こんな母親重くてかなわん…
完璧な母親 (幻冬舎文庫) Amazon |
やっとの思いで手に入れた息子波琉を事故で亡くした母親。
波琉の生まれ変わりとして、女の子波琉子を生みます。
波琉子の中に波琉を見る母は、
誕生日(奇しくも同じ誕生日)には、
兄と妹二人分のプレゼントを買い、
ケーキの蝋燭は、兄の年齢の本数。
こ…コェェよ!!!
子供は自分が守らねばと思いこむ母親は、
小学校になった波琉子を送り迎えしている程。
母は隣の部屋に越してきたアバズレ系母親とその息子が気に入らないのですが、
アバズレママが旦那のDVから逃れていると知って俄然味方になってしまい…。
一方、幼いころ母親に冷たくあしらわれたことがトラウマになっていた成彦。
母は姉を溺愛し、姉が友人にいじめられたと聴いただけで傷害事件を起こすくらい。
これがきっかけとなり離婚した両親。
姉は母に引き取られ、成彦は父に引き取られ(育ててくれたのは祖父母)。
姉は幼い日に溺れ死んだ子の生まれ変わりだと信じ込んでいる。
波琉子、成彦、姉は出会うべくして出会ってしまうのだが、
運命はその前に悲劇しか用意していなかった。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
途中で読むのやめようかなと思うくらい、
波琉子の母親が鬱陶しい。
いや、気持ちはわかるん。
外にはどんな偶発事故が待ってるか判らへん。
なら、守れるものは守って防がなくちゃ、そう思うのは母として当然やし。
そして事故で上の子を亡くしたから、用心深くなるのもわかるんだけど。
波琉子に、自分の思想をぎゅむぎゅむと詰め込んで行きたくなるのもわかるんやけど。
親は親、子供は子供やん?
別人格ちゃうんかいな。
マダム、いつも思うねん。
親と子が、まるっきり同じ価値観の母子って、怖いって。
価値観が似るのは仕方ないよ?
でもな、まるっと同じっていうのは、どうなん?
刷り込みされてるんちゃうかと勘ぐりたくなるやん。
普通、母親の束縛から子供って逃げ出すものやんか。
母親がこうしろああしろ言うても、反抗するものやんかいさ。
そんで思い通りに行かないから、
この子はー!ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!ってなるのが母親ちゃうのん?
世間一般には。
それがヽ(`Д´#)ノ ムキー!!がなくて、
まるっきりピーナッツのような思考だと、
生育状況に何らかの問題があったのではなかろうかと疑問を持つくらい…ちょっときしょい。
さすがの波琉子も、人形になって心を破壊される前に自己を取り戻したんやけど、
その代わり成彦のおねーちゃんは、
母親に取り込まれ母親に依存し引きこもりになってしまいはった。
ラスト近くは、波琉子より、成彦のおねーちゃんとその母親の話になって行って。
なんでお母さんが成彦を毛嫌いしたのかの真相がわかるんやけど。
わかったからって誰もスッキリせぇへん。
つか、より一層母親の業の深さに、陰鬱になっていくん。
ある意味大変な、
イヤミスだと思います。
母親の恐ろしさが、ヒシヒシ伝わってくる…。
愛という名に変えて押し付けられる支配欲…ポチ
↓
にほんブログ村