貞彦335話  『親友の旦那さんに協力してもらう』

 

 

メールをだした夜、サバ子が
アパートに来てくれた。

ぷう助と遊んでくれた
おかげで、その間に私は
洗濯や食器の片づけを
済ましぷう助が寝静まった後、

サバ子が買ってきていた

ビールをいつのまにかうちの
冷蔵庫で冷やしていて、
それを取り出し私が笑った
ところで裁判の話が始まる。


「ねぇ、長すぎじゃない?
 ここまで貞ちゃんがねちっこい
 やつだとは思わなかったよ」

「調停も裁判も想像がほとんど
 つかない世界だったけど、
 長くなったね」
 
 「書類はうちの旦那の事も書いて
 いいよ。
 もしうちの店に乗り込んで

 きたら、ガチバトルしながら

 動画とって後で送ってあげる、
 あははははは」

「ありがとう、旦那さんにまで
 協力してもらってごめんね」


ぷう助の事を面倒見てくれる人は
1人でも多く書きたいところ
だけど、貞彦さんも目にする
書面に実名で職種や細かい
情報を出すことは、とんでもない
迷惑をかけてしまう事にも
なりかねないから、サバ子へ
お願いするのも悩むところ
だった。

そんなリスクがあるにも
かかわらず旦那さんまで
協力してくれるなんて、
どうやってこの恩を返そうか
と思う。


「そのかわりにお願いがあるの。

 いつか仕事を引退して

 頭がしっかりしている

 うちに、誰かにお願い

 しようと思っていたんだけど、

 老後は早めに夫婦で有料老

 人ホームか老人系の病院で
 最後をすごす予定なの。
 でもさ同意書とか身元引受人が
 必要になるでしょ。
 
 だから後始末してくれる人
 を探してたの。
 
 介護なんて希望してないから
 書類のことをやって、私たちが
 死んだら後始末してくれれば
 残りの遺産全部あげるって
 ことにしようと思って。
 
 ぷう助ならここで恩を

 かしておけば、いつか
 私たちの面倒な事務手続き
 してくれるでしょっていう
 っていう交換条件。
 遺産は全部あげるよ」


夫婦2人の人生を楽しんでいる
サバ子夫婦らしい考え方。

私はもし自分に万が一の
ことがあったら、
ぷう助を養子縁組して
育ててくれないかと
頼んでみると、普通に
笑って引き受けてくれた。


「今から知っている子供たちには

 お小遣いいっぱいあげて恩をたくさん

 つくっておくんだ。で、
 『サバ子がおばばになって困った時は

 助けにくること』
 って教育しておくの。

 

 まぁみもちゃんとぷう助に私を助けるよう

 いっておきなさいよ」


ぷう助にもサバ子がどれだけ

助けてくれたかは伝えるけど、

その前に今度は私が全力で

サバ子を助けにいくよと

思った夜だった。

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

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バナーの絵は、漫画家さんが
描いてくださった下絵です。
私が子供を望み、貞彦さんと
幸せな未来を思い描いている
シーンです。

下絵は漫画家さんと繋いでくださった
株式会社パルソラ様の提供です。

 

【お気に入りの紹介です】

 

猫好きな大人にもぜひ読んで

いただきたい1冊です。

留守番中の猫がどんなことをして、

何を思っているのかが可愛いお話

になっています。

 

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

頑張っている人に素敵な

ことが起こる明日に

なりますように。