夫であり父親である男のもとから逃げ、
アメリカにやってきた母親と4人の子供たち。
だが母親は心労がたたり倒れてしまう。
そんな時父親が現れた。
半年後、
きょうだいたちが暮らす家では不可解なことが起こっており…。
マローボーン家の掟 [Blu-ray]
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面白かったー。
ネタバレを知らない方が楽しめます
ジャック:責任感が強い長男
ビリー:やるときはやる次男
ジェーン:優しく公正な長女
サム:家に出るお化けに怯える末っ子
アリー:健気で強い嬢、ジャックと恋仲に
トム:アリーに横恋慕する弁護士
イギリスから逃げ出してアメリカのド田舎の、
そのまたはずれでぽつんと一軒家してるぼろい屋敷に越してきた、
マローボーン一家。
彼らは地元の娘っ子アリーと出会い、
つかの間の安らぎを得ます。
でも穏やかな時間は早々に過ぎ去り、
苦闘と恐怖の日々がオトンと共に再訪。
家の天井にあるシミ。
鏡にかけられた布。
屋根裏部屋には行ってはいけない。
そして気味の悪い事々。
特に末っ子のサムの怯え様ったら…。
サムが鏡の中にいる「何者か」を見つけて気を失います。
ジェーンは時たまやってくるアライグマに餌をやろうとして、
「何者」かに腕をつかまれます。
ビリーもまた「何者」かを見てしまうのです。
「あの時」から、
この屋敷には、
何者かが憑りついている…
ひっそりと暮らしているきょうだいですが、
弁護士のトムがマローボーン家の秘密を突き止めてしまいました。
彼らの父親が大事件を起こしていたこと。
母親とアメリカに逃げ渡ってくるときに父親の大金を盗んできたこと。
その金を追って父親が脱獄したこと。
脱獄した父親が行くところは、
ど~~こ~~~だ~~~?
そしてきょうだいは父親が来たら、
どうするか~~~?
トムはある結論を導き出し、
マローボーン家に乗り込んだのです。
以下ネタバレ
トムは屋根裏部屋でご遺体を発見します
ジャックと恋仲のアリーはジャックから「重大な話がある」と言われ屋敷にやってきました。
そこでアリーが発見したのは、
瀕死のトム
え?
誰がトムにこんなことをしたの?
おばけ?
違います。
屋根裏にあったご遺体は、
ビリー、ジェーン、サムのもの。
つまり死んで屋根裏に打ち捨てられ呪いの権化と化したと思われていたオトンが実はまだ生きていて、
トムをKILLしたのですよ。
じゃあきょうだいは?
父親が屋敷に来た時…。
ジャックは父親を止めに行きますが力及ばず、
きょうだい達は37564されてしまうのです、父親に。
屋根裏に父親を閉じ込めたジャックは、
その時から、
きょうだいの人格を得て、
一人で家族ごっこを続けていたのでした。
天井のシミはきょうだいのもの。
鏡の中にいたのはサムのふりをしているジャック自身。
現実から逃れるため、
ジャックは多重人格者になっちゃったんですのよ。
アリーを襲った父親がビリーの人格を宿したジャックにとうとうKILLされました。
オトン、どんだけ不死身やねん!と思ってましたが、
さすがに銃には勝てなかったようです。
「あんた、その若い身空で、
あんな多重人格者と一緒におらんでも…」
精神科医に忠告されても、
アリーはジャックと彼の中に内包されているきょうだいたちとともに暮らすことにしたのでした。
ぎゃーーーー、
ホラー映画やと思って観てたら、
丸っとひっくり返ってサスペンスやん。
全部が「そういうことか」と結実し、
なかなか良い出来上がり。
今現代の話ではなく古き良き時代に設定を置いたのも効果的。
マダム的には、
こういうハッピーエンド(なんやよね?)より、
父親の精神にも居座られたジャックがにやりと笑う後味の悪さでENDしてもらっても全然よかったんですが。
というより、
これ絶対オトンの精神が出てくるやつ!
あれ?フツーに終わったやん…でした。
しかし今更ながら思うに、
アリーの絶叫で一度は消えていたきょうだいたちの人格がジャックの中に戻ってきたことからも、
オトンの精神を他の3人が(主にビリーが)抑えてるのではないかと。
そういう意味では、
これはある種のホラーじゃね?