貞彦282話  『調停の風向きが変わる』

 

 

調停委員から教えて
もらった、貞彦さんが
携帯電話に入れている
というぷう助の写真は、
背景が芝生の公園みたい
なところで、ぷう助は
無邪気に笑っている
顔だったという。

そして片手におにぎりを
もっていたというのを
聞いた瞬間、その写真は
私が貞彦さんに送った
ものだという事に気が付き、
自分のバカさに後悔する。

私はぷう助が2歳になる前、
心は離婚へ向かっていた
けど、ぷう助と遊んでいる
時に撮った写メがとても
可愛く撮れていて、こん
なに可愛いんだから
貞彦さんにも見せて
あげようと思い送って
いた。

今思えば、なんで
こんなことをしたんだ
ろうと悔やむこと
ばかり。

あの時、心のどこか
でまだ貞彦さんに、
ほんの少しでもいいから
ぷう助を可愛いと思って
もらいたくて、無視される
のはわかっていながらも
送っていた。

ここで四条先生が話始める。


「貞彦さんは子育てを
 一切していないことから、
 子供が急な体調不良を
 おこしてもその変化に気が
 付きません。

 まだ3歳という年齢では、
 自分で正確に訴える
 こともむずかしいので、
 2人で会うことは危険です」


「…そうね、うん。
 では面会拒否を伝えましょう」


ここで貞彦さん側に
伝えるため、私たちは
退室となった。

また長く待たされるん
だろうなと思っていたら、
15分程度ですぐ調停員が
来て、何があったのかと
気になりながら個室へ入ると


「ぷう助くんはアレルギーが
 あるんですね。
 旦那さんは、とても詳しく
 説明してくれましたよ」

「……、いいえ」

「えっ、でも大豆製品を
 食べたらじんましんが
 でたといっていたわよ。

 病院へ運び込んで
 大騒ぎで生きた心地が
 しないほど心配したって」


ここでまた四条先生が、
提出した資料の中に
入れている主治医が
書いたカルテの
コピーを見るよう
調停員にいってくれた。

そこには、アレルギーや
持病はないという記載
があった。

それを見た調停委員は
再度、貞彦さん側に
確認するということで、
また私たちはすぐ待合室へ
戻ることになり、今度は
10分もたたないうちに
調停員がきて、慌ただ
しく移動する。


「確認をしてみたのですが、
 最初にぷう助くんが
 味噌や醤油を使えるか
 聞いてみた所、旦那さんは
 普通に使っていたと
 答えました。

 大豆製品にアレルギーが
 あるのにそういったものを
 使えるというのは、ちょっと
 話がねぇ…。

 それで、カルテの事を
 教えると
 『妻に嘘を教えられた。
  そうやって妻は自分の虐待
  を隠すために、嘘の
  情報を教えてぷう助を
  私から遠ざけようとして
  いた』
 といっているけど
 う~ん。
 ちょっと、ずいぶん話が…ね。

 旦那さんはぷう助くんと
 一緒にご飯を食べたことが
 なかったのかしら」

「食べていません」

「そうよね、一緒に食べて
 いたらこのくらい
 わかるはず」


調停委員の風向きが
180度変わったという
のがはっきり分かり、
2回目の調停が
終わった。

次回の調停は、連休など
もあり2ヶ月後になるという。

さほど大きなやり取りを
したような気はしないけど、
やっぱり疲れたなと
思いながら廊下を歩き、
裁判所の外へでると
空気が爽快に感じる。

ほっとしながら
四条先生と駅へ
向かっている途中、
先生から保健所の記録は
まだ来ないのかという
ことを聞かれた。

私はすっかり忘れていたけど、
家を出る前に保健所へ
記録の開示請求をしていた
のに何ヶ月も連絡がない。

私のことを保健師さんが
書いていた記録があるはず
で、調停に使える部分が
あるかもしれないから
連絡はしていたのだけど、
帰宅してから電話して
みることにした。
 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が

主流の時のお話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

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最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

明日は国同士の争いで

誰も命を落としませんように。