と、やや長めの楽章ですが、素晴らしいメロディが次々と切れ目なく登場

する、というような感じですので、一気に聴けてしまうのではないでしょうか。

 https://www.youtube.com/watch?v=pZUuyP1QYqg 

 

個人的にも大好きな第2楽章や、活気に満ちた第3楽章も非常に捨てがたいのです

が、第4楽章フィナーレAllegro vivace を聴いてみたいと思います。

非常に躍動的な旋律が続くこともあり、とてもカッコいい、と思える楽章です。

 https://www.youtube.com/watch?v=jBx0xjXvWg0 

 

 

2枚目は、HERBERT VON KARAJAN / ヘルベルト・フォン・カラヤン です。

 

1908年生まれのオーストリア出身の指揮者で、1989年に亡くなられています。

 

1954年、フルトヴェングラーの急逝に伴い、ベルリン・フィル終身首席指揮者

芸術総監督に就任したことで、巨匠フルトヴェングラーの後継者として、認知される

ことになったのでした。

 

モノラル時代の最大の巨匠がフルトヴェングラーだと言えるならば、ステレオ時代の

最大の巨匠がカラヤンだと言えるかも知れません。

 

人によってとらえ方も違うので、いやーそれは違うだろー、的なコメントをお持ちの

方もいらっしゃるかも知れません。

 

ですが、膨大な録音を通し、今まで光が当たることがなかった曲の発見や、再評価に

貢献することで、クラシック音楽に精通していない方や、クラシック業界にとっての

経済性や認知度を上げた功績は評価されるべきだと思っております。

 

紹介するCDは、リヒャルト・シュトラウス交響詩が2曲収録されているものです。

 

カラヤンの非常に広いレパートリーの中でも、R・シュトラウスの作品は重要な位置を

占めています。

 

R・シュトラウスの音楽を特徴づける、きらびやかな音色が、カラヤンとの相性が良い

ということもありますが、CDに収録されている「ツァラトゥストラはかく語りき

は3度目の録音、「ドン・ファン」は5度目の録音、と十八番のレパートリーなのです。

 

なお、今回の録音は、1983年のもので、最も円熟した時期のものと言えます。

 

では、交響詩ツァラトゥストラはかく語りき」から、聴いてみましょう。

 

ニーチェの同名の著書にインスパイアされて書かれた音楽ですが、どちらかと言うと

映画2001年宇宙の旅』にこの曲の序奏部分が使用されたことで、より認知度が高く

なった、と言えるかも知れません。

 

では、その「序奏」部分をお聴き頂きますが、折角ですので、動画でお届けしようと

思いますので、CDの録音の翌年にあたる、1984年のLIVEから紹介します。

 https://www.youtube.com/watch?v=M-2ed2hY6Ck 

 

この曲は、序奏部分があまりにも有名すぎて、その後に続く曲は… などと言うと、

シュトラウスさんとチコちゃんのお2人から叱られてしまいそうです。

 

では、最後に交響詩ドン・ファン」を聴いて、締めましょう!

 

R・シュトラウスにとって、初期の作品にあたり、出世作として知られています。

ドン・ファンは、女たらし、プレイボーイの代名詞として知られている、17世紀の

スペインの伝説上の人物です。

 

ちょっと余談になるかも知れませんが、それぞれの国の言語の違いによって、

呼び方が異なります。

 

ドン・ファンは、英語読みであり、イタリア語読みですと、ドン・ジョヴァンニ

に変化します。

 

さて、プチ脱線をしたことろで、早速、曲を聴いてみたいと思います。

 

こちらも、CDの音源とは異なる、LIVE音源による動画で紹介致します。

1957年に、カラヤンが来日した時の音源で、モノクロの映像です。

きらびやかなオーケストレーション、つややかな音色の演奏をご堪能下さい。

 https://www.youtube.com/watch?v=gLju5_qezyg 

 

 

如何でしたでしょうか。

今回は、『 新旧の偉大なる巨匠 ~指揮者編~ 』に関する記事でした!