いい作品やとは思うんよ、思うんやけど。
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本能寺ホテル DVDスタンダード・エディション
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手違いで予約していたホテルに泊まれなくなったので、
本能寺ホテルに泊まることにしました。
するとなんということでしょう、
そのホテルには、ある条件が重なるとタイムスリップしちゃうエレベーターがあったんですのよ、奥様!
倉持繭子。
3月に職場が倒産し、特にやりたいこともなかったので、付き合っていた恋人吉岡恭一と結婚することに。
恭一の実家が京都にあるので、
ご両親にご挨拶がてら金婚式のパーリーに出席するため京都にきました。
ところが泊まるはずだったホテルで「お客様の予約は一ヶ月先でんがな」と言われてボヨヨ~~ン!
京都の町をウロウロしてて出会った本能寺ホテル。
どうせ空いてへんやろうと思ったら、宿泊できるっていうやおまへんか。
ラッキーウッキー。
ホテルのフロントには、年代物のオルゴール。
壊れているはずのオルゴールが、繭子がネジを回したら鳴り出したやん。
緑寿庵清水の金平糖を噛みながらエレベーターに乗って…降りたらそこは別世界でおましたんぇ。
「どこじゃーーーーーい?」
そこで「胃が痛い」と困ってる若者に胃薬をあげた繭子。
若者は「上司が怖くて鬼!」と愚痴ってはる。
その鬼のような上司に楯突いた繭子は「手打ちにしてくれるわ」と刀を向けられ逃走。
ひぃぃぃぃぃ!殺されるーーーー!ってなってたら、何故か現代に戻ってました。
何が起こったアルカ?
こうして繭子は何故か戦国時代と現代をタイムトラベルしちゃうのです。
トラベルになる要因。
オルゴール・緑寿庵の金平糖・エレベーター。
繭子は恭一に言われるがままに結婚の準備を進めてます。
ええんやろうか?という疑問が脳裏を過ることもありますが、積極的に「ここがいややねん」ということも…無いよね?
そんな受け身の繭子ですが、タイムスリップ先にいたのが信長と森蘭丸とわかってビックリ。
森蘭丸ってもっとこう…美少年ちゃうんけ?
なんてことを言葉の端々ににじませながら(ストレートには言わないけどね)信長たちと親しくなっていくのです。
信長の願いが、平穏な世の中を作ることだと知って、
「何、この人単なるオコリンボさんちゃうやん」
キャッ…イカス(最初は蘭丸と仲よかったくせに)
振々手杖(ぶりぶりぎっちょう)で童心に帰る家臣と繭子、そして信長。
繭子は確実に信長に惹かれてました。
現代に戻り、本能寺の変が6月2日の未明であることを知る繭子。
えええっ?明日やん。
でもそのことを信長に言うてしもうたら歴史が変わって…でも、でもでもでも…。
そんなの関係ねー!
小島よしおスピリッツで、繭子は信長に本能寺の変のことを伝えます。
「明智光秀が謀反を起こしやがるでヤンスよ!」
現代に戻ってきた(フロントのベルがチーンと鳴ったらこっちに戻れます=自分の意志では戻れない)繭子は、本能寺の変が改変されてなかったことを知ります。
信長さんは、逃げてなかった?
折しも恭一のお父さんの金婚式パーリー。
実はお母さんはもう鬼籍に入られていたのです。
亡くなったお母さんに「やりたいことやりはったらよろしいがな」と言われたお父さんは料亭を閉め自分のやりたかったことをやる所存!と発表。
信長の
「やりたいか、やりたくないか。
やるか、やらぬか…それだけだ」
お父さんの
「やりたいことは見つかる」
この言葉に後押しされる繭子。
繭子のやりたいこと。
もう一度信長のところに行くこと!
本能寺はもう炎に包まれていました。
信長は、自分の運命を受け入れます。
繭子の生きる時代では、皆が楽しそうに笑っているのだと、信長は知ったのです。
後のことはサルに任せて。
田舎の農民だったサルを家臣にしたのも、優秀な人材なら身分なんか関係ないと思ったから。
太平の世の中を作るために必要なのが何かを信長は知っていたから。
信長は歴史を変えること無く、蘭丸と本能寺に残ります。
繭子は現代に戻ろうとしますが、このときになっても繭子は戻り方を知りません。
本能寺はボーボー。焼けた梁が落ちてきて、繭子ピンチ!
きゃーーーもうダメポー!!
たまたま支配人がベルを落とし、チーン…と響く音色。
繭子はこちらに戻っていました。
鴨川沿いに流れていく歴史、
過去の歴史を変えることはできなかったけれど、
私は変われる。
自分の人生を選んで笑って、そういう世界に私は生きている。
あの人の望んだ太平の世の中に。
繭子は、新しい人生に一歩踏み出しました…。
おしまい
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正直「プリンセス・トヨトミ」が、ええっ?な出来だったので、同じスタッフで…?と思ってたらそれなりに観られる話にはなってました。
信長協奏曲と関係性があるとか、似てるとか言われてたけど。
これ…「長持の恋」…。
というわけで。
一連の例のアレがなぁ…。
完全にテイストは…じゃないですか。
「え?ドユコト?」な方は自分で調べてちょんまげ。
繭子があまりにも自分の意見を持たなくて(いい歳した大人の女性なのに…)イラつくという意見もございますが、
天然でおっとりしてて礼儀正しい繭子は、ガツガツした生き方をしてこなかったんだから仕方ないよなーと、ちょっと同情しちゃう。
蘭丸との掛け合いを観てると、いい子なんやなぁって思えるんですよ。
恭一のお父さんにも「ええ子や」言われてるし。
信長と心を通わせる所も、彼の望みが何なのかを知る所も。
家臣たちは「鬼のように怖くておこりんぼう」なお館様を恐れてはいるけれど、それ以上にお館様のことを思っていることも。
ぶりぶりぎっちょうで童心に帰って遊ぶところも。
繭子が過去に持っていった一枚のパンフが、信長に未来を見せたことも。
全部温かい気持ちになれるんです。
だからこそ。
あの一件がね…。
長持の恋は、本能寺の変に巻き込まれた若者と、現代に生きる女の子との時空を超えた恋物語で。
(すごく超簡単にぼかした説明)
鬼畜!恋愛モノに対しての評価はめっさ「妖元帥レイコック」!と言われたマダムをして号泣させた作品なのです。
「ぶりぶりぎっちょう」
「緑寿庵清水の金平糖」
「T字路の先に建っている本能寺ホテル」(実際の「ホテル本能寺」は今休業中じゃなかったかな?)
完全にあの人が使いそうなワードが散りばめられた世界なのに、
なのにクレジットのどこにも名前はないんですよね…。
この作家さんが大好きなマダムには、すごく悲しい出来事でした。
と言うか、あの方ほどの作家さんでも、そういうことになるってこと=邦画の世界の常識がどうかしてるぜ!なんかなぁと思うと…。
これって一部の話だと思いたいけど、そうじゃないよね、きっと。
せっかくホロリと来る映画なのに、どこかで「なんだかなー」というおミソをつけられてしまったのは、もったいないと思うんですよ。
もちろん、この作品は個で観たら、それなりに良く出来ていると思います。
歴史なんて、たった一人の女の子の力で変わるもんじゃないですし。
さすがの女剣士バルサも本能寺では無力(違う)ですし。
ちょっとご都合主義やろ?な部分としては、信長が、未来から来た…という事実をあまりにもあっさり受け入れすぎ~。
みんなどんだけ信長のところに行きたいのん?と、ちょこっと思ったりするけどさ。
信長って話として盛り上げやすいんだよね、キャラが立ってるから。
ま、このお話は繭子が奮闘して信長を助ける(死んだように見せかけながら実は生き延びてる)って話じゃないんで。
繭子が「自分の歩く道を見つけ出す」話なんで…。
壮大な歴史改変モノ、あるいはコメディと思ってたら「あれ?」ってなります。
で、ラスト。
支配人の方が見た世界はどこなんでしょうね。
「天職」言うてたけど、案外ブラックな職場事情に疲れてはったんやろうかw
マダムは、きっと。
ドジでのろまな亀が教官!ってしてた時代、と思ってます。
…ちゃうわ!なんでやねん!
京都スキーには「糺の森っ!」「東福寺っ!」「先斗町」「渡月橋ーー」ってなりますよ。
緑寿庵清水の金平糖、伊勢丹で買おうと思ったら、
もう閉店間近だとお高い箱入り以外は売り切れてたよ…。
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