R4 事例1で気になる点を洗い出してみます。

 

 

 

以下、1~という風に段落を洗い出します。

 

1.まず、会社概要が書かれています。(大体の問題が概要から始まることが多いです。)

 

A社は、サツマイモと、レタス、トマト、苺、トウモロコシなどを栽培・販売する農業法人(株式会社)である。

→ここで色々具体的に書いている取扱い品目は覚えておくと良いです。現在の状況なので、色々な変遷の中での結果を示すと想像します。

また、何の事業で何をやっているのかもキーになります。

 

次に、(現経営者とその弟が折半出資)、とわざわざ( )でくくられています。経営に弟が参画していることがなんかあるのかなって読みます。

 

従業員数は40名(パート従業員10名を含む)とあるので、

パートの活用も何かあるのかなって気に留め、

 

さらに、水稲農家や転作農家が多い地域である。

→これも、色々な事業変遷があるのかもなって気に留めておきます。

 

2.戦前より、「家族経営」「水稲農家」って書かれています。ファミリービジネスで、「水稲農家」がくりかえされています。

→ここから事業が変わっていくんだろうなって想像します。

 

「69歳の現経営者は、幼い頃から農作業に触れてきた体験を通じて農家の面白さを自覚し、父親からは農業のイロハを叩き込まれた。」

→経営者の経験が書かれています。R5 事例3でも、高級ホテルの経験が経営者の強みになっています。体験や経験が強みなるのかもって想像します。

 

当初、現経営者は「水稲農業」を引き継いだが~・・

で先代経営者から資金面のサポートを受け、1970年代初頭に施設園芸用ハウスを建設して「苺の栽培と販売」を始める。

→1.概要のとおり、案の上、現経営者に引き継がれ、事業が別に変わっていきました。

 

そのあと、苺は糖度が高いことに加え、大粒で形状や色合いが良く人気・・・

→他社と差別化できているんだなって。R5 事例1 「コシの強い手打ち蕎麦でファミリー層に人気」と同じような記載です。

 

県外からの需要に対応するため、ハウスの増設(1棟、2棟)がかかれています。

→R5 蕎麦屋も人気がでて、客数を増設していっています。きっと事業拡大にあわせて、この後、まずいことがなんか起きるんだろうなって想像します。

 

贈答用果物として地元の百貨店を中心に販売され始めた。順調に売上高を拡大・・

→地元の百貨店ということで高単価で差別化されていた(R5事例4のOEMの百観店の直販と似ています。)きっと、このあと、ダメになるのかもなってみます。

 

3.バブル経済崩壊後、贈答用の高級苺の売上高は陰りを見せ始める。

→案の上、苺ではだめだ・・(ニーズが変化し差別化できなくなっちゃった)

 

現経営者は、「作り方にこだわった野菜の栽培」を始めた。

→きっとこれがキーの強みになるんだろう。R5事例1コシの強いそばと同じです。

質を高めていく作戦です。

 

「当時は」限られた人員であったが、現経営者を含め農業経験が豊かな従業員が互いにうまく連携し

→当時の組織的な強みが書かれています。R5事例1 A社の接客、厨房、管理で、お互いにサポートしあうような話と似ています。また、「当時」なので、きっと今後だめなんだろうなって予想します。(強調表現に注意)

 

サツマイモを皮切りに、レタス、トマト、トウモロコシ・・・徐々に広げていった。

→品目を広がって、ドメインが拡散していっています。

R5 事例1 蕎麦以外に、町の食堂的な展開と似ているような気がします。

 

この頃から(1990年代後半)から業務量の増加に伴い、パート従業員を雇用するようになった。

→2.代々の家族経営から、外部から、パート従業員を雇うようになりました。きっとそのことでなんか問題が起きるんだろうなって想像します。

 

ちなみに、「パート従業員」というキーワードで覚えておきたいのは、メリットとして、繁閑の対応が可能、人件費カット可能、賞与、退職金払わなくて済む、デメリットは、帰属意識が低いなどを想像します。(R5 蕎麦屋の事例でも、A社、X社パート従業員を雇っています。A社蕎麦に効率重視で宴会など負荷が多く、パート従業員がやめてしまっています。同様です。)

 

4.バブル経済崩壊後、価格競争の影響を受けるようになった

→きっとドメインを集中し、コアコンピタンスを活かして付加価値をつけて、何か差別化しないといけない展開がくるんだろうなって想像します。

 

その頃、大手流通業に努めていた現経営者の弟が入社した

→1.の現在、折半出資している弟が入ってきました。さらに「大手流通業」と書いてあるのでそのノウハウを使うのかなって想像します。

 

そのあと、現経営者が生産を担い、弟が販売、経営管理を担い、・・・

→役割分担されました。

 

そのあと、新しい収益の柱を模索する・・

「人にやさしく、環境にやさしい農業」というコンセプト

→ビジョンがかかれていて、抽象表現です。他社と差別化するキーワードとして、きっと考え方を活かしていくんだろうなって、深く意識します。

 

有機野菜の販売業者を見つけることができた・・

→R5事例1 同じのれん分けしたX社買収により新たににX社オーナーのつてで、地元産の高品質な原料も仕入れられるようになった卸売業者の事例と似ています。取引業者を持った記載は強みとして大切です。

 

アドバイスをうけて、最終消費者が求める野菜作りを行い、結果、JASとJGAPの認証を受けた。

→R5 事例3 HACCP認証など、このような認証は強みになります。

 

5.洋菓子との共同開発した。A社のサツマイモは、上品な甘さとほくほくとした触感があり人気商品であった。

→事例2 マーケのような記載です。お互いウィンウィンの関係を築きます。しかも、そのあと、百貨店から贈答用、新たな倒産品としての認知度を高めた。

→ブランド化した。事例2みたいな記載です。強みが書かれています。

 

6.業容の拡大し、経営が複雑化してきた。現経営者は職人気質で、仕事は見て盗めタイプ、「また」、パート従業員だけでなく、家族や親族以外の正社員採用も行い従業員数も増加、従業員間で明確な役割分担がされていなかった

→旧態依然で組織体制も整っておらず、暗黙知で形式知化されていない組織だと何か起こるのだろうと想像します。しかも、よく事業を知っている家族でない外部からの採用します。

 

需給調整の問題、作物天候の影響、収穫時期の違い、季節的な繁閑

→事例3の生産体制っぽい問題の記載です。

QCDのような記載がこの後されます。

R5 事例3食材を余らせたり欠品が生じたように、人員の過不足が生じて、不足時にはパートをとりあえず当てます。取引先からは、安定した品質と出荷を求められます。

→R5 事例1 蕎麦屋の事例ならば、新たな需給をつかみ、みんなで、広かれた組織風土で助け合えればいいのにって考えます。

(9段落に直営店オープンさせるので、予想通り、まさにその展開です。)

 

7.従業員の定着が悪く、新規就農者を確保することが難しかった。・・・

→以下、でしょうね。って記載がされています。休日突発対応(農業って性質上)、新参者が溶け込みずらい(俺の背中をみてぬすめ的なオーナーで明確に役割きまってません。)

 

色々ところに声掛けしましたが、人員が定着しませんでしたって書かれています。

→たぶん、整える体制にしていくんだろうなって想像します。

 

8.土地譲渡されて、法人化され、大手中食業者と直接取引する機会を得ます。

→R5 事例3 新たな中堅スーパーXとの協業(C社は惣菜を提供)と似ています。

 

結果、A社への安定的な収益、要求水準は厳しかったものの同社との取引を通じて対応能力を蓄積することができた。

→事例3 受託生産、OEMっぽいです。受託により生産ノウハウの蓄積していきます。(R5 事例3も惣菜、パン、菓子の生産ノウハウを蓄積していきます。)

 

その後、大手中食業者との売上高の依存割合が年々増加していった。

→結果、依存します。そうすると、その後、経営が不安定化するっていう展開になりそうと考えます。おそらく、A社の強みを生かして、別の業者へ販路開拓し、提案営業するっていう展開になると思います。

 

案の上、大手中食業者への対応に忙殺されるあまり、新たな品種の生産が思うようにできていない状況であった。

→既存取引との依存により、新たな販路開拓ができないというよくある展開です。

 

9.直営店や商品加工の分野に展開、5名の生産従事する若手と5名のパート従業員兼任・・・

→直営店を、きっと依存からの脱出の新たな販路開拓としてつかうんだろうって考えます。生産者でなく、直営店っていうのは、顧客ニーズを聞くチャンスです。

あと、兼任が気になります。

→きっと、組織体制を見直しするために、専任化するんでしょう。R5 事例3 営業兼配送になっており、中堅食品スーパーXとの今後の事業拡大により、きっと兼務を外す展開になるのと似ています。

 

自社栽培の新鮮で旬の野菜(トマトやレタスなど)やフルーツを使ったサンドイッチ、惣菜商品、既存の大手中食業者を含めた複数の業者に卸している。

→トマト、レタス、苺など、1.企業概要や、3に書かれていった品種を使った内容が書かれています。ここで、今回は、R5 事例1蕎麦に効率化を高めて、経営集中でなく、様々な品種を使って、強みを生かしていく展開になるとわかります。

しかも、大手中食業者の依存から脱却できそうです。

(尚、依存するとまずいのは、ポーターの5フォースを意識すると良いです。強みを生かして販路を開拓し、取引先と対等な関係を構築するためです。)

 

作り手や栽培方法が見えるかされた商品は、食の安全志向の高まりもあり人気を博している。

→強みが書かれています。R5事例4 基礎化粧品の取り扱っていたD社、健康志向やアンチエイジングが求められているのとなんかに似ている記述です。

 

10.直営店の組織体制の話がかかれています。

後継者の娘の経歴、どういう風に直営店を経営し、どういう風に社員と上手くコミュニケーションをとって、やっていったか書かれています。

→R5 事例1 蕎麦 将来店をもちたい接客リーダーと似ています。

つまり、右腕になるような人(今回は若手従業員の提案を取り込み)を上手く活用している記載がされています。

 

その後、消費者との接点、自社商品に関する、消費者の声の取得。

→組織体制をみなおすことで強みが構築できています。

 

人出不足、兼務従業員だけでは対応厳しい。地域に根差した農業を基盤に据えつつ、新たな分野に調整したい。

→会社の方向性が書かれています。

 兼務を外し、役割の明確化と、よく事例2にある地域の力を生かして(地域貢献もしながら)、新たな事業分野の方向性をさぐります。

 

11.今後、世代交代、娘への事業承継の話どうするって感じで話がおわっています。

 

洗い出し方のイメージは理解いただけましたか。

ただ、ひたすらPCで打っていきました・・

(ちなみにPCに与件を打つだけでも、色々気づきがでてきます。)

ちなみに、解説みて書いてません。慣れてくるとざっと抽出できるようになります。

長くなったので、次回、設問をみていきます。