■あらすじ
●マチュー…音声分析官、耳が異常に良い
●ノエミ…マチューの妻
●ポロック…音声分析官、行方不明に
●グザヴィエ…マチュー夫妻の大学同窓生
アルプスで航空旅客機が墜落。
機内から取り出されたブラックボックスに、機長室に侵入する何者かの音声が残っており、マチューはこの事故をテロだと解明する。
本当なら同僚のポロックが捜査するはずだったのに、彼が失踪してしまったことでマチューのところにこの事件が回ってきたのだ。
「テロ」って結論で一件落着したかに見えた事件だが、墜落した乗客の携帯に残っていた音声とブラックボックスに残っていたものとの間に齟齬が見つかる。
データは改ざんされてたんちゃうんか?
マチューは真実を追求しようとするのだが、そんなことは誰も求めていないし望んでもいない。
もともと職場で孤立していたマチューは、輪をかけて孤立していく。
マチューは特殊な聴覚の持ち主で、普段は音声をカットしないと精神が蝕まれるほど。
聴覚と正義感だけが友達さ。
ポロックの車載カメラから、
自分と妻の共通の友人であるグザヴィエがポロックと会っていることを発見。
これもポロックの自宅に侵入して持ち帰ってきたもの。
グザヴィエは航空専門のセキュリティシステムの会社「ペガサス」を運営する若き経営者。
「ま、まさかね」とは思いながらも、航空会社に勤務する妻のPCから勝手にデータを抜き取ったマチュー。
ノエミをちょっと疑ってたり。
やりすぎ傾向のマチューのせいでノエミは情報漏洩に問われ職を追われてしまう。
そこまでして調べ上げたセキュリティシステム改ざん疑惑なのに、何の痕跡もなかった、
つまりマチューの勇み足だった。
ノエミはカンカン
なのにマチューは捜査をやめない。
ついにマチューも失職。
退職寸前整理をしていたマチューは、ポロックの残したメッセージに気付く。
それは座標の場所。
ポロックの自宅にある池の中心が座標で、そこにデータ(本当のブラックボックス)が沈められていた。
ポロックの家でデータに残されていたメッセージを見るマチュー。
そこには、ポロックがグザヴィエと繋がっていたこと、そのことで次第に脅しを受けていったこと、改ざんに手を貸していたこと、ペガサス社のセキュリティシステムには手動運転でハッキングされたらどないもならんやん!となる大きな欠点があること…などを告発する映像が。
ポロックの家に何者かが侵入して来よる。
マチューはノエミにデータを送る。
やつらが自分をKILLしに来たと察しているマチューは必死に逃げ車を走らせるのだが…。
事故直前の航空機。
ペガサス社をクビになった男が座席で飛行機のシステムをハックする。
欠点を世間に知らしめるつもりだったのかなんなのか。
だがネットの回線が途切れ飛行機は制御不能のまま墜落。
それが事件の真相。
航空ショーの会場で、意気揚々とシステムの説明をするグザヴィエ。
彼の後ろにある大きなスクリーンにポロックの告発画像が流されていく。
ノエミはグザヴィエを糾弾した。
今は亡きマチューの遺志を継いで。
■おしまい
■感想
(C)2020 / WY Productions - 24 25 FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - PANACHE Productions
面白かった!
ポンカスやろうと思って観たら、意外に本格ミステリでした。
耳が良すぎて困ってるマチュー。
多分それは耐え難い苦悩なんだろうなーと察しがつきます。
優秀だけどKY。
かと言って京都科捜研のマリコさんみたく、絶対味方土門さん的な存在もいない。
妻は職を奪われてマジ怒ってはるし。
でも彼を一番鬱陶しがっていたポロックが、実は彼こそが真相を見抜いてくれる存在だと分かってたことが救い。
いろいろツッコミどころはあるものの、
あれよあれよと真実に真実が積み重なっていき、
同時にマチューが積み上げていたものがガラガラ崩れたりしていく面白さったら。
なのにナゼェ?
マチューが戦闘員ではなく耳がいい&推理力に優れてるだけのフツーの人で。
だからこそ狙われたら一巻の終わりって自分でも理解してはって。
全部をノエミに送って(信用してた)、
逃げおおせたか?
からの。
ペガサスのハッキングにしてやられた車が制御できずに…。
ってのが、辛かったです
機械任せにしたらあかんのや―。
二転三転していくスリリングな展開も善し。
マチューの生きづらそうな性格も善し。
真相PARTも「ヲイ!」と思いつつ善し。
ノエミさんが見るからに「デキる女」で善し。
この映画のテーマは。
目の付け所(あ、耳か)がザンシンで面白き!
これ!
フランス映画独特のクセもそんなに目立たないので、機会があったらご覧くださいませ~。
この前の嗅覚と言い今回の聴覚と言い、
おフランス、五感に優れた方が好きなのか。
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