いよいよ緊急事態宣言解除に向けての動きも活発になってきましたが、
諸外国の経済再開後の様子をみていると、このまま簡単に収束を迎えるとは考え難いのではないかと懸念しています。
さて、コロナ期の教訓とも関連するのですが、
今日は繋がりの強弱の話をしたいと思います。
今回、日本中でウェブ会議や、ウェブセミナー、ウェブ飲み会が行われていて、
積極的に利用した方は気づいたと思いますが、
これってめちゃめちゃパワフルですよね。
単に集まって会議することがWEBで代替できる、
というのを超えて、
むしろWEBでやったほうが、
地理的条件を無視して集客できる、
遠方のすごいスピーカー呼びやすい、
会場費ゼロ、
資料見やすい、
下半身パジャマでもいける、
などなど、
リアルに集まる場合よりも有益な点がたくさんありました。
経営学では、ブリッジ効果(S WT理論というほうが知られてるかも)といって、
グループ全体が密接に繋がっているネットワークよりも、
一人一人のは弱いつながりだけど、辿っていくと遠くまで繋がっていける希薄な繋がりのほうが、
遠くにある幅広い情報を、早く、効率的に手に入れることができる
ということが明らかにされています。(強い繋がりのネットワークはその中で情報がぐるぐる回って未知の情報がなかなか流入、拡散しない)
イノベーションに不可欠な、
自分の課題とは異なる領域からのアイデアの応用
をするためには、そのようなアイデアの種が自然と飛んでくるような
「弱いつながりを豊富にもつこと」が極めて重要です。
SNSのメリットがわからないという人、
WEB会議なんかいらない、
という人は是非参考にしてください。
6人介せば世界中の誰とでも繋がれる(六次の隔たり)というSNSは、
弱いつながりを豊富にもつためにめちゃくちゃ強力なツールなのです。
では、個人個人の濃密な繋がり、
例えば僕がお世話になってる青年会議所(JC)のような、三密の典型みたいな団体でできる繋がりには何の意味メリットもないのでしょう。
そんなことはありません。
経営学では、エンベッドネス理論(埋め込み理論)というのですが、
(僕は絆理論と呼んでいます)
相互依存と信用によって成り立つ強固な関係
(≠市場メカニズムに合理性や利己性による関係)
は、
①一度繋がった相手と繰り返しつながり、その関係性が安定していき
②単なる市場取引ではなかなか出てこない私的な情報が交換されるので、相手に対して正確な評価ができ、
意思決定のスピードが早くなり実現力が飛躍的に高くなります。
どんなクリエイティブなアイデアも、
現実に、サービスとして、製品として、事業として落とし込めなければ、
絵に描いた餅です。
この落とし込みの作業を可能にするのが、
信頼関係に基づいた強固な繋がり(絆)です。
要するに、弱いつながりも、強いつながりもどちらも大事なんです。
すごいアイデア➕実現力、
一人の中にそれを同居させている人はスーパーマンですし、
人事の妙は、異なる二つの力を持った人を組み合わせることです。
僕が、
たくさんの弱い繋がりをもっていて、素晴らしいアイデアを次々と生み出す若い起業家に、JCに入るように勧めるのは、そこで、組織を促す絆の作り方を学んで欲しいからだし、
逆にJCでバリバリやってて地元にたくさんの濃密な関係の仲間をもつ泥臭い叩き上げ型経営者には、WEBでの繋がり、海外との繋がりをもっと繋がるように促していくのは、そういう理由です。
ちゃんと理論の後ろ盾があるんです。
ついでに脱線すると、
僕が色んなアドバイスをするとき、
なんでそんなに自信満々な感じでアドバイスできるのですか、
と聞かれることがたまにあるのですが、
それは僕が直感で話しているわけではなく、
理論に思考軸をおいて考えた結果話しているからなんです。(あとは多少の経験と。またその話は今度)
逆に、アドバイスに使えない、思考軸にならないような理論の勉強の仕方なら時間の無駄だからやめたほうがいいです。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」
というのは二宮尊徳の言葉ですが、
インプットなきアウトプットは欺瞞であり、アウトプットなきインプットは、道楽である
と僕は思います。
脱線が過ぎました。
それではみなさま、弱い繋がりも、強い繋がりもフル活用して、
この危機を生き延びましょう。
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ゴールデンウィークに買い込んで積読の本。
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夏までに読みます。