貞彦299話  『調停で入院の報告』

 

 

朝の電車は通勤する人達で
混みあい、そのおかげで
眠くならず、前回と同様に

駅から四条先生ともう1人

同じ事務所の男性弁護士さん

と共に裁判所へいく。

遠回りして行く裁判所
までの道のりで、ぷう助の
ことを報告しながら、
貞彦さん側にはぷう助の
入院をどの程度伝えるか
を話し合い、そろそろ

調査官調査も始まって

いくという。

いつもだったら数日前
から不安と緊張だらけで
行く調停だけど、頭の中は

ぷう助と生活費の計算で

埋め尽くされていて、

初めて緊張を感じないで

裁判所へ入る。

控室へ行くと、今回は

先に調停員が呼びに

きてくれて、最初に

調停員と四条先生が

話し合い、婚姻費用が

審判で決まることや、

提出している資料のこと

などで確認をしていた。

 

そして、親権についての

話し合いが始まり、私から

「ぷう助は現在、風邪を
 こじらせて入院しています。

 まだ退院の日は
 決まっていません。

 退院後も、しばらくの

 間は安静に過ごす必要が

 あるので、親のもめごとに

 巻き込むのは、完全に回復して
 からにしてほしいと思って

 います」


そう伝えると、調停員には
どういう経緯でぷう助が
入院になったのかという
事と現在の様子、また
どのようになれば退院が
できるのかという事を
詳細に聞かれた。

私が話し終わると
次に四条先生が調停員に、
入院の事で貞彦さんに
伝えないでほしい内容の
確認をしてから、貞彦さん側
と入れ替わる。

ぷう助の話が貞彦さん
の耳に入ったら、ここぞ
とばかりに責めてくるのは
目に見えている。

けれど、これから
始まってしまうで
あろう調査官調査に、
体調が万全ではない
ぷう助を付き合わせ
ないためにも、入院の

ことを話して調査官調査は

ぷう助が回復するまで

遅らせてほしい。

控室の時計を見ながら、
また長く待たされて
その挙句に、ぷう助が

病気になったのは

私のせいだという
ようなことをいって
くるんだろうなと
思った。

 

けれど、予想より

早く調停員が迎えに

来て、個室で貞彦さん
側の反応を聞く。


「旦那さんは、一緒に
 暮らしていたころ、
 風邪をひいてもぷう助君
 にそんな症状はなかったと
 いっている。
 

 今すぐにでもまぁみさんと

 ぷう助くんをひきはなさない

 と本当に、その、殺されて

 しまうとも。

 誰がそうなった時に責任を

 とれるのかと強く訴えて

 いるのね。

 

 それで旦那さんが別の

 病院を探すといっている

 けど、ぷう助君が入院して

 いる病院はえーっと…」

「●●大学付属病院です」

「うん、それで、だから
 ちゃんと治療できる病院
 であることは伝えたけど
 納得していなくて…
 え~っと、どうしましょうか」


と、調停員が助けを
求めるような形で
四条先生を見る。


「ぷう助くんの回復を
 待つしかないと思います。
 
 それと先ほどもお願い
 したのですが、くれぐれも
 入院している病院名や
 大学病院であるという
 ことも伏せて下さい」


調停員が間違えて
話してしまわない
よう再度確認をすると
調停員もうなずく。

そして、次回は調査官が
が同席するという事で、

話し合いの途中みたいな

感じで調停が終わった。

私は貞彦さんより先に

終わって帰れることに

なり、早歩きで駅を目指し

病院へ向かう。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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最後の最後まで読んで頂き

ありがとうございます。

 

今日耐えたがんばりが

明日の希望に繋がります

ように。

いいことがいっぱい

訪れる明日になりますように。