貞彦451話 『裁判の終わり方』

 

 

最後の打ち合わせを

するために、ずっと

通い続けた法律事務所へ

行く電車の中では、

久しぶりに緊張した。

事務所へ着き、個室で
先生が来るのを待って
いると、四条先生のほかに
お世話になった弁護士さんも
一緒に部屋へ来る。

「今日は養育費と財産分与の
 打ち合わせということで、
 2人にも参加してもらった
 ほうがいいかなと思いまして、
 いいですか?」

そういわれ、とても嬉しい

ことだったから承諾をした。

 

2人の男性弁護士さんは
裁判所へ行く時に、四条先生と

共に付き添ってくれた先生で、
たくさんおしゃべりをして
いる。

 

その先生がなぜ打ち合わせ
に参加してくれたのかは、
なんとなくわかった。

40代くらいの弁護士さんは、

民間企業で長い間勤めながら

弁護士さんになった先生で、

企業の内情に詳しく、仕事が
人生のすべてである
貞彦さんの発言を予測
するのが上手だった。

もう1人の男性弁護士さんは、
私が調停を始める時に事務所へ
入社している若い先生で、
物腰柔らかく勉強熱心な先生。

今回の打ち合わせは
貞彦さんの発言を予測
するのが上手な弁護士さんが
主動のようで


「養育費、財産分与は
 いらないということで、
 されどもらえるのに
 最初からいらないという
 のはもったいない話
 なので、離婚を1番にして
 もらえるぶんはしっかり
 もらうという方向で
 いいですか?」

「はい」

「ではまず、相手方は両方
 とも一切払わないと
 いっていますが、こちらから
 一般的な財産分与と養育費の
 額を請求しましょう。

 そうすると、おそらく
 相手方だって弁護士が
 ついていて何も払わないで
 終われるなんて思っては
 いないはずなので、
 こちらの提示より
 まぁまぁな減額をして
 提示してくると思います。

 その返答がきたらすぐ
 同意して離婚にしましょう。

 ただ、相手方はあまり離婚を
 するきがなさそうなので、
 離婚は成立しても、その後に
 もしかしたらまた訴訟のような
 ことをいってくる可能性が

 ないとはいいきれませんが、

 そのことに関しては
 離婚を先延ばしにしたところで、
 あまり関係ないような気が
 しますので、その時は
 その時で考えるというふうに
 したほうがいい思います」

「もし貞彦さんが一切
 払わないといってき場合、 
 どうするのですか?」

「まー、それは困りますが
 おそらくそうならないのでは
 ないかと思ってます。

 貞彦さんが今までやってきた
 やりとりを見ていると、
 サラリーマンのお手本に
 なるような見事なといいますか、
 そんな交渉をしてくるので、
 この感じであれば進むはずです」


そんな話をしながら雑談で

盛り上がったとは、四条

先生から離婚が決定した後に
どういう手続きをして
完全に終わらせるかという
説明を聞き、打ち合わせは
終わった。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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バナーの絵は、漫画家さんが
描いてくださった下絵です。
私が子供を望み、貞彦さんと
幸せな未来を思い描いている
シーンです。

漫画家さんと繋いでくださった

株式会社パルソラ様の提供です。

【お気に入りの紹介です】

ブログでご紹介している

『ねこはるすばん』を描いている

町田尚子さんの絵本です。

 

ずっとネコヅメのよるをご紹介

したかったのですが、楽天で

確認すると、いつ入荷されるか

わからず、ご紹介できる日を

待っていました。

 

道を歩いていると、たまに

今日はよく猫を見かけるな…

という日があるのですが、

この絵本を読んだ時、

道を歩く猫たちのひみつを

知ったような気持ちになり

ました。

ねこたちが大好きな、ある夜の

お話です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

DV、モラハラにあっている

人が週末、少しでも嫌な

思いが減りますように。

 

大事なものを守ろうと、

倒れそうになっていること

にも気が付かずに頑張って

いる人が、必ず報われる

未来になりますように。