貞彦439話  『室内の調査』

 

 

私は調査官からぷう助が
話した事を詳しく聞かれた。


「バスの玩具を壊した
 というのはどういう
 ことなんですか?」

「ぷう助が愚図った時に
 夫が「うるさいっ!」
 といってバスを蹴り飛ばした
 時のことです」

「あと、お花見には実際
 いっているんですか?」

「はい、ぷう助のいっていた
 事は何一つ間違いありません。
 すべて事実です」

「えっ!?山に置いていかれた
 というのはどういう?」

「山奥に桜が綺麗なところがあり
 そこへいったのですが、夫が
 怒り帰りの車からぷう助を
 下ろしたので、私も下りたら
 車は去っていきました。

 携帯電話のはいっているバッグ
 も車に置いたままで、他に人や
 車もなく歩いて山を下りるしか
 なかったんです」

「えっ…。それで
 怪我というのは本当
 なんですか?
 なぜ怪我を?」

「靴擦れのひどくなった
 ものです。
 
 テニスボールくらいの
 水ぶくれが破裂して皮が
 むけていた状態です」

「それで山をおりられるんですか?」

「必死だったので気が付いたのは
 後の事です」


その他にもぷう助が

夫から何をされたかや、

その時のぷう助は
どのような状態だったかを
詳しくきかれ、時間は
2時間を越えていた。

そして一通りの説明が
おわり、2時間もたっている
からそろそろ終わりかなと
思っていたら、次は
室内のチェックになる。


「お風呂場を案内して
 ください」

「はい、こちらになります」

「このお風呂はどういった…
 その、使い方なんですが?」

「バランス釜といって追い炊き
 のお風呂です。
 そこのレバーを回してガスを
 つけてからお湯を温める
 仕組みになっています」

「初めてみました。
 あれはぷうすけくんの
 おもちゃですね。
 次はトイレを見せてください」


トイレへ案内すると、
汚れを隅々までチェック
してトイレットペーパー
まで見られた時には、
紙質まで聞かれるのかと
思ってしまうほど細かく
見られる。

その後は寝室へ案内して、
どの布団で寝ているかを聞かれ、
押入れの中も隅々までみた
後に天袋も見せて欲しい
と言われる。

天袋には引っ越し業者の
ダンボールをそのまま
入れていて、中に入って
いるものも問われた。

想像以上に調査官は
室内をチェックして

驚いたけど、万が一

のために母を監督に

呼び徹底した掃除
をしていて本当に
よかったと思いながら
案内を続ける。

ベランダの窓もあけて
外に置いてある洗濯機も
確認した後は、キッチンへ
行き賃貸物件をみるかの

調査は続く。


「ここが料理をしている
 キッチンですね?
 シンクも綺麗に使われて
 ますね。
 
 引き出しも開けてもらって
 良いですか?」

「はい、
 ここが包丁で、こっちの
 引き出しが乾物類のわかめ、
 ひじき、切り干し大根、ゴマ、
 あとはツナ缶、トマト缶に
 なっています。

 こっちの引き出しは、私が
 具合が悪くなった時や災害時
 ように買い置きしてある
 レトルトのミートソース、
 カレー、水を入れると食べられる
 ご飯になります。

 その下の段はタッパー類、
 こっちの下にはお米です」

「その、たくさんある缶は
 なんですか?」

「これは災害時用の長期
 保存ができるパンです」

「随分たくさんありますね?
 なにか理由が?」

「災害時に大人は
 味を二の次にして体の
 エネルギーになる物を
 食べることができますが、
 子供はその辺を理解できない
 ので、味のいい保存食を
 用意しています」

「そうですか。冷蔵庫の
 の中も見せてください」


私はこんなに室内を
人に見られたことはなく、
心の中でもう1度
『お母さんありがとう~』
と感謝しながら冷蔵庫を開ける。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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パン屋さんをやっている
からすの夫婦に、可愛い4羽の
赤ちゃんが産まれたという
ところからパン屋さんと家族の
お話が始まります。

育児に大忙しでいると、パンを
買いに来てくれるお客さんは
減ってしまい、売れ残った
パンは子供たちのおやつに
なり、それがきっかけで色々な
パンが焼けていきます。

主役である、からすの家族以外にも
たくさんのからすが登場して、
それぞれの表情や年齢を想像
することができます。

各ページに書いてある文の長さは
絵本を聴くことに慣れていない
子には長く感じるかなと思います。

けれど最初からすべての文章を
読んであげなくても、
長い文章の本は、聴いていられる
くらいの長さに調整して
読むこともできます。

このカラスのパンやさんも、2歳の
ぷう助に読んでいたころは、
『森にカラスのパンやさんがありました』
(次のページ)
『カラスの赤ちゃんがうまれました』
(次のページ)
『お父さんとお母さんはおおいそがしです』
こんな感じでそのページの要点を
短い言葉で読んであげ、成長と共に
文章を増やしていきました。


ぜひ、どのパンがいいかな、
何個買おうかなと想像して楽しんで
みてください。

 

 

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

 

悲しみの渦に飲み込まれて

しまいそうな人が希望を

見つけられる明日に

なりますように。

一歩を踏み出せる明日に

なりますように。