貞彦230話 『神様へ』
引っ越し作業が予想より
さらに早く終わることがわかり、
タクシー会社へ電話をすると
近所だから2分でうちへ来てくれる
と言ってもらい、保育園にも連絡をする。
16時14分。
すべての荷物が積み込まれた。
そのトラックの後ろに次々と
同じトラックが作業員を迎えに
来て、最後に荷物を積んだ
トラックが出発した。
そして私もすぐ来てくれた
タクシーへ乗り、最後に周囲を
確認してみたけど貞彦さんの姿や
女性がいる気配もなく、覆面パトカーも
いない様子で保育園へ向かってもらう。
鉢合せすることなく荷物を
運び出せたことは１つの山を
越えたような気持ちにはなるけど、
朝の出来事からすれば無事に
転居先へ着くまでは何が起こるのか
わからないから、安心はできない。
でも現場の作業員は名前を
きくこともできなかったけど、
会社のミスとはいえ上から
いきなり指示されたであろう
特別な現場で、素人にはできない
完璧な身動きをして尽くしてくれた。
応援に来てくれた作業員には、
お礼を言うこともできなまま
終わってしまったことが心残りに
思っているところで、タクシーが
赤信号で止まる。
信号が青になって左折をしたら、
2度と結婚してからずっと
暮らしてきて家を見ることは
ないんだと思ったら、急に
切なくなってきた。
ここで最後に振り返って家を
見たら、もっと名残惜しくなり
辛いのだろうか、それとも
見たほうが後で後悔しないで
済むのかなと考えているうちに
信号が青に変わり、タクシーが
動きだす。
気持ちははっきりと決まら
なかったけど、新婚当初
から暮らしてきた家なんだから
見ようと思い振り返ると、いつも
見ていたあたり前の我が家で、
玄関横にはオリーブの木が
お世話もしていなかったのに
大きく成長しているなと
思っていると傘をさした
１人の女性が立っていた。
手編みのようなのストールを
巻き、ハンドタオルで目元を
拭いている女性の顔を見てみると、
頑丈目さんで、目がはっきり合い
息をのむような驚きで声も
でないまま、私はとっさに
さよならの合図をしようと右手
を上げかけたところで、タクシーは
左折してスピードを上げ
保育園へ急ぐ。
こみ上げてくる嗚咽が、口をハンド
タオルで塞いでも漏れてしまい、
運転手さんの迷惑にならない
ようにしよう意識しても無理だった。
引っ越しが始まる時間は、
頑丈目さんが家の前を通り
夕方前の買い物へ行く時間
ということを思い出した時、
警察が見た女性は頑丈目さん
だったのではないかと気づく。
そう思えば思うほど支援に来て
くれた時の事や、突然スーパーで
声をかけてくれてDV相談センター
の連絡先を教えてくれた時の事が、
アルバムを見るかのようにでてきて
ハンドタオルでは足りないほど
涙が溢れてくる。
『ありがとう』と伝えられないという
のは、なんて苦しいのだろうと思う。
苦しすぎて、いつもは思い浮か
べない神様を想う。
私は子供の頃によくわからない
頭痛を発症してから、みんなと
同じような希望の進路や夢を諦め
ていたから、その時から幸運な
事があってもその分悪い事も
起こるのだから、いい時だけ神様に
感謝なんてしないと頑なに決めて、
手を合わせ感謝するのはご先祖様
だけだった。
だけど、今だけはどうすることも
できなくて神様を頼る。
今までの無礼な態度を反省して、
頑丈目さんや助けてくれた
人たちにもし不運なことが訪れたら、
どうか私の感謝の気持ちを幸運に
かえて届けてほしいと何度も
お願いした。
私は助けてもらった事に対して
お礼をいうどころか、何も
言えなかったのだから、それぞれ
皆が信じる神様を通して、皆の人生が
さらに素晴らしいものになるよう
私の願いを聞いて欲しいと神様に
祈り続ける。
☆まだスマホがなく携帯電話が
主流の時のお話です。
現在は離婚して平穏に暮らして
います。
☆個人の特定につながらないよう
一部の表現をかえています。
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【お気に入りの紹介です】
ジュースの中で1番気にっている
りんごジュースです。
『原材料はりんごだけ』
という、酸化防止剤も
入っていない本当に
100％りんごだけの
ジュース。
味は、りんごの味としか
説明のしようがないりんご
そのもの。
密閉絞りという製造で
空気に触れることがないため、
酸化防止剤を使う必要もなく、
熱も加えていないので風味も
そのまま味わうことができます。
20本入りだと１本197，5円で、
安売りのスーパーで売って
いるりんごジュースの
倍のお値段にはなりますが、
おいしさと原材料をみれば
それだけの価値が十分ある
りんごジュースだと思います。
食が細くなり急激にやせてしまった
母にも、おいしくて添加物もなく
1回で飲みきれるサイズが
ちょうどいいので、購入した時は
かならず全種類の味を届けています。
わが家では、全種類を
並べ飲み比べが始まります。
「ふじ」「つがる」「トキ」
「ブレンド」で酸味がほどよく
あるもの、さっぱりした甘さだけど
味をしっかり感じるものなど
家族でそれぞれの味と好みを
ぜひ楽しんでください。
年明けにお孫さんがご挨拶に
きた時などにもおすすめです。
3種類のセットもありお値段も
購入しやすい金額ではある
のですが、3種類セットには
ない『つがる』も飲み比べて
いただきたいので3950円
のほうを1番におすすめさせて
いただきます。
※JR東日本の駅の自動販売機で
りんごジュースを売っているようです。
このセットにはないジョナゴールド
などもあるようなので、電車を
利用している方は、お試しに
1本お味見していただけたらなと思います。
お菓子や絵本の紹介をしています。
最後の最後までお読み頂き
ありがとうございます。
このブログを投稿することで、
忘れたくない大切な人に、いつでも
会うことが出来ます。
皆様に読んで頂くことで、１人では
残せなかった記憶を形にすることが
できて心から感謝しています。
明日もいい事が訪れますように。