暗闇坂~東京都新宿区愛住町 | 大根役者

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日常と街道の旅を続けています。ガスリーのHobo's LullabyとアズナブールのLe cabotin(大根役者)を友に

暗闇坂というとはっぴいえんどの『風街ろまん』に収録された「暗闇坂むささび変化」を思いだす。この唄は麻布十番の暗闇坂を大在任したものだが、東京23区内には文京区白山、文京区本郷、大田区山王、品川区南品川、目黒区上目黒、新宿区愛住町の7つの暗闇坂があった。いずれも、木々が坂をおおい昼間も暗かったことから名付けられた。そんなロケーションだから

幽霊伝説等橋にまつわる伝承が多い。

 

愛住町の暗闇坂を歩いたとき、そんなことを思いだしていた。

愛住町の暗闇坂は暗坂(くらやっみざか)が正式名称だ。今では往時の面影を偲ぶ術はないが、愛住町一帯は浄運寺、法雲寺、正応寺、安禅寺などのあり四谷北寺町と呼ばれていた。

法雲寺には江戸時代の梵鐘が保存されている。

 

説明板を転記しておく。

 

 

法雲寺大四世順意が枡屋、長谷川氏、飯田氏、江藤氏などの喜捨を受け、享保8年(1723)に鋳造された銅造の梵鐘。総高132.5センチで、江戸鋳物師河合兵部藤原周徳の作である。
 江戸鋳物師の梵鐘鋳造減少期における作品で、同時期における江戸鋳物師の技術的特徴を知ることができる。また、銘文から当寺の檀越等を知ることができ、史料的価値も高い。
 太平洋戦争中の供出により区内の江戸時代の梵鐘は残存数が少なく貴重である。
 平成18年(2006)10月 新宿区教育委員会

 

このあたりには、江戸時代の古刹が多く

静かな街だ。坂の上からは新宿の高層ビルが見える。車の音もあまり、聞こえない。住みたい町だ。だから愛住町なんだ。