状況の理解:
◎直近は感染者、死者共に、急激に増加している。
ー日本本は、昨日(12/25)の感染者3714人、死者55人。10/31時点では、868人。
尚、重症者は、減少傾向だが、死者が増加している理由は、分析を要する。
◎しかし、EUに比べると、被害は依然圧倒的に少ない。但し、その差は縮まっている。
ー12/25時点で、100万人あたりの日毎の死者は0.35人、EU平均は、7.35人(1/21)。11/1時点で、EU平均の1/48。
尚日本は、1.4%。
※尚、韓国、インドとも、同程度である事から、検査数が少ない為、感染者数が実際より少なくカウントされている、という事は、大きく見るとないと予想される。
◎日本の今後の傾向の予測は困難。但し、総じて、寒くなると感染者が増える事は予想され、一定期間は増加すると予想されるが、いずれ減少すると予想される。
ー各国毎にパターンが異なる。
https://ourworldindata.org/covid-cases
https://weathernews.jp/s/topics/202004/200175/
ー日本は、インフルエンザは、1月、2月に死者が大きく増大する傾向がある。
https://president.jp/articles/-/33053?page=2
◎日本の超過死亡は2020年減少。減少の理由がコロナと関連すると仮定すると、日本はコロナにより死者数は減少している、と言える。これは他国と異なる。
ー2020/1~9まででは、日本の超過死亡は、例年と比べ少ない。11月以降、コロナの死者数が増加した/する事を考慮しても、例年と比べて、超過死者総数が増える、大きく増える事はない、と予想される。
◎日本では、コロナの代わりに、インフルエンザはほぼ消滅。コロナとインフルエンザを相殺すると、超過死亡は減少している、
と予想される。尚、一方、過去の歴史から、感染症が消滅する、という事は必ずしも期待できない。より、コロナもいつか消滅する、とは期待しない方が妥当。
ー2020年、インフルエンザは日本ではほぼ消滅。
ーインフルエンザの年間死者数は3000人程、コロナは、12/25現在約3100人。コロナ流行が4月からとし、冬に死者が増加する事を予想すると、コロナの死者の方が多く、また増えると予想される。例えば、仮に、2021/1~3の死者が3000人とすると、年間死者数は6000人。
ー但し、コロナ死者数に、関連死者数を含んでいるかは確認の余地がある。超過死者総数の減少を考慮すると、コロナ死者数には、関連死を含んでカウントされていると推測する事により妥当性があるように思える。
ー関連死を含んだインフルエンザの死者数は年間10000人程、と推測される。
ー死亡者が基礎疾患を持っている割合は、コロナの方が高いように、資料をいろいろ見ると総じて思える。(適切な資料は見つからなかった)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/110210-04.pdf
◎インフルエンザに比べても、コロナは、より高齢者、基礎疾患者に被害が大きい、逆を言うと、年齢が低い層、基礎疾患がないものは、被害が少ない、と言える。
(上記資料より)
ー平均年齢が高く、基礎疾患保有者の数が多い国は、コロナの被害が大きい、というある程度の相関は認められるように思う。
以上から機械的に導き出される対策提案:
◎日本においては、コロナの被害は実質ほぼない。むしろ経済活動制限による被害の方が大きい。活動制限緩和が妥当。※現在行われている活動制限に為、被害が抑えられている、という推測は成り立ち、また実際にある程度あると思われるが、程度の証明は困難。少なくとも、余程大きな死者の増加がない限り、活動制限強化は不要といえる。
◎統計的合理性からは、高齢者、基礎疾患保有者の活動制限には妥当性があるが、若年層にはない。(但し、人権の観点から別の議論はある)。医療資源の効率的な配分も、高齢者、基礎疾患等統計的合理性に基づいて行われることが妥当(神奈川モデル等)。
◎風評被害が甚大。インフルエンザと数では変わらないにもかかわらず医療崩壊が叫ばれ、この原因には、入院を過剰に希望する事やコロナ患者拒否があり、風評が混乱を生んでいる。実際の被害(がない状態)からすると過剰な活動制限が行われている。一般に、メディアが国民の風評被害を助長している。何かしら世論の鎮静化が必要。
◎政府の抑制的な対応は概して妥当。風評煽られ過剰な対応をとる事は不適切。状況の変化や風評をかわす為に、方針の調整は避けられず、またあるべき(適当にいなさねばならない)。現在の政府の調整は、程度を逸していない。
◎危機の状況で、一般的に政府批判は妥当ではない。政府が科学的判断に従い迅速に行動、あるいは忍耐する事を支持する事が期待される。批判は質によるが、不安を煽る報道は、活動抑制の圧力となり、政府の合理的判断を困難にし、行動の自由を奪う。
◎メディアは世論に迎合し風評を煽るのではなく、状況を科学的具体的にに分析し、世論を鎮静化し、改善点を科学的に主張するべき。それが社会に対するメディアの役割。増加数のみ強調して恐怖を煽り、規制強化の圧力をかけ、政府を批判する事は厳に慎むべき。
◎この為、不安を煽り、活動制限を主張するメディアに、そのような逃げが、批判に値し、却ってリスクになる事を気づかせる作戦は有効。国民に理不尽な忍耐を押し付け社会的責任を放棄するメディアに不満な国民は一定数いるものと思われ、そうした主張を行う事は有効。
◎一方、刺激し過ぎは、理屈ではなく感情的な対立を呼ぶのみなので、ただでさえフレストレーションが社会に蓄積される状況に鑑み、お互い落ち着く事が普段以上に必要。正当性の過剰な主張は、感情的な対立を激化させる、という懸念はある。一面的事実認識を絶対正義と主張する事は反省させる必要があるが、動機や人格を全面的に否定するのは妥当ではない。あるいは、双方なだめる妥協が必要。
◎医療資源の効率的な利用の為の対策が必要。コロナは日本においては指定感染症5種(インフルエンザ同様)と分類を変更する事が妥当。また、コロナ患者拒否の病院、医師会に対しては、メディア、世論は、被害者であるという姿勢を許してはならず、より圧力をかけ、社会的責任を自覚させる事が妥当。(どうも、法令では、政府から医療機関に命令できないとのこと)。
見通し:
◎特に、感染者数、死者数は、今後も2月までは、増大する事が予想され、それに伴い、メディアに煽られた世論により風評被害は増大し、過剰な行動制限が行われる、あるいは、政府はそれを行う強い圧力に晒される。
◎興奮状態にある世論に迎合するメディアは、一般に、今後も、自身の責任をもって、科学的具体的な分析を提供するよりも、批判を恐れて、懸念を強調するする傾向にあり、結果、風評被害を悪化させる。過剰な行動自粛により経済社会が破壊され、医療体制の混乱により医療資源の局所的枯渇が発生する一方、逆に患者不足で病院が倒産する。具体的分析を提示せず、無意味な医療機関への感謝と政府批判、という単純、感情的な報道を繰り返すが、当面被害は増大するであろう為、世論の失望を招き、ますます恐怖が煽られ、政府に圧力がかかる。具体的な分析を提供する言論人も一定数存在するが、世論の興奮状態の鎮静化には至らない。
◎自粛派と反自粛派での対立は感情論になり、自粛の影響もあり、社会のフラストレーションは高まる。
◎菅政権は、状況を科学的に理解しており、また、興奮した世論に迎合する弱い政府ではない。ある程度の調整はあり得るが、全面的に風評に屈して、過剰な活動制限を行う事はない。緊急事態宣言は恐らく行わないのではないか。菅氏個人も自民党政権もそこまで弱体化しておらず、また、専門家委員会もバランスは理解している。今後も内閣支持率は低下するが、首相の交代はないと思われる。現在のところ現政権に変わる有力な勢力はない。政治家なら誰であっても今責任者になると、どのみち批判されることには気づくのであえて重荷を担おうとは判断しないだろう。但し、被害の増加と内閣支持率の低下に伴い、政府の無能を叫ぶお調子者の政治家が与党からも表れる可能性は否定できない。但し、多数派にははないと思う。
◎但し、GoToの再開は当面困難と思われる。実質関連性がなかったとしても、そのように見える事で批判されやすく、当面悪化する状況で過敏になる世論に対抗する事は困難。宿泊、飲食業、その他に対しては、わからないが、短期的には、何かしらの直接給付があるのではないか。但し、3月以降の再開はあり得る。
◎医療資源の効率利用については、一部のメディアのよる批判は、それなりに波及し、コロナ患者受け入れを病院に促す、という効果はある程度生むのではないか。
◎また、一方的に国民に忍耐を強いるのみ、当面効果がでず状況は悪化する、という事も合わせて、その主張の不合理性に、国民はいずれある程度気づき、メディアも、一定数同様に主張を展開し、その影響が増す事はある程度期待できる。しかし、主流にはならないのではないか、という気がする。
◎ワクチンについては、それによりコロナが消滅する事は期待できず、また、既に被害が少ない日本では、思ったより効果はないのではないか、という気がする。ただ、欧米ではそれなりの効果をあげ、被害程度も小さくなると、合理的で権利意識の強い欧米人は、たとえ、今の日本の程度まで被害が小さくならなかったとしても、相応の程度に被害が減少すれば、経済活動を以前通り再開するのではないか。日本、あるいはその他の国は、それをみて、活動を再開するように思う。日本のみ自身の状況判断で、活動を再開する、という事は期待できず、欧米での再開を待つしかない。但し、この見通しは欧米でのワクチンの有効性、あるいは接種率に比例する為、その状況を注視する必要がある。
◎いずれ感染者はピークアウトし、それに伴い世論も落ち着く。逆に、結局は感染者数依存という事になる。
『科学が風評に負けるのは国辱』というのは、深みのある言葉だと思う。








