すごく多くの方が
何故かこのページについて
たどりついていますが
もうめっちゃ古い記事ですよ!
(2025年7月追記)
前回の続きになります
4つの結合とパーマ剤の反応は深いかかわりがあります
その中の3つの結合を切断して最も効率的に
髪を軟化させることのできるのがパーマの1剤です。
・水素結合 水分、薬剤塗布で切断
・イオン結合 髪のpHがアルカリ性に傾くことで切断
・S-S結合 1剤の還元作用で切断
すべてのシスチン結合が切られるわけではなく
実際には強いパーマ剤でもシスチン結合の
約20%くらいしか切断されていないそうです。
パーマ2剤の酸化剤で戻せるのは
シスチン(S-S)結合のみ
PH(4.5~5.5)にもどすとイオン結合
髪が乾燥することで水素結合します
カールやウェーブはこの3つの結合で作られているので
パーマは3つの結合をきちんと処理をすることが重要です
この作業を怠るとタンパク質の軟化や間充物質が流出
パーマが不安定でとれやすくなり
髪の強度低下、水分量低下になります
このことに関しては美容室でお願いするべきことであり
美容師が最低限で知っていなければいけないことです
ジスルフィド結合(S-S結合、シスチン結合)
ジスルフィド結合、またはS-S結合と呼ばれる結合は
髪のすごく中にあるプロトフィブリルの
タンパク質の中に含まれるシステインという
硫黄 S を含んだアミノ酸が深く関わっています
ぐちゃぐちゃってしてるんですけど
組み合わせ変わってもぐちゃぐちゃです
髪のタンパク質ケラチンにはシステインが多く含まれ
多くのジスルフィド結合を作っています
ジスルフィド結合の結合力は100~200kJ/mol
2つのシステインを結びつけジスルフィド結合を作り
このときに使われるのがパーマ剤なのです。
図を見ていただければ分かるとおり
髪の中でパートナーが入れ替わりましたね?
あくまで組み合わせが変わったという
イメージで実際にはこんな綺麗な配列では
ないと予想されます。ぐちゃぐちゃですから
この原理がストレートやウェーブを作ります。
アイロンで処理したりロッドをつかって
ずれを生じさせてまた再結合させるのです。
※大切なことなのでもういちど書きますが
プロトフィブリルで行われてる反応です。
パーマの1剤には還元剤とアルカリ剤が入っています
還元剤
(S-S結合を切断するためのものです)
・チオグリコール酸塩類(チオ系) HOOC-CH₂-SH
・亜硫酸ナトリウム(化粧品) Na₂SO₃
・システイン又はその塩類(シス系) HOOC-CH-CH₂-SH
・システアミン(化粧品) H₂N-CH₂-CH₂-SH
・ブチロラクトンチオール (スピエラ) C₄H₆O₂S
・GMT(グリセリル モノ チオグリコレート) C₅H₁₀O₄S
など
アルカリ剤
・アンモニア
刺激臭はあるが揮発するため毛残留が少ない
反応が早く刺激がある
・炭酸アンモニウム
・炭酸ナトリウム
・モノエタノールアミン
不揮発性のためにおいは少ないが毛髪の残留が高い
反応は遅く刺激がある
・炭酸水素アンモニウム
弱アルカリ性だが経過時間で炭酸とアンモニアに分解され
アルカリ性になるため反応が強くなる
・アルギニン
毛髪との親和性が高くアルカリ剤の作用としては弱い
など
還元剤の違いで質感が変わります
システイン系のパーマ剤は
システインが2剤により酸化され
毛髪内部に残留して、ハリ・コシをだします。
亜硫酸ナトリウムは水に溶けやすく
毛髪に残留しにくいため
やわらかいカールをつくることができます
施術中の臭いが少なく
残臭が少ないという特徴もあります
*ブチロラクトンチオールと
GMTはここでは勉強しません
(酸性領域で活性化する還元剤)
間違えやすいのが活性化するのが酸性で
アルカリ領域でも使えないわけじゃないです。
パーマ2剤(主に2種類)
1剤で切れたシスチン(S-S)結合を結びつけて固定する
・臭素酸ナトリウム
NaBrO₃ リッジのある仕上がりになります
・過酸化水素水
H₂O₂ 柔らかい仕上がりになります
パーマの2剤はカラーリングやパーマの質感にも影響します
こちらはメーカー指定の場合が多いのです
2剤は酸化させるためのものですが
決して酸性になるわけではありません。
髪の中の還元をリセットして
髪の中と外のPHもリセットすることを
おすすめします。
*カタラーゼやヘマチンや炭酸など
追記
お店にちらほら質問のメールを頂いたり
しますが講師はしてません
パーマの仕組みで重要なのが
ウェーブ効率ですこちらもご覧ください