聖夜に想う | まこBlog in ドイツ

聖夜に想う

Heiligeabend


今日は12月24日、クリスマスイブです。


ドイツではこの日を、


Heilige/ 聖なる

Abend / 晩、夜


つまり『聖夜』と呼びます。


クリスマスの晩餐前の夕方に、信心深い方々は教会のクリスマスミサに参加します。


この時間はテレビでもミサの中継が流れるので、いつも仕事しながら教会の音に耳を澄ませ、年末感のなんとも言えない穏やかな気分を味わっております。


自分的には、テレビで行く年来る年を見ている感覚ですね。


仕事しながらと書きましたが、私は毎年イブは遅番勤務と決めております。


祝宴前の暮れとか、誰も勤務したがらないのもありますが、私はこの『暮れ』の感覚を介護施設で過ごすのが好きなのです。


このミサの音楽に合わせて振る舞われる夕食は毎年決まっていて、ポテトサラダ。



細いソーセージを付け合わせに召し上がる方々が多いです。


このポテトサラダを振る舞いながら、今年もクリスマスを迎えることが出来ると住人の皆さんと歓談し、安らかに眠につく様を見届けている瞬間が、神聖な気分になれて好きなのです。


そして故人を懐かしく想う日でもあります。


実は12月初旬に、大切にお世話させて頂いていた、人間ちゃんが旅立ちました。



https://ameblo.jp/makoblog2/entry-12753293453.html 


https://ameblo.jp/makoblog2/entry-12792146592.html 



最初は全く人間らしい暮らしが出来なかった人間ちゃんは、その後私を知り合い認定し、気を許して頂けるようになりました。

人間ちゃんは、元々癌を患っており、日々痛みと闘いながら過ごしていることは分かっていたのですが、10月位から立位が困難となり、目が見えなくなり、自力で食事を摂ることが困難になっていきました。

そうなると、また痛みと恐怖で暴れまわるし、食事介助もままならないし、衰弱するし、年を越すのは難しいのかなと皆が思っておりました。

しかし、ふとした瞬間、目が開いて、物事を理解出来る瞬間もあったのです。

11月のある日、居室に訪れて話しかけたら、彼女はこう言。

Ich kenne Sie.
Sie ist meine Mutty.

私は彼女を知っている。
彼女は私のママ。

私はお友達からママに格上げされたようです。

お世話される様子が、幼少期の母との想い出に被ったのかな?

こんなに信頼してくれているのだから、最後まで見守りたいと思っていたのに、彼女はそれから数日後、私の病欠中に亡くなってしまいました。

訃報を聞いた時は、自分の不甲斐なさに腹が立ちましたし、見守れなかったことがとても悔しかったですね。

介護と言うのは、こういうことの繰り返し。

何が正解かは分かりませんが、最適解を模索し、その日その日に出来ることを精一杯すること位しか出来ないし、その過程が、存在意義を見いだせる日々を作り出していくのかなと思っております。

今は苦しみから開放され、安らかな世界にいることを願ってやみません。

さぁ、今年もポテトサラダを食べて業務に従事したいと思います。



聖夜に響かせたい歌はやはりこちら。



Stille Nacht
静寂の夜

日本語名は『きよしこの夜』

元々ドイツ語の歌で、この『聖夜』の為の歌ですね。

では、お仕事行ってきます。

皆様にとって、平和で安寧な夜となりますように!