未だに
「ノーギャラで…」
「練習の場と思っていただいて…」
「楽しくやれたらええやないですか」
の仕事ご依頼があとをたちません。今月だけでもたくさんありました。
私は自分が敬意を払う方や熱い気持ちが伝わる方に対しては、少しでもお力になりたいと思います。お金なんて要らないと思います。
仲間内で意気投合してそのような会を開催する時も多々あります。
ただそれはすべてこちら側の意志で判断する事なんです。強要されてやる事ではない。
前に自分の意志でボランティアで落語をさせて頂いた際、
それを観てくださったスタッフの方が
「今日は本当にありがとうございました。
全力で落語をしてくださったのに何もお渡しできず申し訳ございません」
とその方個人が御礼を渡そうとしてくれた時がありました。そのお気持ちがとても有り難く、今後もこの方の力になりたいと思いました。(勿論受け取らずお返ししました)
額ではなくそういったお気持ちなんです。
たとえば自分の会へゲストの方にご出演いただく際はお客様の人数は問わず、御礼はお渡しします。当然といえば当然なんですが。
会においても、その方がこの会に出て良かった!楽しかった!と少しでも思っていただけるよう努めたいと思うし、そう思っていただけたらとても嬉しいと思います(それはお客様に対しても同じです)。何百万円とかそんな莫大なものはお渡しできないし、完璧になんてできないんですが、できる限りの事はしたいと思います。
それらが自分のために時間を割いてくださった事への感謝であり、敬意と思っています。
大好きな方々、敬意を持っている方々に対して私は「ノーギャラ」を持ちかける事がまず思いつかないのです。というかどんな人に対しても、その方が生業とされているものに対して敬意があるならばその発想は出てこないんです(ご本人の意思なら別です)
だからどうしても私には理解できない。
飲食店に対して
「あなたのお店が好きなのでお客をたくさん呼びますから、無料で料理提供してください!練習の場と思って!」
「何人集まるかわかりませんがあなたのお店が好きなので貸し切り予約します。もし人が集まらなくても材料費や貸し切り料金は出しません。店の宣伝になるからええでしょ?」
なんて言うたらお店は困りますよね?
それと同じです。
私の落語、本当に好いてくださってるんですか…?と思ってしまいます。額なんてどうでもいい、欲しいのは気持ちなんです。その気持ちに私も報いたいと思う。
言えば言うほど「結局金で動くんやろ!」て思われそうですが…。
なんて言うたら一番伝わるんやろう…。本当にもどかしいです。
こういった事を言うと必ず批判のお声もいただきますし、「他の方は快く受けてくれるのに、お金の事を言うてきたのはあなただけです」と言われる事もあります。
落語が好きで落語家になったんなら無料でもなんでも喜んでやるべき!みたいなお声をいただいた事もありました。確かにそれも間違ってません。
でもわかって欲しい気持ちでもあります。
私の了見が狭いんやろうか?
プライドが高いんやろうか?
私は金の亡者なんやろうか?
グルグルグルグル回る自己嫌悪と闘いながら、消化させていくしかない。
たぶんどれも正解で間違いはないんでしょうが…。きっと悪気なくそういったご依頼をされる方もいらっしゃると思います。
お声がけ頂く事自体は非常に嬉しいという気持ちも嘘じゃない。だからこそもどかしい。
私と考えが合わない人も、考えが合う方々と力を合わせればパワーが何倍にもなるしモチベーションも上がる。そこに私がいたら士気が下がる、足手まといになる。
結局はわかり合える人同士、歩み寄りができる者同士で力を合わせるのが一番ええんです。誰も悪くない。
結局は私のような変わってる人間は、一人でやるのが誰にも迷惑かけなくて一番ええような気すらしています(笑)
とにかく自分は、
いただいた仕事・お受けした仕事に対しては絶対に感謝を忘れず、少しでもそこで良い落語ができるよう精進するだけです。
もしこれを読んでご不快に思われた方がいらっしゃったら誠に申し訳ございません。
生意気ながら今月そういったご依頼を何件かお断りしたのですが、その際に自分の意をちゃんとお伝えできなかった方達もいて(お伝えして歩み寄ってくださった方もいました、ありがとうございます)、それが非常に心残りで今回述べさせて頂きました。