ユダヤ人には2つ、或いは3つのグループがある。東欧系のアシュケナジム、それ以外のセファルデイムがあり、その内、中東アフリカ系をミズラヒムと分類する場合もある。イエスを含む古代ユダヤ人はセム系、つまり当然中東起源だが、アシュケナジムは、トルコ系のハザール国にルーツがあると言われる。尚、アシュケナジムは、ヘブライ語でドイツの意味との事。イスラエル建国の中心はアシュケナジムであり、アメリカ社会で勢力をもっているのもアシュケナジムと言われる。尚、ユダヤ人の定義は、人種ではなく、イスラエル帰還法では、「ユダヤ人はユダヤ人の母親から生まれた人、またはユダヤ教に改宗を認められた人」と定義している。つまり、自分もユダヤ教に改宗すればユダヤ人という事になる。一方ナチスは、ユダヤ人を人種と定義している

 

尚、(上記定義はさて置き)イエスはユダヤ人であり、セム系であり、白人ではないだろう。白人と描いているのは、欧州が自己都合で書き換えただけだ。世界的にも多分イエスは白人とイメージされており、つまり、歴史、というのは、結構フィクション、それを勝者である欧州が捏造しているという証拠だろう。

 

 一方、パレスチナ人の定義は、パレスチナ地方に居住するアラブ人、であり、アラブ人の定義は、一般に、アラビア語を使い、アラブ文化を受容した、セム語系民族」との事。尚、アラビア語もヘブライ語もセム語系に属し、RTL(右から左に文章を書く)言語だ。

 

つまり、根本的には、ユダヤ人とパレスチナ人はあまり変わらない。両方セム語系民族で、アラビア語とヘブライ語は似た言語であり、敢えて言うと、アラブ文化、だが=イスラム教でなく、キリスト教徒もいるとの事。尚、有名だが、ユダヤ教はイスラム教の元になっており、イスラム教の神アラーとユダヤ教の神ヤハウェは同じ神で、基本原理は似ていると言われ、イスラム教では、ユダヤ人は、啓典の民で、関係は敵対的ではなかった。エルサレムは、ユダヤ教徒にも共有されていたとの事。理屈上、アラブ人のユダヤ教徒=ユダヤ人、もいる事になるが、それはユダヤ人と言い、アラブ人とは言わないとの事。

 

民族の定義は、Wikiによると、「言語・人種・文化・歴史的運命を共有し、同族意識によって結ばれた人々の集団」との事で、人種とは異なる。

 

さて、ここからは、自分の見解、解釈になる。まず、別に陰謀論ではなく、単に事実から機械的に判断して、イスラエルは、そもそも古代ユダヤ人と無関係な東欧系アシュケナジムが、押しかけてきて、居座った国で、それを正当化する為に、ユダヤ人の定義をユダヤ教徒と、主張しているように思える。イスラエルはアシュケナジムの国、少なくとも、アシュケナジムが上位層であるのは、明らかな事実で、国内には、他のグループへの差別もあると聞く。アシュケナジムは白系ユダヤ人とも言われ、いわゆる白人だが、この起源が、中東セム系であり、離散の後、混血が進み白人化した、という物語には普通に無理があるように思う。また、民族の定義、というと、宗教だけを基準にする、というのも一般的な人類学の考えではなく、強引にユダヤ教徒=ユダヤ人、と定義するのは、アシュケナジムもユダヤ人、と定義する為の強引なロジックのように見える。人類学的定義によるなら、アシュケナジム、セファラデイム、ミズラヒムそれぞれを民族とするのが素直であるように思う。更に、アシュケナジムの起源は、諸説あり、言い方変えると曖昧であり、更に、イスラエル建国前は、期限は普通に学術的に研究されていたが、イスラエル建国後、そうした研究がタブーになったとの事。このページに詳しい。(ところで、自分の見立てはここにある内容と偶然ほぼ一致。)。

 

自分は、ユダヤ人、アシュケナジム、民族の生存の為に、自ら戦う姿勢には、それが、無謬という訳にいかない、という事も含めて、敬意を払う。が、機械的に見ると、アシュケナジムの占領を正当化する為の物語を創作しているようには見えるし、一方、それをかが得ると、ホロコーストが正しかったという主張をする意図は決してないが、まず、いわゆるユダヤ陰謀論、怪しまれる行い、というのはそれなりにあり、それが迫害される一因としてあったのでは、と考えても、不自然ではないと思う。(ユダヤ迫害も何もなければそこまで憎悪されるはずなく、どうも、世界恐慌時に貧しい人に対して貸し剥がしして、恨みを買った、というのを読んだことがある。)。怪しいと言えば、(迫害自体を否定する意図ではないが)、ガス室で一日千人殺す、等、物理的に無理があり、ちょっと盛り過ぎの所はあると思う。アウシュビッツも行ったが、自分の見たところ、思ったより整っている印象だった。あと、アメリカには、イスラエル国内とほぼ同数のユダヤ人が居住しているが、政治やメディア、金融、IT等を支配しているのは有名な話。社会のそうした上位層を占め、かつ、それにより、世界最強のアメリカ帝国を動かす、というのも、高度な戦略、言い方変えると、陰謀、あっての事だろう。が、繰り返すが、民族の生存の為に、自ら戦う姿勢には、全て賛成する事は難しいにしろ、敬意を払う。

 

一方、古代ユダヤ人に一番つながるのはミズラヒムという気もする。これをユダヤ人、と捉えると、そもそも対立さえ、あんまりしない気もする。見た目、人種は同じであり、言語も宗教も似ており、宗教なら、イスラム内でもスンニ派とシーア派があり、それ以外にも、キリスト教の一派のコプト教や、マロン派もいる(こちらはイスラム教徒対立しているようだが)ので、ユダヤ人だからと対立する感情があんまり出てこなくなる気がする。なのではやり白人のアシュケナジムがアメリカの支援を受けて、となると、対立的になってしまう、という側面はあると思う。