ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo- ニコラ・フランチェスカのベストエンドを読了しました。
無印の大団円ルートに入るためには、すべてのキャラのベストエンドを見なきゃいけないらしくて、またしてもキィー!って猿になっています。
そんな自分を宥め、仕方なく個別ルートを再開しました。
ギルバートが攻略できるなら真っ先にしてるんですけど、ギルですら攻略制限かかってるからね。
制限ばっかりで腹立つわ!
とりあえず大団円ルートのために、ベストエンドは回収しておかねばと思ってニコラから再開しました。(何度も言うけど楊にしか興味がない)
さて、ニコラ・フランチェスカさんですが、共通ルートの印象はといえば…
チャラ男
せっかくイタリアを舞台にしているのだから、こういうキャラがいてもおかしくはない。
むしろいてくれて嬉しいというか、華があると思います。
ベストエンドしか見ていない身の上で語るのもどうかと思いますが、ストーカーもとい偏執狂のおかげでストーリーが盛り上がりとても面白かったです!
面白かったのは間違いないのですが…
ニコラルートの主人公が私は大嫌い!
途中から「コイツあほなん?」とイライラしてしまいましたよ。
ニコラを追いかけて勝手に拷問部屋に入っていき、綺麗事を並べ立てて偽善を押しつけ、マフィアのルールを度外視して男の仕事を操作しようとするのは、浅はかで子どもじみているし衝動的としかいいようがない。
アナタね、サロンで構成員に自分で言ったこと忘れたの?
あれは単なる受け売りだったんだね。がっかりだよ。
楊ルートだったら、痛ぶられた上で殺されてるわ。
逆にニコラが熟慮を重ねて慎重に行動するタイプだから、リリアーナとは対照的ではあるけれど、それにしたってこんな迂闊に行動する女のどこがいいわけ?
夢見がちで危なっかしいのが見てられないってニコラも言ってたけど、この子を好きになったら振り回されるのが目に見えている。
拷問部屋の件に関しては伏線というか、カジノの談合でニコラが罵られるのに必要な材料だったから仕方ないけど、リリアーナの行動がいちいち苛つくんですよねー。
そのイライラをタイミングよく楊の登場でドーパミンに変えてくれたからよかったものを。
それにしても、楊って相当なキレ者ですね。
超たのしませてくれる!意外とエンターテイナー。
マフィアの連続殺人犯の目星がついていないうちに目敏く察知して、なおかつ自分の遊びのために利用するとか狡猾すぎてしびれました!
やっぱり他人の闇を暴くのが趣味の楊は、どんな類の闇にも敏いわけだよ。
楊にはしびれまくりますね…この人は飽きないなぁ。
他キャラのルートで楊を回収するのが楽しみになってきました!安定の楊!
ダンテがファルチェで襲撃された後、ニコラに暫く距離を置こうって忠告されたにも関わらず、リリアーナは無邪気にニコラにじゃれつこうとしてたじゃないですか?
アンタはどうしてニコラの真意を汲み取れないの?バカなの?台無しにする気なの?って、非難する気持ちしか湧いてこなかったです。
本当にこれがベストエンドへの道のりなのだろうか?と疑ったくらい。
楊ルートのリリィの洞察力に比べたら、同じ人物かよと思うくらい雲泥の差がある。
主人公がアホすぎたから、男性陣が私の気持ちを和らげてくれましたよ。
噂のギルの口説き文句に、ブホッて吹き出してしまったり。
こりゃ笑わずにはいられないですね。
恋の奴隷もやめてほしい…!
それなのに、ニコラが本気で騙されるとはね。
確かにギルは精力持て余してそうだから、楊とは違う意味でヤバそうです。
ニコラルートのギルは茶目っ気もたっぷりで懐のデカイ男だし、なにより仕事が早い!
めちゃくちゃ優秀な人。さすがファルツォーネと袂を分つだけの実力はあるよなと感じました。
どのルートを選んでも一様に、リリアーナを手元に置くことで想定外のトラブルに巻き込まれ、転じて吉と出るか凶と出るかというスリリングな展開はおもしろかったけど、楊ルートとは違った意味で善悪の概念が崩壊してる感じはしました。
ロベルトの正義は自己価値やエゴに結びついていたけど、リリアーナも大して変わらないかもしれないと個人的には思っていて、教会育ちだから世間知らずなのを加味した上でも、やっぱり相手の立場を思いっきり無視して自分の正義を押しつけようとする偽善は見ている私を白けさせました。
白か黒かを問い出したら世界はとても息苦しくなるし、二択で割り切れるほど単純な世界ではないというのもロベルトやリリアーナを見ていると感じます。
だからこそマフィアという存在が絡むことで、いい匙加減にもなっているかもしれないですね。
リリアーナはあくまで自分の正義や善行が押し通ると信じているのかもしれませんが、自分を犯罪者と定義して一線を超えないよう配慮してくれたニコラの優しさが私には沁みるなぁ。
振り向かせるのに難儀はしましたが、誇りと命を賭けて守ろうとしてくれるニコラに男気を感じました!
ファルチェの大通りでロベルトに言い放った、マフィアの流儀と信念がとても心に響いたし、ある意味名言かと思うほどカッコよかったです。
このシーンがニコラルートのハイライトだと思います。
もはや形骸化されつつあるマフィアという組織に辟易しているはずのニコラが、実はマフィアとはなにかを1番模索していた人だったんだなぁと思ったし、マフィアである自分にちゃんと誇りや名誉を得ていたんだとわかったときに、ピオフィの軸となる設定がものすごく生きてきたなぁと感心しました。
ただのチャラ男だと思っていたけど、ニコラルートで彼のことを知っていくうちに意外と慎重な人だと思ったし、簡単に恋に溺れる人でもなかったんだなぁとわかり、人物像を改めて見直した感じ。
ダンテは見たまんまの分かりやすい人だけど、ニコラは踏み込んでみないと人となりが分からないおもしろさがありました。