ワイン: イタリア(トスカーナ)の赤(サンジョヴェーゼ、メルロー、他)、2018年 

音楽: Herbert KEGEL / ヘルベルト・ケーゲル 

    KURT EICHHORN / クルト・アイヒホルン 

 

本日のテーマは、『 第6番 』です。

 

ウルトラマンタロウは、ウルトラマンの6番目ですが、全く関係ありません。

特にオチも何もないのですが、第6番、を聴きました。

 

そういう日もあるんです…

 

 

1枚目のアーティストは、Herbert KEGEL / ヘルベルト・ケーゲル です。

 

ドイツ(旧・東ドイツ)出身の指揮者です。

 

クラシック音楽に精通している方であれば、ケーゲル に関する最大の情報は、

拳銃によって自死した、ということでしょうか。

 

1920年にドイツ(旧・東ドイツ)で生まれたケーゲル は、当時の社会情勢により、

ライプツィヒドレスデンなど、旧・東ドイツ内での活動に留まりました。

 

全く国外に出られなかった、ということではなく、LIVEによる海外公演はあり

ましたが、他の国のオーケストラの指揮者になることはありませんでした。

今ではちょっと考えにくいですが、そういった制約が、当時にはあったのです。

 

1990年10月3日、東西ドイツが統一されます。

そして、その約1か月半後の11月20日、ケーゲル自死してしまいます。

 

自死の理由について、いろいろな説が唱えられていますが、事実上、東ドイツ

西ドイツに吸収される形での統一したドイツの将来を絶望したためではないか、

という説が有力のようです。

 

紹介するCDは、1989年10月18日の来日公演LIVEを収録したものです。

 

自死の約1年前にあたりますが、この時は、まだドイツは統一されていません。

ちなみに、ベルリンの壁が崩壊したのは、このLIVEの約3週間後のことです。

 

改めて、時系列で整理しますと…

 

1989年10月18日  ケーゲル による来日公演が行われる

1989年11月 9日  ベルリンの壁が崩壊する

  この間、ドイツ統一に向けて、いろいろな調整が進む

1990年10月 3日  旧・西ドイツの法令に基づき、東西ドイツが統一される

1990年11月20日  ケーゲル が自死する

 

さて、来日公演に話を戻しますが…

オケは、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団で、収録されている曲目は、

ベートーヴェン の2曲で、エグモント序曲交響曲第6番「田園」です。

 

では、まずは、エグモント序曲、から聴いてみましょう。

オランダ独立のキッカケを作ることになった英雄、エグモント に霊感を受けて

作曲された曲で、9曲の劇音楽のための序曲です。

 https://www.youtube.com/watch?v=wMyUgoBScVk 

 

交響曲第6番「田園」ですが、1989年の来日時のLIVEの音源が見つからず、

少し残念ではありますが、1982年のスタジオ録音の音源で紹介します。

 https://www.youtube.com/watch?v=xMAunbBvYIo&t=715s 

 

割とゆったりとしたテンポで、丁寧に田園風景を描いている演奏ですが、LIVE

の方は、もっとゆったりとしていており、この上なく美しいです。

 

スタジオ音源の方も、非常に美しい演奏で、特に、第2楽章でのフルートなど

管楽器の美しさは極上ですから、是非、聴いて頂きたいです!

 

 

2枚目のアーティストは、KURT EICHHORN / クルト・アイヒホルン です。

 

1908年生まれのドイツ(旧・西ドイツ)の指揮者です。

 

元々は、オペレッタを得意とする指揮者、オルフ の解釈に定評がある指揮者と

して知られていましたが、晩年にリリースされた、リンツ・ブルックナー管弦楽団

との一連のブルックナー 選集によって、その知名度が高まりました。

 

選集と書いたのは、全集としてリリースする予定でしたが、志(こころざし)半ばに

して、1994年6月、永眠され、全集の録音がかなわなかったためです。

 

但し、アイヒホルン の録音がかなわなかった、第0番第1番第3番第4番

の4曲は、ジークハルトグシュルバウアー により引き継がれ、録音されたため、

最終的には、全集となりました。

 

今回、紹介する第6番は、アイヒホルン による、生涯最後の録音となりました。

死の3か月前、85歳でした。

 

さて、第6番ですが、壮麗な建築物を想わせる第5番、比較的親しみやすい

旋律を持つ人気曲の第7番とに挟まれて、やや影が薄い感のある曲です。

 

ところが、この第6番、なかなか素敵な曲であり、埋もれさせてしまうのは非常に

もったいないです…

 

特に、第1楽章の冒頭、低弦第1主題を提示した後、一気にギアが上がり、

オケによる全奏が聴けるあたりの開放感は、非常に爽快です。

 

では、第1楽章、お聴き頂きましょう!

 https://www.youtube.com/watch?v=CEsfpSjGO_Q 

 

最後に、第3楽章スケルツォ+トリオをお聴き頂きましょう。

速くなく、と指示されている楽章で、力強い中にも幻想的な要素を持つスケルツォ

狩りを連想させるようなホルンから始まる牧歌的なトリオ、対比を楽しめます。

 https://www.youtube.com/watch?v=pwcbXYDPQ2Y 

 

 

如何でしたでしょうか。

今回は、『 第6番 』に関する記事でした!