貞彦441話 『詰めの甘さ』
ぷう助は好きなジュースを
自由にのめるドリンクバーに
心惹かれ楽しんでいて、
私はおなかもいっぱいになり
やっと落ち着いて調査官
調査を振り返る。
振り返り1番最初に出てくる
言葉は「とにかく長かった」で、
事前にこれでもかという
ほど調査官調査のことは
調べていたけど、そのなかで
も群を抜いて長い。
それは、私に虐待の疑いが
あったからだと思う。
貞彦さんは調停の時から
一貫して私がぷう助を虐待
していると訴え続け、その
内容も詳細にいっている。
自宅訪問の前に行われる
双方への事前調査でも
強く訴えているはずだから、
そう思うと調査の長さも
しかたのないものとして
納得できた。
そんなことを考え始めた
ところで、またぷう助がドリンク
バーでジュースを選びたい
といい、飲みすぎてお腹を
壊さないといいなと思いながら
付き添い、頭の中には桜の丘が
浮かぶ。
あの時、急いで山を下り
なくてはいけないと思って
いた私は、おんぶしていた
ぷう助が下りたがっていた
けど、背中の乗り心地が
悪いからだと思い強い口調で
注意して、ぷう助を下ろさずに
進んだけど本当は違っていた。
私の足にぷう助のほうが
気が付いていたなんて、その
話をふすま越しに聴いた時は
涙がでた。
でも感情を乱すことは
調査官調査に
「母親が情緒不安定」
と悪くとらえられる可能性も
あるから、なるべく考えない
ようにしていたけど、今、
目の前でにこにことジュースを
飲んでいるぷう助を見ると
あらためて涙がでる。
本当によく頑張って自分の
考えを伝えていたと思う。
私はここまではっきり
ぷう助が自分のことを
話すとは思っていなくて、
これは多種多様な考えを
もつ人たちとコミュニ
ケーションをとり、そこから
自分の意見をいっていいと
いうことを体感したのでは
ないかと思う。
他にも、地域活動の
参加や実家で兄たちと
接していた事は、大人と
話すことに慣れていて
よい結果に繋がったのでは
ないかと思い、そうなると
すべては日々の積み重ねが
いかに大切かということになる。
教育は、日々の小さすぎる
些細なことの積み重ねで、
数年後に結果が目に見えたり
見えなかったりしていく
ようなものなのかもしれない。
そして私の中でも、調査官
調査は対応のミスもなく
やりきったと思ったところで、
最後に調査官から聞かれた
「かたつむりの絵」で
失態をしてしまったことに
気が付き後悔が押し寄せて
くる。
調査官に何の絵かを
聞かれた時、私は疲れと
緊張感がなくなってしまい
「かたつむり」
としか返答をしなかったけど、
「かたつむりの赤ちゃん」
というべきだった。
だからあの時、調査官が
不自然に絵をじっと見て
いたんだということに
記憶がつながる。
調査報告書に大きな
影響はないというのは
わかるけど、最後の
最後で詰めの甘さがでる
自分に反省だった。
↓かたつむりの絵を描いた時のお話です。
☆後々、調査報告書で
かたつむりの絵は
よい結果になりました。
☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の
お話です。
現在は離婚して平穏に暮らしています。
☆個人の特定につながらないよう
一部の表現をかえています。
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【お気に入りの紹介です】
パン屋さんをやっている
からすの夫婦に、可愛い4羽の
赤ちゃんが産まれたという
ところからパン屋さんと家族の
お話が始まります。
育児に大忙しでいると、パンを
買いに来てくれるお客さんは
減ってしまい、売れ残った
パンは子供たちのおやつに
なり、それがきっかけで色々な
パンが焼けていきます。
主役である、からすの家族以外にも
たくさんのからすが登場して、
それぞれの表情や年齢を想像
することができます。
各ページに書いてある文の長さは
絵本を聴くことに慣れていない
子には長く感じるかなと思います。
けれど最初からすべての文章を
読んであげなくても、
長い文章の本は、聴いていられる
くらいの長さに調整して
読むこともできます。
このカラスのパンやさんも、2歳の
ぷう助に読んでいたころは、
『森にカラスのパンやさんがありました』
(次のページ)
『カラスの赤ちゃんがうまれました』
(次のページ)
『お父さんとお母さんはおおいそがしです』
こんな感じでそのページの要点を
短い言葉で読んであげ、成長と共に
文章を増やしていきました。
ぜひ、どのパンがいいかな、
何個買おうかなと想像して楽しんで
みてください。
最後の最後までお読み
頂きありがとうございます。
なんとか今日を生きている
人に優しい明日が来ますように。