施設に訪問診療で行くのは
だいたい2週に1回くらい
月に2回程度で
患者さんの全身状態を把握するなんて到底不可能である
施設には
訪問看護さんや介護スタッフがいて
俺なんかより
ずっと長く患者さんの事を診てくれている
つまり
その人たちの意見こそが
毎日の全身状態把握への近道だといつも思っている
食事、睡眠、排便
これは俺がいつも口にする
毎日の大切な事
その中で最もコントロールしやすいのが排便である
定期の内服を調整するのは俺の仕事だが
例えば3日便が出ない時や
5日便が出ない時
患者さんが訴えた時など
下剤を適宜投与したり
浣腸を実施したりするのは
なかなか統一見解と言うか
指示の出し方が全員同じというわけにもいかない
人によって我慢できる日数や
薬の効果がまちまちだからだ
なので
「現場の訪問看護に排便コントロールは任せる」
と言っている
そんな中
訪問看護の一人から報告の電話があった
「2日排便がなくて、嘔気があります
便秘からくるものと思ったので
ラキソベロン液を25滴飲ませました」と
おい…
少し医療知識がある人ならこの意味が分かると思う
ラキソベロン液は5滴ごとに増量するのが基本で
便秘3日目で5滴、4日目で10滴、5日目で15滴…
といったような使い方をするのだが
いきなり25滴投与したことに驚いてしまった
「どうしていきなりその量?」と聞いたが
「投与の量は先生がこちらに一任してくれたから」との返答であった
確かに俺は現場に一任した
しかしそれは
常識の範疇でコントロールしてくれると信じているからである
その範囲を超えるコントロールをもし続けてしまうのであれば
それは現場に任せられないという結論になってしまう
今日その施設の定期訪問へ行った際に
その当事者の看護師は不在だったが
今回の投与について同行してくれた訪問看護に聞いてみたところ
他のスタッフに相談もなく
独断で投与を行ったようだった
事後報告はあったようだが、そのナースは勝手な判断で色々やってしまう性格との事
なかなか困ったもんだ
では25滴をいきなり内服するのがダメなのかと言えば
ダメではないが、飲めばわかる
腹痛で多量の下痢がしばらく止まらなくなるだろう
そんなこと、患者さんに強いてはいけない
調整を数滴ずつでやっていることには意味があるのだ
お互いに信頼関係の上で成り立っているからこそ
指示は緩くでき
それに沿って動くナースも、動きやすくなるはずだ
だが、勝手に暴れ散らかすのであれば
ルールでがんじがらめにせざるを得なくなる
もう少し患者さんの事を考えられるナースであって欲しい
ちなみに
そのナースは周囲からあだ名で
「アンミカ」
と呼ばれている
雰囲気から察して頂ければ…(´;ω;`)ウゥゥ