貞彦175話 『保育園へお願い』

 

 

夕方、早めに保育園へ行き
弁護士さんに教えて頂いた
通り、貞彦さんが勝手に
ぷう助を迎えに行っても止めて
頂けるよう、お願をするために
事務室へ寄る。

貞彦さんがぷう助を迎えに行く
なんて、あるわけないとは
思うけど、そうやって甘く見て
痛い目にあってきたのだから、
ちゃんとしなくてはと思い
事務作業をしている園長先生に
少しだけお時間を頂き事情を
話す。

ちょうどその時に事務室で
役員の作業をしていた、ぷう助と
同じクラスの里紗ちゃんママも
いたけれど、里紗ちゃんママは
福祉関係の会社を経営されていて、

仕事も忙しいはずなのに
率先して役員を引き受けてくれる
ような人だから、聞かないふりをして
くれるに違いないと思い園長先生と
その場で会話を続けた。


園長先生からは
「旦那さんが来た時は、もちろん
 ぷう助君の為にも止めます。
 けれど保育園側には
 まだ父親に親権がある以上
 限界があるから、その時は
 すぐ連絡をするので迎えに
 来て下さい。
 それと、万が一の時は
 警察を呼んでもいいですか?」

すぐにそういった返答を
頂き、全面的に協力して頂ける
ということだった。

警察を呼ぶことになって
しまったら、とんでもない
迷惑をかけてしまうことに
なるから、そんなことには
絶対ならないよう気をつける
ことにする。

そして園長先生が担任の先生を
呼んでくれ事情を伝えると、
数ヶ月前に起きた出来事を
教えてくれた。

ぷう助がおやつの後に
園庭でみんなと遊んでいると、
貞彦さんが柵の外からぷう助を
見つけて、手を振ってきたという。

先生は初めて見る顔で、誰の
お父さんなのかわからなかった
けど、たまたま通りかかったような
感じで
「ぷう助の父です。いつも
 息子がお世話になっております」
と、丁寧な挨拶をされたことで
わかり、ぷう助に
「お父さんだよ~」
と教えると急に抱っこをしてほしい
とせがみ、先生の肩に顔をうずめ
「教室に帰りたい」
といったらしい。

その話を聞いて驚いたけど、
やっぱり先生方に本当の事を
話せてよかったと心から思う。

先生からは、「てっきりぷう助君が
恥ずかしいから教室へ行きたいと
いったのだと思っていたけど、
ちゃんとお母さんに報告して
いればよかった」と謝られて
しまった。

園長先生も担任の先生も

私の話をすべてを受け入れて

くださり、ぷう助が元気でいられるよう

これからも、協力していただける

ということで話が終わり、私は

事務室をでて、ぷう助のいる

教室へ向かう。

歩きながら心強い味方が増えて

いくような明るい気持ちでいると、

後ろから声をかけられた。

 

忘れものでもしたのかな

と思い振り返えると、

里紗ちゃんママが付箋を手に

もって立っていた。

 

 

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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パン屋さんをやっている
からすの夫婦に、可愛い4羽の
赤ちゃんが産まれたという
ところからパン屋さんと家族の
お話が始まります。

育児に大忙しでいると、パンを
買いに来てくれるお客さんは
減ってしまい、売れ残った
パンは子供たちのおやつに
なり、それがきっかけで色々な
パンが焼けていきます。

主役である、からすの家族以外にも
たくさんのからすが登場して、
それぞれの表情や年齢を想像
することができます。

各ページに書いてある文の長さは
絵本を聴くことに慣れていない
子には長く感じるかなと思います。

けれど最初からすべての文章を
読んであげなくても、
長い文章の本は、聴いていられる
くらいの長さに調整して
読むこともできます。

このカラスのパンやさんも、2歳の
ぷう助に読んでいたころは、
『森にカラスのパンやさんがありました』
(次のページ)
『カラスの赤ちゃんがうまれました』
(次のページ)
『お父さんとお母さんはおおいそがしです』
こんな感じでそのページの要点を
短い言葉で読んであげ、成長と共に
文章を増やしていきました。


ぜひ、どのパンがいいかな、
何個買おうかなと想像して楽しんで
みてください。

 

〈余談です〉

この絵本の作者かこさとしさんは
生前、子供への深い思いを
色々な記事やインタビューなどで、

家が貧乏で軍人を目指したけど、

病気がわかり死なずにすんだという

お話をされています。

けれどそんなご自身の事を、
判断力がなく世の中を知らなかった
から軍人を目指すという戦争に
加担する行為をしたといい、
戦争で死に損ねた惨敗者の自分は、
未来を生きる子供たちへ罪滅ぼしを
したいという思いであると話されて

いました。

子供たちが自分のような過ちを
おかさないよう、己の頭で考え
大人がなにをいっても、おかしいと
思う事には、おかしいというように
なってほしいとも書かれています。

そんな、かこさとしさんの思いを
知りながら絵本を読んでいると、
さらに絵本の良さをしることが
できるかもしれません。

 

 

まぁみとぷう助のmy Pick

↑絵本とお菓子を紹介しています。

 

最後の最後までお読みいただき

ありがとうございます。

明日もいい事がたくさんある

1日になりますように。

そして、くれぐれも風邪など

ひかないようお気を付けください。