震える舌(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

トラウマだぉ、破傷風怖いぉ!!
あの頃映画 「震える舌」 [DVD]/渡瀬恒彦,十朱幸代,若命真裕子
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一人娘が破傷風に罹って、
ギェェェェってなるので、
親はヒィィってなる。
観てる方も、ウヒィィ!ってなっちゃうよ。




大きな団地の直ぐ側にある川辺で遊ぶ昌子。
小さな怪我をした昌子は、そのまま泥遊びを続けます。

食事時に、スプーンを落とした昌子。
口を開けて食べようとしません。

わがままだと思った父親の昭は、きつく叱りつけます。
母親の邦江は、そんなふうに叱るとストレスが溜まる…と庇ってるのですが、
そのうち昌子の様子がどんどんおかしくなります。


訝しむ親ですが、病魔がとっくにその体の中に住み着いていたことに、彼らは気づきませんでした。


病院に行っても、精神的なものでしょうと言われ、
それでもふつうではないと思った両親は、
大学病院に運び込みます。


そこで下った診断は「破傷風」

脳腫瘍や髄膜炎ではなかったことに安心する昭。
しかし、それがかなり厄介な病であることを告げられ、愕然。


その時から、家族と破傷風の戦いが始まります。

刺激に過敏反応するため光を遮断した部屋で隔離される昌子ですが、
小児病棟なので子供の声やらは響いてきます。


その音に反応して痙攣を起こす昌子。
悪魔に取り憑かれたのって、破傷風やで!
そう思うくらい、
エビ反りになり、
激しく痙攣を起こします。


その都度食いしばった歯は、舌を噛み、
口の周りは血塗れに。



怪鳥のような叫び声を上げながら、何度も何度も痙攣発作を起こす昌子。
付き添う両親の体力も気力もあっという間にもぎ取られていきます。


発作を起こすたびに、院内を駆けずり回り担当医を探す昭。

最初の発作で昌子に噛まれた昭は、
自分も破傷風に感染しているのではと思い、
昌子のおむつの世話をしている邦江もまた、
自分も感染していると思い込みます。


医者の言うことも信用できず疲弊していく2人。


そして邦江が壊れます。
ちょっと精神科に言って処方してもらったほうがいいんじゃね?と忠告したいくらい壊れていく邦江。


邦江が壊れたことで、負担は昭にかかってしまい、
昭もまた、精神的にも肉体的にも追いつめられていきます。


知人や両家の親の手助けもありますが、
そんなものは、屁のつっぱりにもなりません。



医師もまた試行錯誤で治療に臨んでいます。
何しろ、ここまでひどい破傷風は、
そうそう患者がいないのですから…。


邦江が完全に壊れる寸前に、ようやく昌子に改変の兆しが見えます。
一度は心臓が止まった昌子が回復し始めたのです。


光の刺激も、硬直も痙攣もなくなり、
それでもまだ入院治療は続きますが、
無事大部屋に行くことが出来ました。


大部屋で、ちゃんと一人で寝ていますよ、
病院から連絡をもらった邦江と昭は、
悪魔が去ったことを知るのでした…。

      おしまい




破傷風怖い…罹ったら最後。
そんなトラウマを植え付けてくれてありがとう!

多分ある年齢以上の世代の方には、
大層恐ろしいトラウマ映画です。


破傷風の生半可な知識を得て、
ちょっと怪我したら、
「破傷風になるのでは?」
そう思ってしまったのは、アテクシだけではありますまい!


子役の子のエビ反りが半端なく怖い。
乳歯だから折っちゃっていいですよね!と言い、前歯を折って口をこじ開ける医師も怖い。
どんどんおかしくなっていく十朱幸代も怖い。


いや、今観たら、そこまでギャッ!なシーンって、そんなになかったんだなぁと思えるのですが、
子供の時これを観たら、
マジで怖いっちゅーの。


破傷風怖いぇ?
罹ったらあんな目にあって死ぬぇ?


そんな怯える子羊に勇気を与えてくれたのは、
破傷風に罹ってもけろっとしている(もちろんそれなりには苦しんでたけど)、
鮎原こずえの存在でした。


こずえが生きてたんだから血清さえあれば助かる!
これは希望の光でした。


こずえの破傷風のほうが、先だったと思うんですが、
昌子ちゃんみたいになる前にこずえみたいに血清を打てばいいのよ!



邦江が林檎かじりながら買い物をしてたり、
2人揃ってタバコ吸ったり、
昭がサロペットでマリオがおる!と思ったり、
そういうところに時代を感じます。



能勢医師役の中野良子がたいへん有能且つお上品且つ冷静沈着で、
素敵でございました。
おかげで、
邦江の、ちょっと自己中な部分が、際立っちゃって気の毒かなとも思いましたが…。


でも、この頃って、
子供の医療費無料制度とか、なかったし、
何ヶ月も入院して付き添うとなると、
経済的にも逼迫してくるし

本当にそういう部分でも大変だったろうなぁ…。


機会がありましたら、御覧ください。
怖いより、
今観たら泣けた。


悪魔憑きとかって、こういう病気なんちゃうんかい?と思えるくらいの…、
あるいは番場蛮の霊でも乗り移ったか?と思わせる、
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