夏なので、怪談でも。 | マコチンのブログ

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稲川淳二が大好きなマコチンです。
8月に入るまでバタバタですが、ブログは頑張ります。

今日はめっちゃ暑いので、こんな日は怪談話でも。
お部屋を薄暗くして読んでください。


これは実話です。
そして自分の人生で不思議な体験をしたのは
これが最初で最後となっています。
なお、霊感は皆無と言っていいほど有りません。
幽霊を見たことも気配を感じたこともなければ、
UFOに遭遇したことも、全くありません。
そんな自分が経験した話です。

小学校6年生の時、
(あえて実名でいきますが)
新宿に暮らし「戸塚第一小学校」という学校に通っていました。
冬に天体観測の日があり、夜に校舎の屋上で集まりました。
夕食時だったのでカップ麺を持参し、家庭科室で食べるという
なんとも楽しい催しでした。

屋上で学年全員が(言っても2クラス)観測していたわけですが、
すぐに飽きてしまい、いつもつるんでいた仲間5人ほどの仲間の
誰かが「おい、校舎に下りようぜ!」と言いました。
ガキんちょですから、いいねいいね!と、その仲間で暗い校舎へ。
当然先生も学年担当以外は帰っており、他の生徒はゼロです。
校舎は電気も点いていないので、当然薄暗く、まぁ不気味です。
ただ、校舎が新築だったので「学校!」っていう怖さはありません。
当時はまだ20世紀ですが、21世紀を思わせるオシャレな校舎でした。

さて、続きを話す前に、1つ皆さんに予備知識を持っていただきたいのですが、
僕の仲間内で当時流行っていたのが、
「図書室にある原爆の写真集を見て怖がる」というものでした。
大人になった今思えば、「うわー!怖ぇ!!」と
その恐怖を娯楽にしてよいものではないことくらい、わかりますが、
当時は子供でしたので、単純に「怖い」という感情を
仲間内で弄んでいたのだと思います。
子供のやることなので、許してください。
(生首のシーンなど、平気で載っている写真集でした。
 今の時代は小学校にあのようなものは置かないでしょうね。)

図書室、とは言っても、廊下と一体化した「図書コーナー」のようなもので、
その奥の棚にある原爆の写真集をよく取り出しては広げていたわけですが、
天体観測を抜け出したその日も、誰かが「原爆の本、見に行こう!」と
そんなことを言い出しました。
校舎が暗いというだけで恐怖ですが、男の子ですから
強がって「行こう行こう!」となりました。
そうして行った図書コーナー。ありましたありました。原爆写真集。

それを一人が開きながら廊下を進みます。
幸い、図書コーナーの廊下部分は窓ガラスが並んでいるので、
月明かりでかなり明るいわけです。
だから暗さという意味での恐怖は少なかったです。

写真集に飽きた数名は廊下でじゃれ合ったり、
各々に目の届く範囲で遊んでいたわけですが、数分経過してから
「他のとこ行こう」と、また皆で固まり写真集を奥の棚に戻し、
そして自分らの教室方面に進みました。

まぁ夜の校舎とか肝試しとか言っても、
実際は昼も夜も学校は学校ですから、
オバケが出てきてくれたり、怖い声が聞こえたり、
それこそ音楽室からピアノの音が聴こえてくるなんてことはないわけです。
ようするに子供らにしてみたら「期待はずれ」です。笑

すぐに教室も飽きて、
「もう屋上戻ろっか」ってな雰囲気になり、
戻ることにしました。

この間、ずっと全員で同じ行動をしていたので、
誰一人、抜け出して自由行動は取っていないあたりが
「実際はちょっと怖い」というのが微笑ましい。

教室を出て、階段を下り、またさきほどの図書コーナーへ。
「また原爆見る?」なんて誰かが言いましたが、
「もう戻ろうよ。飽きたー」とかなんとか会話しながら廊下を進みます。

すると誰か1人が「あれ?なにあれ?」
「あれ?なんだろ?」
廊下に何か落ちてます。

「あれ?」

近づくに連れて落ちてるものがなんだか見えてくると

「うわああああ!!!!」

誰かが絶叫し、全員叫びながら猛ダッシュでその落下物を通過し、
屋上に駆け上がりました。

わかる人はわかると思いますが、
奥の棚に戻したはずの原爆の写真集が廊下のど真ん中に置いてありました。
間違いなくあの写真集で、全員が「あり得ない」ということを知っていたので
恐怖心が一気に爆発し、パニックになりながら屋上に逃げました。

ただ、天体観測を抜け出していること自体が悪い事なので、
屋上に戻ってから騒ぐ訳にはいきません。
みんな小声で
「なんで?なんで???ねぇ、なんで????」
とパニックに。
棚に戻した奴も「俺戻したもん。絶対戻したもん。」

後ろから誰かついてきていて、悪戯をした可能性もありますが、
長い廊下で背後に人がいなかったことは全員わかっています。

何故、あの原爆写真集が廊下に出ていたのかは今もわかりません。

もし、神様や幽霊など、不思議な存在が実際にあるならば、
「戦争や原爆をそういうネタにしてはいけないよ」と教えてくれたのだろうと。
大人になった今は、そう解釈するようにしています。

その後、廊下にあった写真集をどうしたかは覚えていませんが、
それ以来、原爆写真集でわーわー騒ぐことはなくなりました。


今のところ、僕が人生唯一経験した神秘的な体験です。