貞彦452話  『不審物を見つける』

 

 

3月。
貞彦さん側には金額を
はっきりと示した書面が
そろそろ届いている頃で、

後はその返答を待つのみ

となり、保育園では新年度の
役員決めが行われ、私は

流れのままに役員となる。

在園中に1回は役員を
やらなくてはいけない
というルールで、ぷう助は
途中から入園して昨年は
役員希望者が多く、
自然と最後の年に役員を
やることになった。

最後の年は卒園関係の
取り決めが多く、役員の
仕事は大変だという。

だけど、なるように
なっていくものだと
思い、他に大きな出来事も
なく春の心地い陽気で
気分よく洗濯物を干して
いた朝、ベランダに
古い月刊誌が半分だけ
黒い燃えかすになって

いるものが落ちていた。

びっくりしながら
よく見ても、やっぱり
燃えかけた男性むけの
月刊誌で、こういう時は
どうしたらいいのか
混乱しながら、意味もなく
1度室内に入り早歩きで
うろうろする。

いたずらな放火だろうか…
もしかして私個人に恨みを
持つ人がいるとか…
と思った時、貞彦さんの顔が
浮かんだけど、貞彦さんは
こんなことをする人では
無いというのを、私が
1番よく知っている。

貞彦さんが何かやる時は
合法的な嫌がらせか、疑われて
も言い逃れできるような事
をやるから、いたずらに
こんなことはしない。

そう思うと本当に放火なのか、
どこからか風で飛んできただけ
なのかもわからず、アパートを
管理している不動産へ電話を
してみると、担当者がお休み
でよくわからないから警察へ
電話をするようにと言われた。

もし不審火といわれる
ものだったら危ないし、
すぐ警察へ電話を
してみる。

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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バナーの絵は、漫画家さんが
描いてくださった下絵です。
私が子供を望み、貞彦さんと
幸せな未来を思い描いている
シーンです。

漫画家さんと繋いでくださった

株式会社パルソラ様の提供です。

【お気に入りの紹介です】

ブログでご紹介している

『ねこはるすばん』を描いている

町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

溺れてしまいそうな

毎日を生きている人に

救いの手が差し出され

ますように。