ワイン: イタリア(ヴェネト)の赤(メルロー、サンジョヴェーゼ)、NV 

音楽: JEAN SIBELIUS / ヤン・シベリウス と 

    FALLA / ファリャ 

 

本日のテーマは、『 涼しさを求めて… 』です。

 

猛暑が続いています…

ということで、涼しさを求めて、音楽を聴きたくなりました。

 

 

1枚目のCDは、JEAN SIBELIUS / ヤン・シベリウス です。

 

シベリウス の出身国をご存知でしょうか。

北欧の国、フィンランドです。

 

フィンランドのイメージは、というと、オーロラ、ムーミン、サンタクロース、

森と湖、白夜、トナカイ… 人それぞれです…

 

今回聴いたCDは、シベリウス ヴァイオリン協奏曲 の他、カップリングに

カレリア組曲交響詩「フィンランディア」と全3曲が収録されています。

 

ヴァイオリンは、ルーマニア出身の女性奏者、ミリアム・フリード の演奏です。

指揮は、フィンランド人オッコ・カム 、オケはヘルシンキ・フィルハーモニー

管弦楽団で、1987年の録音です。

 

涼しさを求めて、の本命は、ヴァイオリン協奏曲です。

特に、第1楽章のイントロから、ワタクシの中では寒さ(冷たい空気)と、寒さに

よる厳しさを連想させてくれる曲なのです。 (個人の感覚かも知れませんが…)

 

では、その「第1楽章 Allegro moderato」から聴いてみましょう。

シベリウス 第1楽章の冒頭部分に関して、「極寒の澄み切った北の空を、

悠然と滑空する鷲のように」と述べた、らしいです。

 https://www.youtube.com/watch?v=SsudUG5i5BI 

 

次は、「第3楽章 Allegro, ma non tanto」です。

頭に登場するリズミカルで華やかなヴァイオリンの音色が非常に印象的です。

 https://www.youtube.com/watch?v=959D_mCDQ-A 

 

次は、「カレリア組曲」です。

フィン人の発祥の地とも言われる カレリアの地を題材にした、全3曲の組曲です。

 

この3曲の中で、最も有名で、単独で演奏されることもある「第3曲 Alla marcia

を聴いてみましょう。

行進曲風に、と題された曲で、非常に親しみやすいメロディが特徴的です。

 https://www.youtube.com/watch?v=MAoOnaenI0I 

 

最後は、「交響詩、フォンランディア」です。

シベリウス の全ての曲の中でも、最も有名な曲と言えるかも知れませんね。

 

当時のフィンランドは、帝政ロシアの圧政に苦しめられていて、独立運動が

起こっていたのですが、フィンランドへの愛国心を沸き起こすものとして、帝政

ロシアは、この曲の演奏を禁じた、というのは有名な話です。

 

曲は重苦しい序奏から開始されますが、帝政ロシアの圧政を連想させます。

やがて、金管楽器が勢いよく登場し、帝政ロシアとの闘争を連想させます。

最後は、フィンランディア賛歌と呼ばれる印象的な旋律で、独立を示唆します。

 https://www.youtube.com/watch?v=WIgRFKuReWU 

 

 

2枚目のCDは、FALLA / ファリャ です。

 

1876年生まれのマヌエル・デ・ファリャ は近代スペインを代表する作曲家です。

1936年にスペイン内戦が始まると、祖国を離れる決心をし、1939年に南米

アルゼンチンに亡命し、その地で生涯を終えた方です。

 

今回聴いたCDは、ファリャ の「交響的印象、スペインの庭の夜」に、カップリング

に、ハチャトゥリアンピアノ協奏曲 が収録されているものです。

 

ピアノは、スペイン出身の女性奏者、アリシア・デ・ラローチャ の演奏です。

 

指揮は、ファリャ の方は、セルジュ・コミッショーナ、オケはスイス・ロマンド管弦

楽団で、1970年の録音です。

 

ハチャトゥリアン の方の指揮は、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス で、

オケは、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、1972年の録音です。

 

涼しさを求めて、の本命は、アルバムのジャケットに映っている写真です。

夜の庭園に噴水から水が沸き上がっていますが、ブルーにライトアップされて

いることもあり、とても涼し気です。

 

では、「交響的印象、スペインの庭の夜」から紹介してまいりたいと思います。

 

7年間にわたるパリへの滞在期間中に、ドビュッシーラヴェルデュカス らの

知己を得ることができ、印象派の音楽から大きな影響をうけました。

その結果の一つとして実を結んだのが、この曲と言えます。

 

交響的印象、という記載がありますが、独奏ピアノと管弦楽のための作品であり、

事実上のピアノ協奏曲と言えるような曲で、全3楽章から成ります。

 

それでは、「第1楽章」から聴いてみたいと思います。

ヘネラリフェで、という標題がつけられている楽章です。

ヘネラリフェは、グラナダアルハンブラ宮殿の中にある美しい庭園のことです。

 https://www.youtube.com/watch?v=ZC6EOdcrK_0 

 

次は、「第3楽章」に移ります。

コルドバの山の庭で、という標題がつけられている楽章です。

コルドバは、アンダルシア地方の西部にある街です。

 

冒頭、ピアノによる激しいタッチが聴けますが、やがて、東洋風のエキゾチック

な旋律が登場します。

 https://www.youtube.com/watch?v=uPXjTYDPLJw 

 

最後は、カップリング曲である、ハチャトゥリアンピアノ協奏曲です。

 

アラム・ハチャトゥリアン は、アルメニアを代表する作曲家です。

 

生まれた当時は、帝政ロシアに属しており、その後、旧ソ連の支配下に置かれ、

戦後(といっても、1991年ですが)、アルメニア共和国として独立国になった、

そういう情勢の中で活躍をされた方です。

 

ハチャトゥリアン が亡くなったのは、1978年のことですので、厳密には、

アルメニアと言う国は存在しておらず、アルメニアを代表する作曲家、と呼ぶ

のは、厳密には違和感ありかも知れませんが、そこはご勘弁を…

 

ピアノ協奏曲は、ヴァイオリン協奏曲チェロ協奏曲に先駆け、1936年に作曲

されています。

 

ハチャトゥリアン は、この曲にアルメニア地方の民族音楽の要素を取り入れて

おりますが、特に第2楽章において顕著です。

 

その、「第2楽章 Andante con anima」を聴いてみたいと思います。

ピアノの序奏の後、ヒュヨヨヨーンという音を出すフレクサトーンという楽器の

音色を聴くことができます。

 https://www.youtube.com/watch?v=rCL3TOioeCI 

 

ちょっと余談になるかも知れませんが、フレクサトーンの音色は、お化けを連想

させそうですので、涼しさを感じさせる、と言う点では一役買っているかも…

 

 

如何でしたでしょうか。

今回は、『 涼しさを求めて… 』に関する記事でした!