さて、手術も終わり家族も帰り夜になりました。

酸素マスクが鬱陶しいし、何も出てないように思うので
「これ取ってもいい?」と看護師さんに聞くと
「まだダメですよー」と優しく口にはめ直される。

相変わらず表の縫い目も内側の縫い目も痛い。
あんまり痛いので、切れ気味に
「なんでこんなに痛いの?!」と看護師さんに言うと
「そりゃそうですよ、切ってるんだから。
カッターで指を切ったら痛いでしょ?あれと同じですよ」
と諭される。
しかも、それに「そっかー」と納得する私(笑)

相変わらず起きてるのか寝てるのか分からない状態が続く。

しばらくして酸素マスクを外してもらう。
「顔を拭きましょうね。タオル使いますよー」と
持って来たハンドタオルをお湯で濡らしてくれて
顔を拭いてくれた。
これだけでもずいぶんさっぱりする。

暑がったのかなんなのか、お布団ではなく、持って来たタオルを掛けてくれてた。

いつもの薬を飲ませないといけないので、看護師さんに声を掛けられる
「飲み物は冷蔵庫に入ってる?お薬飲みましょうね」と言われ
冷蔵庫を開けてもらうと、お茶とグリーンダカラしか入ってなかった
(お水は飲みきってしまっていた)
「お水は?お薬何で飲むの?」と聞かれ「お茶で飲むー」と返事すると
「透明なものじゃないと、もし、戻した時に何が原因か分からないので
透明なもので飲んで下さい、だから、お茶はダメです。お水持ってきましょうか」
とそういわれたので「ダカラなら透明だから、それで飲むー」と返事
(この辺、妙に覚えてる:笑)
いつものお薬を出してくれて、寝てても飲めるやつ(名前知らん)に
ダカラを入れてくれて、手渡してくれた。

薬を口入れて、ダカラで飲み込む。

今まで何も飲み食いしてなかったので、胃がびっくりしたのか
ものすごい吐き気がしてきた。
「うわー!吐きそう・・・」とともに、猫がげぼする前のげぼ!げぼ!って
いうのが自分の口からも出てくる。
慌てて受け皿を持ってきてくれる看護師さん。
結局、ものすごいゲップが出て吐く事はなかった。

「大丈夫みたいです」
「一応近くに(受け皿)置いておきますね。気持ち悪くなったら
すぐに教えてね」

その後、口を拭くようにティッシュを渡してくれたのに
使った後、それを投げ散らかしたり、
いつでも飲めるように、容器に移してくれたダカラをなぎ倒したりと
なぜか乱暴な動きをしてしまい、その度に、看護師さんが拾ってくれたり
拭いてくれたりと余計な手間を掛けてしまった。

部屋はクーラーが入っていて、涼しいはずなのに
すごく暑く感じて、汗をかいて、せっかく拭いたのに顔がべたべたする。
すごく不快だった。
結構体温が上がってたようだ。

薬を飲んだ後、ちょっと落着いた私を見て
「じゃ、ちょっと寝返り練習しましょう」という看護師さん

寝返り?!どういう事?!なんなの?!
ここでぐるんって回れないぞ、点滴のチューブもあるし。

と慌ててたら

「はい、両手でベッドの柵持って。右側に体起こしましょう」
と指示があった。
腕に力入れて動こうとするけど、傷口が痛くて
「痛いーー!無理ー!」と泣く私。
「大丈夫ですよー!背中からお尻までベッドから離す感じで」
無理って言ってても華麗にスルーな看護師さん。
「はい、一回仰向けになってー。今後は左側に」
「痛いー!」
「大丈夫ですよー!」
これを数回繰り返した(笑)

「寝てる時も適当に自分で動いて下さいね」

こんな言葉で締めくくられて、寝返りの練習終わり。
そして、適当に寝返ろうとするけど、傷口が痛くて
ちょっと背中浮かす程度で仰向けに戻ってしまう(笑)

「足も機械が外れない程度に動かしてもいいですよー」
と言われるので、もぞもぞ動かす。
ほとんど可動域はないけど、動かしていいっていうのは気が楽だ。

こういう事をしてる間に、もう1人の看護師さんが来ては
尿管が繋がっているパックを交換してくれたり
点滴を入れ替えたりしてくれていた。

そして消灯時間になったので、睡眠剤のお時間。
その前に再度顔を拭いてくれた。
その時に
「ここ、痛いですか?」と唇の上下を触る。
確かにさっきから気になってた。
なんかぷっくりデキモノというか、虫刺されみたいなのができてたから。
「なんか痛いです。」と答えたら「分かりました」との返事
でも、特に何も処置はなかった(笑)
多分、手術中に人工呼吸器を入れてた時の跡だと思う。

再び薬を渡され、ダカラで飲み込む。
今度は吐き気もなく、普通に飲み込めた。

しかし、傷口の痛み、なんだか分かんない暑さ
足につけてるエアポンプ、尿管に点滴。
違和感たっぷり過ぎて、いつもの睡眠剤でも
ぐっすり寝るとは行かなかった。
途中起きると、看護師さんが「何か飲みますか」と聞いてくれたり
「痛みますか?痛み止め打ちましょうか?」と聞いてくれたり
時には「大丈夫ですから、寝て下さい。ここにいますからね」と
声を掛けてくれたりしてくれた。

こうしてようやく、長い手術当日が終わった。

手術関係なので、綺麗じゃない言葉も出てきます。
その辺をご注意下さい。


手術当日。
睡眠剤のおかげでいつも通り寝れた。
安定剤が効いてるせいか、それとも寝ぼけているのか
実感も緊張感もない。

歯磨きして顔を洗って手術着に着替える
手術着はあちこちスナップとかマジックテープがついてて
簡単に脱ぎ着させられるようになってる。
ちなみに、下着はパンツのみ着用。
前日の説明で聞いてびっくりしたのは
手術台に上がる時はパンツ一丁なんだそうだ。
その上手術中は全裸なんだって!!
「ドクターX」とか「DOCTORS」とかそんな描写ないよね?
手術する場所によるのかもしれないけどさ。

そんな事をしてたら看護師さんが補水経口液を持って来た。
言われた通りに飲んで、その後、いつもの薬を飲む。
そしたら両親が来た。(手術中、家族に待機しててもらう)

看護師さんが来て、手術着をちゃんと着てるかチェック。
チェックの後「じゃ、行きましょうか。ご家族の方もご一緒に」
と声を掛けられて、歩いて手術室へ。
これも、ドラマだとストレッチャーに乗せられて手を握られながら
酸素マスクをつけた私が「頑張ってね!」って家族の言葉に微笑んで答える
みたいなシーンだけど、そんな事はなく、手術室の前で
「んじゃねー!また後でね!」とバイバイして別れた。
この時点でも全然緊張しない。

この時、看護師さんが
「お父さん、すごく心配なのね。すごい顔してましたよ。見ました?」
見てない。てか、すごい顔って何だよ、手術の前に笑わせないで(笑)

手術室に入るとまず、名前と生年月日、今日は何の手術を受けるかを
手術室の看護師さんに申告する。
手元のデータと合っていればOK。
その後、手術台に案内される。

そこには部長先生、病棟主治医先生、主任先生がいたので
「おはようございます、今日は宜しくお願いします」
とご挨拶。
部長先生から「寝てたらあっという間だから、何も心配しないで」と言われ
主治医先生からは「おはよー!緊張してる?大丈夫だから頑張りましょうね!」
とちょっと会話。

看護師さんに促され手術台に横たわる。
と同時に酸素マスクを付けられ、あちこちから手術着のマジックテープや
スナップを外したり、点滴のルートを確保する手が伸びてきて
お?お?と思ってる内に、意識が遠のいた。

次に気付いたのは、名前を呼ばれた時。

部長先生や主治医先生、看護師さんが笑顔で覗き込んでる
部長先生が「無事に終わりましたよ。もう大丈夫」と言ってくれた。
主治医先生は「これ、取ったものですよ。右の卵巣は見たけど
綺麗だったから、取ってないです。頑張ったね!」と言ってくれた。

手術自体は3時間ちょっとで終わったらしい。

部屋のベッドを持ってきてくれてたので、そこに移され
痛み止めの点滴をぶらさげて部屋まで運ばれる。
両親とは部屋で合流。
そこで、筋腫と子宮を両親に確認してもらったらしい。
(後日、主治医先生からお父さんがすごい顔してましたよと教えてもらう。
父よ、毎回どんな顔してたんだ???)

痛み止めと麻酔が抜けきってないせいか、夢うつつ。

母が言うには、ずーっと(お昼位に手術が終わってから)
「痛いー」だの「うーーーー」だの、うわごとを言っていたらしい。

途中自分がどんなカッコをしてるのか気になって見ると
腕には痛み止めの点滴+麻薬系の強い痛み止めを入れるための装置
足は着圧ソックスをはかしてもらっていて、その上から、エアポンプで
膨らませたりしぼんだりするクッションを付けられている
それでマッサージをして血栓が出来ないようにするらしい。
口には酸素マスク。
そして、尿管がつながれていてどんどん排出されていく。
トイレに行きたくならないのはこれのおかげか。

この後一番越えるのが大変だった。

私が入院した病院での体験談なので
他では違うかも知れないですが、何かのご参考になれば。

今回の入院は、張り込んで個室にしました。
テレビもスマホも気にせず使えるし、手術後も周りに気を使わないでいいから。
後で書くけど、これは正解だった。

手術の前日は特に何もなく(祝日で休診日だったのもあるかな)
検温や血圧のチェックをして、普通に食事。
後は一応お腹を空にするために、ゆるい下剤飲んだり。
(これは自分でお願いした)
看護師さんは明日必要なものが揃ってるかチェックしてくれたり
不安な事、心配に思ってる事はないかとか聞いてくれる。
「明日は6時半ごろ飲み物(補水経口液)を持ってくるから
それまでに起きておいてね」
って事は、なるべく早めに寝なくちゃな。

その後、シャワー浴びる。
お腹のぽっこりした部分を撫でて、お別れした。
明日、ここがなくなるんだ・・・
切ないような、嬉しいような、悲しいようないろんな気持ちが
綯い交ぜになってぐるぐるする。

シャワーの後、部屋で本を読んでたら
病棟主治医先生のお部屋訪問。
「リフレッシュしてきたー?風邪とか引いてない?大丈夫?
明日は宜しくねー!」とか話をしてたら
部長先生も後から来て
「寝てる間に終わるから、何も心配しないで大丈夫!
微熱出てるけど、風邪とかじゃなさそうだから予定通りやりますよ。
今日はリラックスして過ごしてね。明日も緊張しないでいいからね」
そんな話をしてたら緊張がほどけた。

夕飯は6時。
今日は夕飯の後は水分(水、お茶、スポーツドリンク)のみOK。
普通に食事の後、お腹空いたらいやだから持ってきた「じゃがりこ」食べた(笑)
ただし、翌日寝起きに1リットルほど補水経口液を飲まなくちゃいけないから
水分の取り過ぎには注意。

夜の検温の時に看護師さんから
「大丈夫?何か不安な事ない?辛い事とかでもいいから
何かあったらお話聞きますよ」と声を掛けてもらう。
補水経口液の味が気になったので
「美味しい?」って聞いたら
「オレンジ味が200ml、ポカリみたいなのが500ml。こっちがちょっと
しょっぱいみたいだから無理なら全部飲まなくても大丈夫よ」
と教えてくれた。

睡眠導入剤と安定剤を渡してもらって
(うちの病院は睡眠剤は看護師さんが管理する事になっていた。
事故予防のため?私が持ってる抗鬱剤の方がヤバイんだけど:笑)
消灯の後、ちょっとテレビを見てから寝た。

いよいよ明日だ!