診断士にとって、2次論述試験を突破するのがかなり厳しいと言われています。
その理由は、解答と加点内容が明示されず、1次試験の学科を突破した受験者から、相対評価によっておよそ20%弱に合格者が絞り込まれるからです。
自身、今年論述試験に突破し、口述試験対策を行うにあたり、気づいたことがありますので記載します。
(結構、核心をついた内容で、エッセンスだと思います。おそらく、伝わっていればかなり勉強されている方だと思います。)
1.受験校の回答(解説)は必ずしもそればかりとは限らない。
今回のR5年の場合は、事例2では、最終問題で、インターネットを使って関係性強化するには、誰にどうするという話でした。
TACでは、少年野球チームの『監督』に限定し、それ以外はあり得ない。と三好講師は解説動画解説で言っていました。
事例3でも、今後の新規事業計画について、妥当かどうか、「留意する点はあるのか、で妥当以外に回答はない。」と言っていました。(TAC三好講師)
ちなみにLEC立花講師は、両方あるかもと言っていました。
事例3について、効率化する手段について、手作業で汎用器具で作業しているのを、機械導入し、自動化するのは、まちがいだといっていました。場所をとってそんなのいれたらC社の強みの汎用的な対応ができないだろうといっていました。(TAC高久講師・LEC解説)
ただ、大原は自動化も書かれていました。
実態はどうあれ、現実的には広く点数を加点されていると想定されます。(そうでなければ自身受かっているはずがないので)
ちなみに事例4の経営指標もゆるくとってあります。
OEMで悪化している指標で、「有形固定資産回転率はありえない」と遠藤塾の遠藤講師はいいそうですが(事例4 財務コース)、たぶん、加点されます。(そうでなければ自身が突破しているはずがないので)
2.実態と与件で異なることがある。
事例1の手打ちそばやの事例で、元々配達を行っていたという設定ですが、これは現実的にはありえないとのこと。
(元蕎麦屋経営者のTAC高久講師が言っていました。)
硬くくっついてしまいおいしくない。と、、。
試験委員は実態を知らない人だといっていましたが、おそらく実態を知らないのと、知ってても試験用にアレンジしているのが想定されます。
ではどうやったら出題者が求める解答に近づけるのかですが、
1.会社の進むべき方向性を意識すること。
SWOTを通じて、「強みと機会は活かし、弱みは補い、脅威は避ける」という作戦をよく頭にいれて問題を解くこと。
LECが繰り返し指導します。
与件をよくよむと、SWOTがかかれています。
設問ごとに、構造がみえると、何の話をどこに盛り込むか分かってきます。
あわせて、設問が、戦略的な話を問われているのか、事例ごとの個別具体的な話を聞かれているのかも見ながら解答していく必要があります。
2.与件をよむときには、具体的と抽象的な表現を意識すること。
具体的な記載があって、抽象的な表現でまとめられています。記述するには、文字数を意識しながら、具体的な表現をもりこみ、ようは何を言いたい(抽象的な表現)を盛り込むこと。
(どうなったの?差別化する。高付加価値化するのか。など、どうなる(効果)をきちんと盛り込むこと)
の本がおすすめです。
この思考があると、あることがわかってきます。
与件をよむと、抽象的な表現と具体的な表現が分けて見えてきます。
また、解答についても、その表現をうまくつかって、
①〇〇し、〇〇する。
具体的なことから、抽象的な表現(汎用的などうなる)をかく。
②〇〇するため、〇〇する。
抽象的な表現(汎用的なことを先にかき、具体的なことw各)
と書けるようになります。
どちらで書いても良いですが、①の方がすっきりし、書きやすいです。
3.主語、接続詞、時制、強調表現に注意すること。
主語:だれの話?、接続詞:「また」ならば、前後の話がつながっている、時制:いつの話?、強調表現:わざわざ繰り返されている表現、尚やとりわけなど、カットされていても通じるのにわざわざ書かれている表現に注意。
口述対策で、何度も各事例の与件を読んでわかってきましたが、結構、あちこちに、関連の記載内容がちりばめてあります。
わかりやすいのは、
たとえば、「〇〇が増加した・・・」と、結果が書いてあって、そのあとの文章で、理由が記載されていることがあります。(なぜならば、とか、接続詞がはしょられています。)
時制については、時系列で記載するのでなく、あえてぐちゃぐちゃに与件にちりばめて、同じところをつなぐと、同様の表現をしているなども見えてきます。。(事例1~事例3)
4.受験校の過去問の解答を集め、考え方を広く収集すること。
今回、解答みてわかりましたが、TAC、LECなど、「これしかありえない」など、偏った解答(決めつけのような解答)が書かれているところがあります。
LEC大庭講師の事例3の解説などが良い例です。
それも点数になるのかもしれませんが、妥当性がある汎用的な回答を、与件を読んだ人が、「普通はそう思うよなって感じるような解答を素直に書く。」というのが良いと思います。
下手に細かいところまで深読みする必要はないです。TACの解説は深読みしすぎる傾向にあります。
解答に際しては、複雑な構文で書かずに、「今後の対応は、①〇〇して、~する。、また、②〇〇して~、~する。以上を通じて、〇〇を進める(効果)」みたいに、分かり易くシンプルに書くのが大切と思います。
なお、漢字間違いもですが、ひらがなで書いても、大きな減点にはなりません。文字数が枠から1文字オーバーしても、記載内容の加点はしてくれていると思います。
(そうでなかったら受かっていないからです。)
80分の試験で、きれいな解答はできないです。
他の受験生より、一歩、与件を感じて核心にふれた解答をされていることが大切です。
(ちなみに、予備校の練習問題よりも、過去問の方が精度が高いです。予備校で模擬テストの点数がつねにC・D判定でも本番で突破したので、あんまり当てにはならない可能性もあります。)
5.事例4は、みんなが取れるところを固めること。
確実に落としてはいけないところがとく。企業分析や、コメントを書くところなど。コメントも、会社の方向性を考えれば、中身の計算がとけてなくても、なんとなくあたりをつけてかけてしまいます。
そのコメントも広くとって、加点されていると思います。
6.過去の与件の読み込み
これは現在進行形です。
80分で解答する試験なので、いかに短時間であたりをつけて、キーエッセンスをひろって、設問の解答に盛り込んでいくかが大切です。
そのためには、過去問の読み込みを何度もして、上記に記載した内容を何度も訓練することで、少しずつポイントを拾うのが早くなってくると考えます。ただ、100%はわからず、抽象的な聞かれ方だと、何を設問が求めているのか、よくわからないことがあります。
そこは、他の受験者も同じで、ただ、その中で、「会社の方向性と、その会社に合った提案をいかにするか。」過去問のパターンは、選択肢にいれつつも、妥当性が高そうな解答を考えて落としていくことが、出題者の欲しい解答なのかもしれないです。(LEC 立花・後藤講師より)
以上、ご参考になればです。
自身、2次口述大失敗したので、来年も、論述からやりなおしかもしれません。一緒にがんばりましょう。