マーケティング・経営戦略的なセミナーをちょこちょこやらせてもらうようになってから、
なぜ弁護士なのに、マーケティングや経営戦略についてのコンサルをするんですか?
というご質問をいただくようになりました。
実はこんなこというと顧客を失うかもしれませんが、
実は僕の紛争解決に対しての基本スタンスは、
金持ち喧嘩せず
なんです。
僕は基本的にお天道さまは何事もよく見てらっしゃるという信念なので、
仕事上のさまざまなトラブルに関しては、
変に小手先のテクニックで、目先の得をしようとせず、
誠心誠意ぶつかって、相手に少し譲ってあげる
ぐらいの姿勢が、結局長い目でみて、その企業の信頼につながり、成長に繋がると思っています。
もちろん、めちゃくちゃ不義理されたり、理不尽な損害を負わされたときは、とことん戦わないといけないですが、
それが過剰反応になってはいけません。
大切なのは紛争予防です。どうしたら喧嘩しなくてすむのか、にら力を注ぐべきなのです。
そして、この、金持ち喧嘩せず、という信念を貫くためには、一つ大事なポイントがあって、
金持ち、でなければなりません。
つまり、会社が儲かってないとどうしようもないのです。
儲かってる会社は些細なトラブルにエネルギーをとられない、
そのエネルギーをさらなる成長のために注ぎ込める
さらに金持ちになる、のグッドスパイラルに入っていくことが重要です。
その意味では僕にとっては、マーケティング・経営戦略の話と、紛争予防の話、紛争処理の話というのは、一直線に繋がっているんです。
運動と、食生活と、病気治療とが一直線に繋がっているのに似ています。
そんなわけでこのブログでは、法律の話よりも、
マーケティングの話を必死にしています。
依頼者の(読者の)成功こそが、僕の成功であって、
近視眼的な紛争解決に拘泥するべきではないから。
とはいえ、法務、経営戦略、マーケティングを含めた、課題解決コンサルタントの価値ってなんじゃろな、というのは常に考えています。
最近思うのは、
「知のブローカー」という立ち位置には意味があるな、ということ。
つながりのない、AとBの間に立って、取引を成立させるのがブローカーなわけですが、
そういう意味では、あらゆる商売の基本はブローキングなわけです。
木の実が豊富にとれる村と、魚が豊富にとれる村の間を行き来して、取引を成立させたのが原始ブローカーでしょう。
ブローカーとしての優秀さというのは
(上の例でいえば)どれだけの種類の村をテリトリーに出来ているか、
にかかってきます。
AとBだけでは成立しない取引も、AとBとCの3点取引にすれば成立するかもしれず、AとDとの取引なら最も儲かるかもしれないからです。
経営学ではストラクチャー・ホール理論と言いますが、そんな難しい話ではないです。
一つの団体に所属している人より、三つの別の団体に所属している人の方が、誰かに誰かを紹介するとき選択肢が広いので、いい紹介をすることができる可能性高いですよね、というだけの話です。
もちろん、これが人の紹介だけでなく、アイデアの紹介、商品の紹介なんでもいいわけです。
そして、知のブローカーであるコンサルタントとしての価値もまさにここにあります。
コンサルタントは、さまざまな異なる業界を横断して、
様々な事例に接して、その中で知の引き出しをつくっていきます。
それをまた全く違う業界での問題解決に応用していく。
知のブローキングです。
もちろん、ブローカーの腕の見せ所というのは、
AとBを繋げるときに、
自分が間に入って取引したほうがいいのか、
直接AとBを繋げて、新しい価値を生み出してもらったほうがいいのか
そこの見極めをうまくやることです。
コンサルタントでいえば、他の業界の知恵をその会社に移してくるのがいいのか、
他の業界の会社とその会社を直でつないで新たな商売をつくるのか、
どんな絵を描くのかで、成果は全く変わってきます。
コンサルタントの本質的価値、ということについて掘り下げて考えてみました。
ストラクチャー・ホール理論についてはこちらをどうぞ。
なんですが、ちょっと高い本なので
このHB Rの中の入山先生の記事がおすすめです!